伯耆大山 下山野営場駐車場から

 なんとなく敬遠していた伯耆大山にようやく登ることができました。子供も多く登る、中国地方で愛されている山です。



尾根上に延びる木道

【山 名】伯耆大山(ほうきだいせん)(大山、伯耆富士、出雲富士、大神岳(おおかみのたけ)、大神山、火神岳(ほのかみたけ))
      弥山(みせん) (三角点ピーク手前1700m地点まで)
      寂静山(じゃくじょうざん) 871.9m
【山 域】伯耆(中国山地、白山火山帯、大山火山群) 大山隠岐国立公園、大山国有林、大山森林生態系保護地域
【水 系】佐陀川水系、日野川水系
【所在地】鳥取県西伯郡大山町大山
【山行日】2011年8月1日(月曜日・水の日・友引)
【行  程】下山野営場前駐車場から
7月31日(日)
  豊川 ==(R1)== 音羽蒲郡IC ==(東名)== 美合PA ==(東名・伊勢湾岸・東名阪)== 四日市IC ==(R477)== 
  7:46             7:54                8:03-8:23                                9:12
  == 四日市IC ==(東名阪・新名神)== 土山SA ==(新名神・名神・中国 109.1km)== 西宮名塩SA ==
       9:17                        9:39-10:04                                  11:14-11:33
  ==(中国 101.5km)== 上月PA ==(中国・米子 81.8km)== 蒜山高原SA ==(米子)== 溝口IC ==
                     12:40-13:12                        14:09-14:49             15:06
  ==(県45・県158)== 大山登山口 --(周辺散策)-- 大山登山口 ==(県24・県102)== コスモ石油 ==
                      15:26                          16:23
  == 米子駅地下駐車場 ---- スーパーホテル ---- 湊山公園 ---- 米子駅 ---- スーパーホテル(泊)
      17:01
 (31日の合計走行距離:470.0km)
8月1日(月)
  スーパーホテル ---- 米子駅コンビニ ---- 米子駅地下駐車場 ==(県102・県24 21.5km)==
                                                    8:01
  == 下山野営場前駐車場 ---- 一合目 ---- 二合目 ---- 標高1000m地点 ---- 三合目 ---- 標高1100m地点 --
         8:36 - 8:51          9:08        9:24           9:26            9:39           9:24
  -- 五合目 ---- 大山寺分岐 ---- 六合目 ---- 七合目 ---- 標高1500m地点 ---- 八合目 ---- 九合目 --
     10:09         10:10      10:24-10:29    10:40           10:50          11:03       11:18
  -- 1700m地点 ---- 八合目 ---- 七合目 ---- 六合目 ---- 大山寺分岐 ---- 大神山神社 ---- 寂静山 --
    11:28-11:45     12:08       12:26     12:39-12:45      12:56          13:46      14:19-14:24
  -- 参道 ---- 下山野営場前駐車場 ==(県24・R431・県206・県300・県207 19.5km)== 皆生温泉OUランド ==
    14:33         14:51 - 15:04                                              15:39 - 16:40
  ==(県207・県300・R431 7.9km)== 弓ヶ浜展望駐車場 ==(R431)== すし若 ==(R431・県2)== 美保関 ==(県2・R431)==
                                 16:54-17:16               -18:04
  == 米子タウンホテル(泊)(1日の合計走行距離:99.9km)
      19:08-
8月2日(火)
  米子タウンホテル ==(R9 36.4km)== 道の駅ポート赤碕 ==(R9)== 鷲見さん実家 ==== 香味徳 ---- 淀屋 ==
