チダケサシ 乳茸刺
Astilbe microphylla Knoll
バラ目 ユキノシタ科 ユキノシタ亜科 チダケサシ属 チダケサシ列
 

花 東三河 本宮山 2010.7.10


 チダケサシの仲間は似ていて私にとって同定しにくいものの一つですが、チダケサシは普通、淡紅色の花で、小葉の先端は尾状にならず、トリアシショウマ、ハナチダケサシ、アカショウマの花弁は白色で、小葉の先端は尾状になるという区別点があります。また、花序はほぼ真っ直ぐ上に延びて立っているのも特徴です。

 上の写真で、花は白っぽいですが、特に上の方の花では若干ピンク色を帯びているのがわかりやすいと思います。下の方の花や左側の花も、わずかにピンク色を帯びていますが、上の写真ではほとんどわからないですね。小葉の先端は尾状になっていないのがわかりやすいと思います。

 花軸には腺毛がたくさん生えていますが、写真ではかろうじてわかる程度です。雄蕊は10本で5枚ある花弁より短い。

 チダケサシ(乳茸刺)という名は、チタケ(チチタケなどの総称)というキノコを本種の茎に刺して持ち帰ったからだといいます。確かに、触ってみると、茎はそんなに貧弱ではなく、キノコなら刺せそうです。チタケは、特に栃木県でよく採られているようで、「ちたけそば」という郷土料理もあり、マツタケ以上の高値になることもあるとか。もちろん、チタケが採れるのは、チダケサシの季節です。減少傾向にあるようで、崖のようなところまで行かないとなかなか採れないそうで、例えば、2010年7月18日に日光市で80代の男性が滑落死、2010年7月22日に那須塩原市で60代男性が転落死、その他を含めこのシーズン、8月12日までで4人が死亡しています。いずれもチタケ採りの途中での死亡事故とのことです。この年はのチタケは豊作だったそうです。

 『日本の野生植物 草本』II(平凡社)によると、チダケサシの分布は、本州、四国、九州となっています。

 園芸品種は、チダケサシ属の学名、"Astilbe" から、「アスチルベ」と呼ばれているようです。

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