アメリカフウロ 亜米利加風露 英名:Carolina geranium
Geranium carolinianum L.
フウロソウ科 フウロソウ属 アメリカフウロ節
 

 

 



花・茎・葉・果実 名古屋市東区 2007.5.26

 市街地の道端などで見かけるフウロソウの仲間といえば、このアメリカフウロを最もよく見かけます。写真の場所ではドクダミと一緒に生えていました。

 葉は掌状で深く切れ込みがあります。葉幅は『日本の帰化植物』(平凡社)では3〜4cm、『日本の野生植物 草本』(平凡社)では1〜7cmと書かれてありますが、見たものでは、だいたい3〜4cmで、上部の葉は2cm程度のものもありました。葉の縁は赤く縁取られる傾向にあり、やせ地に生育するものほど濃くなるそうです。

 茎、葉、萼片には白毛が生えています。茎の白毛は開出しています。柄の分岐点には離生した細い托葉があります。托葉の長さは図鑑では7mmとありました。見たものでは下部から中部にかけては7mm程度、上部では4mm程度でした。

 2本1対で伸びる小花柄の長さは5〜12mmです。見た1個体でも5〜10mm程度でした。図鑑では萼片の長さは5mmとなっていますが、先端の細く尖った部分を入れれば、見た個体では6〜7mm程度はありました。フウロソウ科の萼片、花弁はそれぞれ5個ずつつきます。

 花はうっすらとピンク色を帯びているのが普通のようですが、中には濃い色になるものもあるようで、『街でよく見かける 雑草や野草がよーくわかる本』(秀和システム)に写真が載っています。刮ハの嘴は15〜20mmと長く花後に目立ちます。見た個体では、嘴の付け根ぐらいからだと図鑑通りの長さがあるようですが、果実の上からの長さだと14〜15mm程度でした。果実は最初は緑色をしていますが、熟してくると黒っぽくなります。

 細かい網目模様のある楕円形の種子は長さ2mm程度で、嘴についた裂片がねじれず反り返って跳ね上がるときのばね力で果体から飛び出します。手で触れて跳ね上げてみると、中には種子が果体に残ったままで飛び出さないものもありました。これは手で強引に触ってしまったからかもしれませんが。
 単にはじけるだけですが、飛距離は意外にあるように思います。それでもこれだけ分布を広げているのはそれだけでなく、車などに載って運搬されるのでしょう。

 北アメリカ原産の帰化植物で、日本では1932年に牧野富太郎氏が京都市南部で見つけ報告した記録があるようです。日本では宮城県から沖縄にかけて分布しているそうです。

 フウロソウ属には、他に、ゲンノショウコハクサンフウログンナイフウロなどがあります。

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