            -8:56                     9:50-10:12
  == 打吹公園 ==(県273)== 三朝温泉 ==== 鷲見さん実家(泊)
8月3日(水)
  鷲見さん実家 ==(R313)== 道の駅犬挟 ==(R313)== 湯原IC ==(米子・中国)== 揖保川PA ==
        -8:25              8:47-9:00             9:23                    10:21-10:32
  ==(中国・名神 130.8km)== 桂川PA ==(名神 16.1km)== 大津SA ==(名神・新名神 45.6km)== 土山SA ==
                           12:01-12:12                12:31-12:37                          13:08-
  ==(新名神・東名阪 36.0km)== 御在所SA ==(東名阪・伊勢湾岸 15.2km)== 湾岸長島PA ==(伊勢湾岸)==
                              13:55-14:04                                14:16-14:31
  == 名港中央IC ==== 実家(泊)
       14:40         15:36
8月4日(木)
  実家 ==(R1)== 豊川(5日間の合計走行距離:1080.6km)
  13:20         15:36
【山行時間】6時間0分(休憩を含む)
【標高差】約935m
【人  数】1人(単独)
【天  候】曇
  気温:
  7月31日
   24℃(自宅出発時、美合PA)、27℃(土山SA)、31℃(西宮名塩SA)、30℃(上月PA)、
   25℃(蒜山高原SA)、24℃(大山登山口到着時)、28℃(米子駅地下駐車場)
  8月1日
   27℃(米子駅地下駐車場)、23℃(登山開始時、六合目)、20℃(1700m地点)、27℃(下山時)、
   30℃(皆生温泉)、29℃(弓ヶ浜、ホテル到着時)
  8月2日
   33℃(ホテル出発時)、29℃(赤碕)
  8月3日
   27℃(犬挟)、30℃(揖保川PA)、34℃(桂川PA)、32℃(大津SA)、29℃(土山SA)、
   32℃(御在所SA)、29℃(湾岸長島PA)、33℃(名古屋)
  8月4日
   34℃(名古屋)、35℃(帰宅時)
     8月1日米子の気象庁データ:平均気温26.2℃、最高気温29.0℃、最低気温22.7℃、平均風速1.9m/s、
                 最大瞬間風速6.9m/s、風向:北北東、平均湿度:80%
【地 図】1:25,000地形図 伯耆大山(所持せず)
     1:50,000 山と高原地図53 大山・蒜山高原 2011年版(昭文社)
【スタイル】皮登山靴zamberlanフジヤマ、MILLETアタックザック、黒色ウェストバッグ、
 ショートソックス(黄土色)\2,100 毛77%・ナイロン22%・ポリウレタン1%(2011.06.26購入)、
 mont bellズボン(中国製 ナイロン(バリスパン)100% \6,570)、
 綿100%トランクス(中国製)、眼鏡、RunBIRD(ミズノ)中国製半袖Tシャツ(綿60%、ポリエステル40%)、
 腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、緑色タオル、水色バンダナ(途中から頭に巻いて歩く)、
 デジタルカメラ:MINOLTA DiMAGE7、SONY α350(いずれも首に提げて歩く)
【所持飲料】KIRIN生茶500ml(完飲)、アクエリアス カロリーオフ500ml(完飲)、
 アクエリアス ビタミンガード レモンピールエキス入り ビタミンC1000mg配合 カロリーオフ500ml(完飲)、
 い・ろ・は・す I LOHAS 温州みかんエキス入りナチュラルミネラルウォーター 555ml(約200ml飲む)
◆出発前◆
 7月の休暇(勤続20年)には東北の早池峰山秋田駒ヶ岳に登りました。今回、ゴールデンウィーク出勤の替わりの8月の夏休暇では、東北とは反対方向の中国地方の大山へ登ることにしました。以前からずっと登りたいとは思っていましたが、中途半端な高さと、距離的にちょっと遠いこともあり、今まで出かけずにいました。大学時代、ワンダーフォーゲル部の同期のT氏が、高校のときに登ったと言っていました。当時は、高校生でも登れる簡単な山、というイメージを持ちました。やはり日本アルプスと比べると、見劣りしてしまいます。でも中国地方の最高峰です。訪れないわけにはいきません。

 ただ、大山は、成層火山、カルデラが形成された後に溶岩円頂丘ができた火山で、山頂付近が崩壊していて、普通は立ち入りできません。最高峰の剣ヶ峰だけでなく、三角点峰の弥山も立ち入りできません。ピークハンターとしては、これはストレスです。でも、目的がピークハントではなく、花を楽しむことにすることで、動機づけになります。

 今までゴールデンウィークに氷ノ山には行ったことがありましたが、さらに西の中国地方の山へは行ったことがありませんでした。さらに季節も違って夏です。きっと何か見たことのない花に出会えることでしょう。

 出発をいつにするか、これは天気次第です。ところが、天気が不安定で、新潟・福島では豪雨による死亡者も出ているほどです。天気予報は完全な雨ではなく、局地的に集中豪雨をもたらすもののようです。そうなると落雷の危険もあります。長野に行ったときには、下山後ですが、車でホテルへ向かう途中、前方で落雷を見ました。しかし、完全な晴を期待して待っていたら、いつになるかわかりません。しばらくは不安定な予報のようです。ならば、出かけてみるしかありません。出発日と翌日の宿泊を予約します。そして日曜日に出発することにします。

 早池峰山・秋田駒ヶ岳と比べれば距離は短いですが、鳥取県でも島根県に近い位置です。それなりに距離はあります。朝、出発し、時間があれば、どこかに少しだけ寄り、その日はホテルで泊まることにします。今まで、登山前は、登山口などで車中泊のパターンが多かったのですが、この前のゴールデンウィークは、天気の都合で、出発日は天筒山と湿地の散策だけにし、ホテル宿泊後岩籠山に登りました。このパターンをイメージして、登山前の宿泊にしました。大山の麓にある登山者用の宿泊施設なら、朝早く出発できるのかもしれませんが、普通のビジネスホテルだと、朝食が7時からなのが普通です。まあ、それでも大山登山なら大丈夫でしょう。でも少しだけ早目に出発したいという気持ちもありますので、6時半から朝食がとれる「スーパーホテル米子駅前」にしました。温泉もついています。

◆米子へ◆
 出発は前日の朝8時前。特に出発時刻は決めていませんでした。朝、目が覚めたら出発しようと。ただ、現地付近で時間があれば、どこかを散策したいという気持ちがありましたので、できれば、早く行こうと。大阪付近を通過するのに時間がかかるかもしれません。

 日曜ですが、トヨタ系の会社は東日本大震災の原発事故の影響を受けて土日を出勤日としています。その影響で、普通の日曜なら混雑するはずのない国道1号線の交差点が右折渋滞しています。

 音羽蒲郡インターから高速に乗ります。子供の夏休み期間の日曜ですが、渋滞はしていません。美合パーキングエリアでマクドナルドに寄ります。ソーセージマフィンセット(ソーセージマフィン、ハッシュポテト、プレミアムローストアイスコーヒーS)で340円と安いです。めったにマクドナルドなんて入りませんが、バリューセット(朝マック)になるのでしょうか、セットは安いですね。ハッシュポテトも、普通のスティックタイプのポテトではなく、おいしかったです。

 豊田ジャンクションからは伊勢湾岸自動車道を選択します。東名・名神経由よりも距離が短いと、関西出身の会社のNさんが言っていたのです。それでも、東名阪に合流し、一旦、亀山まで南下しなければならないと考えると、かなり大回りしているような気もしてしまいます。

 通勤割引をゲットするために、一旦四日市インターで下り、乗りなおします。休日特別割引で通常2,850円のところ、1,450円とほぼ半額になります。ところが、この作戦は失敗のようです。それはのちほど。

 亀山ジャンクションから新名神に入るのは初めてです。春に、ユキワリイチゲを見るために土山方面へ行ったときは、間違えて、亀山インターを下りて国道1号線を通ったのでした。新名神は、まだ私のカーナビ上では開通していないのです。土山サービスエリアで休憩します。東日本大震災復興宝くじというのが売られていたので、つい買ってしまいました(後日確認し当たらず)。

 大阪付近も渋滞には巻き込まれずに通過できました。中国自動車道に入ると、交通量は激減します。普段はこんなに閑散としているのでしょうか。上月パーキングエリアで昼食とします。ねぎ味噌ラーメン(\780)を食べます。冷茶(ほうじ茶)もあります。豊川から倉吉へ帰省している鷲見さんに電話を入れてみますが、出ませんでした。

 米子道に入り、蒜山サービスエリアで休憩します。ここで鷲見さんからの電話に出ることができました。用件は会えるかどうかです。8月2日にどうか、と聞いてみるとOKとのこと。夕方まで時間が少しあるので、大山山麓の桝水高原へ行ってみることにします。出発前に、『花の百名山』の「大山」のところを読み、「大山西麓の湿原、桝水原」という文字を見つけたのです。湿原があるなら行ってみたいと思いました。

 溝口インターを下ります。四日市から溝口まで347.8kmで通常7,650円のところ、休日特別割引で4,150円となります。途中、四日市までは1,450円でしたので、計5,600円です。ところが、途中で降りずに通ると、5,200円だったのです。休日は、一日中半額だったのです。ただし、大阪近郊のみは除外なので、完全には半額になりませんが。

 伯耆街道(県道45号線)の坂を登っていくと、桝水高原に出ました。かなり観光地化されています。静かな湿原なんてあるのでしょうか。その場所もわからず、結局、通り過ぎてしまいました。『山と高原地図』によると、「桝水原下部の湿原は乾燥し、・・・多くの絶滅危惧種が滅びた。」そうです。

 そのまま、大山環状道路(県道158号線)を大山登山口方面へ進み、大山寺橋脇の駐車場に駐車しました。料金徴収所はありますが、徴収はしていないようです。付近で遊ぶ家族連れが多いようです。少しだけ散策してみます。まずは佐陀川沿いに登ります。上へ行くと、歩道というよりは踏み跡程度です。短パンで歩いていると足に草が触れてしまいます。使われていないような山小屋がいくつか建っています。あまり奥まで行くつもりもないので、適当なところで引き返します。

 そして、途中から遊歩道のようなものが分枝していたので、そこへ行きます。それは大山寺の阿弥陀堂へ続いているようです。そこまで行ってみることにします。山腹をトラヴァースするような道を進み、左に折れて階段を登ります。阿弥陀堂付近では何人かが絵を描いていました。訪れる人もちらほら程度で、落ち着いて絵も描けるのでしょう。創建は平安中期以後とのことで、現在の位置に移築されたのは1551年だそうです。



阿弥陀堂へ



杉並木



阿弥陀堂への石段



重要文化財「大山寺阿弥陀堂」

 帰りは阿弥陀堂の脇から横へ進み、左折して登山道を少し下り、また右折して駐車場に戻りました。そろそろ「スーパーホテル米子駅前」へ向かいます。あまり遅いと契約駐車場も満車になってしまうかもしれません。



僧兵コース分岐



南光河原分岐



南光河原と大山寺橋

◆ホテルから登山口へ◆
 翌朝、6時半を少し回ってから朝食をとり、部屋に戻り、準備をしてからホテルを出ます。駅へ行き、構内のハート・イン(JR西日本管内のコンビニ)でおにぎり4個とPET飲料3本を購入します(\806)。それから地下2階の駐車場へエレベーターで降り、車で出発したのが8:01でした。

◆登り◆
 35分で夏山登山口のある下山野営場前の駐車場に到着しました。トイレに寄ってから出発します。県道158号を少し戻り、登山道に入ります。昨日見物した阿弥陀堂を右に見ます。既に絵を描いている人もいるようです。



夏山登山口

 

石段



阿弥陀堂分岐

 丸太で階段が整備されていますが、それだけ急坂ということでもあります。この急坂がしばらく続きます。途中で休んでいた人と話すと、六合目まではしんどい、と言っていました。私は、山頂までずっとこんな調子なのか、と思っていたので、少し気が楽になり、気力が出てきました。湿気があるのも気力を削ぐ要因でしょう。止まると、アブもまとわりついて鬱陶しいので、歩き続けるしかありません。登山道には一合毎に標識があるので、目安になり、助かります。五合目の手前で一旦休憩します。



大山一合目



「標高1000m」の表示もあります

 登り始めて少ししてから、既に下ってくる人とすれ違うようになります。途中で単独の男性に聞いてみると、麓の宿泊施設で泊まり、朝6時に出発したとのこと。そういう人が多いのでしょう。私の出発が9時頃なので、3時間差があることを考えれば、納得です。

 五合目を過ぎると、分岐があり、左下へ登山道が下っています。これが大山寺へ行くコースでしょう。下りはこれを利用しようと思います。標高1368mの六合目には避難小屋があり、その前にはベンチがいくつかあります。もちろん休憩します。



「元谷経由大山寺」への分岐 ハングル文字もついています



六合目の避難小屋



六合目からガスに隠れる上部



尾根の東の谷に落ちる山肌をガスの中に見る

 六合目を過ぎてもすぐには楽になりません。蒸し暑いのも相変わらずです。ただ、少し雰囲気が変わってきます。そして、さらに標高が上がると、花の種類が多くなり、日本に30件ある植物の特別天然記念物のうちのひとつ、「大山のダイセンキャラボク純林」で、鳥取県の県木でもあるダイセンキャラボクの日本最大の群落もあり、頂上近くではお花畑となります。そして登山道はほとんど木道になります。湿地でもないのに木道が整備されているのは珍しいでしょう。それだけ、登山道がざれて崩れやすいのでしょうか。



「落石注意」 鳥取県は韓国とのつながりが濃いようです



崖っぷちの木道



ダイセンキャラボクと木道の尾根



岩頭



ガスの中の大山頂上避難小屋

◆下り◆
 大山頂上小屋の少し上に頂上と書かれた看板があり、これ以上先に進まないようになっています。人も多くいます。小さな子供連れの家族もいます。老若男女に好かれている山だとわかります。2000年10月に発生した鳥取県西部地震で、弥山の三角点が崩落し、標高も1711mから1709mに下がったそうです。おにぎりを2個食べます。小屋の周りに整備された登山道に沿って一周し、小屋の下で合流します。



登山禁止とされていない最終地点にある「大山頂上 1710.6M」



最終地点は多くの人が休憩していました



大山頂上避難小屋を見下ろす 屋根には太陽光パネルも見えます

 さらに先に分岐があり、『山と高原地図』にも描かれていますが、「?」マークもついています。ここは素直に道標に従い、来た道を戻ります。まだ登ってくる人も多くいます。六合目まで下り、休憩します。他にも休憩している人は何人もいますが、下りの人がほとんどのようです。



尾根上に延びる木道

 分岐を右折します。するとほとんど人がいなくなりました。たまたま時間的に登りの人がいなくなったのか、それとも、この元谷へ下るコースが登山者に人気がないのでしょうか。『山と高原地図』では、「行者コース」とあり、現地では「行者谷コース」と表示がありました。

 かなり急な下りですが、階段状になっているため、それほど苦労せず、緊張しないで下ることができます。そして元谷を横断する地点に出ます。踏み跡はなんとかわかりますが、あまり道標はついていません。元谷小屋もありますが、人気はないような気がします。



急な階段状の下り



「登山者数調査実施中」とのこと



ガレた元谷と元谷小屋



元谷の大堰堤



元谷からガスに包まれた大山北壁(きたかべ)方面を見る

 沢を横断すると、治山道路終点と、その手前の沢沿いに登山道がしっかりついていました。前にちらっと人影も見かけましたが、それっきり、他に人を見ることはありませんでした。



大山寺への下り口

 象ヶ鼻(翌日、倉吉で鷲見さんの父(82歳)から話を聞くと、象ヶ山(ぞうがせん)では、と言っていましたが、これは大山の南東にある象山のことだろうと思います)への登山道を分ける「二俣」を過ぎ、大神山神社(おおがみやまじんじゃ)に出ます。ここにはちゃんと神社の方がいました。わずかなお賽銭でお参りします。ここは奥宮(おくのみや)のようで、里宮は、米子市尾高にあるようです。奥宮の横には付属の下山神社もありました。大神山神社奥宮本社、下山神社社殿とも江戸末期の建造とのことです。奥宮より下では参拝客をよく目にするようになりました。「金門」という場所にも寄りますが、岩や説明板がある程度でした。



下宝珠越への分岐(二俣)



大神山神社奥宮の裏手に出ました



大神山神社奥宮 祭神は大己貴神(大国主神)



大神山神社奥宮本社



1805年再建の下山神社(重要文化財)



大神山神社奥宮への石段



江戸時代中期、自然石に刻まれた吉持地蔵



「僧兵の力石」 大山颪と言われた大山寺の僧兵は3000人いたとのこと

◆寂静山◆
 大山寺に寄る前に、寂静山へ行くことにします。これで名前のあるピークを踏むことができます。ピークハンターの自己満足に過ぎませんが。『山と高原地図』には、「弓ヶ浜半島の眺望」とありますが、見えなかったと思います。あまり気にしていなかったので、探したりはしませんでしたが。ただ、大山方面(元谷方面)も開けていて、ところどころに展望台がありますが、大山の山頂付近はずっとガスの中でした。寂静山で、ツナおにぎりを1つ食べます。寂静山は、大山寺の開基、金蓮上人が寂静されたという山とのことです。



寂静山の展望盤



静かな寂静山

 『山と高原地図』に激減したと書かれているヒメキマダラヒカゲを見かけました。参道に戻り、大山寺の裏手から境内に入ります。大神山神社を先に見ると、大山寺の方が見劣りしてしまいます。しかし、知名度は大山寺の方が上のような気がします。隠岐を脱出し船上山へ行った後醍醐天皇に助勢した中に大山寺の僧兵がいたという歴史などがあるようです。



大山寺



大山寺への参道の坂を下る

◆皆生と境港◆
 大山寺の参道を左に折れると、元谷下流の佐陀川に架かる大山寺橋を渡り、駐車場に戻ります。さて、まずは温泉です。今日の宿泊は、大浴場なしのホテルなので、外のどこかで、温泉に入るつもりです。事前に調べて、米子の近くに、皆生温泉という場所があるようで、そこの日帰り施設で一番安いところ、ということで、「OUランド(おーゆ・ランド)」にしました。途中の淀江(よどえ)どんぐり村で、「ドデカミン」(500ml)を買って飲みます。下山後の炭酸飲料は私の定番です。



岩屑が堆積する佐陀川



下山駐車場に戻りました

 温泉に入ったら次は、夕食です。境港で回転すしに入りました。イワシがおいしかったです。そして、米子タウンホテルへ。明日は、蒜山にでも登ろうか、と当初は考えていましたが、今日の蒸し暑さでもう十分です。標高1700mほどの大山でも、それほど涼しくなかったので、蒜山なら、さらに暑いことでしょう。登山はやめて、鳥取県倉吉の実家に帰省している会社の先輩の鷲見さんに電話します。留守電でしたが、夜遅くなって、電話が入りました。明日、そちらへ、午前中に行くということを伝えて寝ました。

◆倉吉◆
 翌朝、サービスの朝食は食パンです。ジュースとみそ汁はセルフで運び、卵とサラダもついた食パンの皿は運んで持ってきてくれます。さらにコーヒーを飲んで、部屋に戻りました。

 9時前にチェックアウトし、倉吉へ向かいます。こちらに来て初めて大山が姿を現しました。今日も暑くなりそうです。途中、「道の駅 ポート赤碕」に寄って、鷲見さんへの手土産(鳥取中浦(株)のしじみ佃煮 山椒味)を買っておきます。



翌朝の大山



道の駅 ポート赤碕 韓国とのつながりが感じられます

 カーナビにセットした住所でピンポイントで到着できました。鷲見さんのお父さんに挨拶し、コーヒーをいただいて、昼を食べに行きます。香味徳(かみとく)というラーメン屋に行きます。先ほどの道の駅にも土産物としてありましたが、牛骨ラーメンが名物のようです。50年前からと言いますから、単なるブームではないようです。しょうゆ味でもなく、塩ラーメンに近い感じで、あっさりした味わいだと感じました。倉吉の香味徳は平成5年創業で紙徳家の三男が切り盛りしているようです。長男は、赤碕で、創業は昭和24年というので62年前になります。また、東京の銀座にも店があるようです。

 2012年7月に、コンビニで見つけた「鳥取牛骨ラーメンしょうゆ味」(寿がきや)を食べました。しかし、残念ながら、香味徳で食べた牛骨ラーメンには遠く及びませんでした。豚肉の臭みすら感じてしまったのです。

 その後は、倉吉の観光名所になっている街並みを見学します。まずは淀屋(旧牧田家住宅)。説明してくれる人は鷲見さんの同期のようです。秀吉の頃から江戸時代に栄えた町人で、天皇家ともつながりがあるとのこと。大阪の淀屋橋もこの淀屋のことなのだそうです。鷲見さんも淀屋のことは知らなかったそうです。鷲見さんが倉吉にいたのは中学生の頃ぐらいだったそうなので無理はありません。



淀屋(旧牧田家住宅)

 その後は、川沿いを歩きます。想像以上に多くの観光客がいます。鷲見さんによると、以前は川も汚かったそうです。その後、観光に力を入れたのでしょうか。今は立派な観光地になっているようです。途中で寄った土産物屋は、以前は文具店だったそうです。そこで、アイスクリームを食べました。ウーロン茶もいただきました。



玉川沿いの白壁土蔵群

 次に、鷺や鵜がたくさんいて、白鳥もいるというので、そのポイントを訪れました。確かに白鳥がいました。白鳥もシベリアへ帰らず、ここで夏を過ごすつがいがいるのでしょうか。調べてみると、コブハクチョウで、野生化したもののようです。その後は、打吹(うつぶき)公園へ行きます。最近では珍しく、動物が何種もいる公園です。子供連れの親子が何人も訪れていました。『花の百名山』には、「倉吉市の打吹公園で近々と仰ぐ大山のすばらしさ。」と書いてあります。



鷺と鵜

 そして、三朝(みささ)温泉へ行きます。名前は知っている有名な温泉です。温泉旅館や温泉街もあります。倉吉へ戻る途中、頼んでくれた刺身を取りに行き、ついでに串刺しの焼き鯖を1匹買って、家に戻りました。

 3人で夕食をとり、寝ました。翌朝、家の窓からは大山と蒜山が見えました。蒜山には少し雲がかかっていましたが、大山は丸見えです。ただ、朝は黒く見えるだけでしたが、少し経つと、黄土色の岩肌も見えるようになりました。

◆帰路◆
 朝食後、帰路につきます。R313経由で南下します。途中、道の駅犬挟に寄ります。ここは、鳥取県倉吉市と岡山県真庭市の共同運営とのことです。

 インターに入る前に、ENEOS(東真産業 湯原インター給油所)で満タンにします。3日前に米子駅前で給油してから191.6km、19.0Lで満タンです。153円/Lで、2,907円でした。燃費は、10.1km/Lと下道を走ったので高速を走った前回より2.6km/Lほど落ちました。

 湯原インターから高速に乗ります。京都の桂川パーキングエリアでは気温34℃にもなりました。やはり夏の京都は暑いのでしょう。昼は、土山サービスエリアで、冷し伊勢うどん(\500)を食べます。ミニしゅうまい(\400)も買います。湾岸長島パーキングエリアでは、芽かぶとろろ(\525)とめひび70g(\630×2個)を買います。



倉吉から8月3日朝の大山を見る



帰路、大山を見る

 名港中央インターで高速を下ります。通常料金7,700円のところ、平日昼間割引で7,000円です。湯原インターから名港中央インターまで336.7km。休憩を含めた所要時間は、5時間17分でした。

 名古屋の私の実家に着いたのは15時36分。気温は33℃です。名古屋も暑いです。北側の2階の窓のすぐ外に勝手に生えてきたキリの葉が見えたので、幹をのこぎりで伐りました。思った以上にやわらかく、水っぽい幹でした。

 翌日、昼過ぎに出発し、国道1号線で自宅に帰ります。帰宅前にコスモ石油に寄ります。湯原インター付近で給油してから418.2km、34.1Lで満タンです。燃費は、12.3km/Lでした。往路、米子で入れたときよりも少し落ちました。名古屋出発時は34℃、豊川到着時は、35℃まで気温は上昇していました。今回の車での走行距離は1,000kmを越えましたが、それでも、7月上旬に早池峰山・秋田駒ヶ岳へ行ったときの半分以下です。

 豊川に帰った翌々日は、御油祭りです。米子で花火を見損なったので、代わりというわけではありませんが、何年ぶりかに御油の花火を見に出かけました。自宅からでも打ち上げ花火は振動が伝わるほどの距離で見られるのですが、音羽川では仕掛け花火や手筒花火が見られるのです。近いので、頭には煤が降ってくる状態でした。町内の祭りにもかかわらず、2日連続で打ち上げ花火などが見られるのは、他ではなかなかないのではないでしょうか。



御油祭りの夜(8月6日)の月



打ち上げ花火



打ち上げ花火



真っ白に見える吹き上げ花火



星空のよう



赤く吹き上げる



車庫内の神輿



手筒花火



手筒花火を持つ人



爆発のよう



御油祭りは厄年の祭り



仕掛け花火のおまけ



東日本大震災から5ヶ月 「ガンバレ 東日本」の仕掛け花火



ナイアガラ 下半分は川面に映るナイアガラ



翌日(8月7日)も祭りは続きます



こんな仕掛け花火も



月と打ち上げ花火



打ち上げ花火



白い打ち上げ花火



二色の打ち上げ花火



神輿もあります



女性が笛を吹く山車も

 携帯電話の歩数計によると、8月1日に歩いた歩数は18,329歩。距離は10.9km、時間は4:03:30、消費カロリーは517kcal、脂肪燃焼73gでした。

 また、3月11日に発生した東日本大震災の影響は、まだ収束せず、大山に登った8月1日に福島第一原子力発電所の1号機と2号機の間で、10シーベルト/時という事故後最高値の放射線が観測されました。

 見かけた動物
 アサギマダラ、ヒメキマダラヒカゲ、セマダラコガネ、カメノコテントウ、ナミテントウ、ダイセンオサムシ?、ホトトギス(声)、ウグイス(声)  見かけた花
 ダイセンコゴメグサ、オオバギボウシ、シコクフウロ(イヨフウロ)ナンゴククガイソウ、ダイセンオトギリ、ホソバノヤマハハコ、シュロソウ、ダイモンジソウ、クルマバナ、カラマツソウ、エゾノヨロイグサ、シシウド、ヤマブキショウマ、ウバユリ、ミゾホオズキ、ヤブカンゾウ、ヤマホタルブクロ、コウゾリナ、ヤマジノホトトギス、ヌスビトハギ、シモツケソウ、シモツケ、ミヤマイボタ、アクシバ、ミヤマホツツジ、ヤマボウシ、イタドリ、ノリウツギ、エゾアジサイ、クサアジサイ、クサギ、ヤブコウジ、ユキノシタ

【大山が紹介されている主な書籍など】

『花の百名山』(文春文庫)1996年5月30日第9刷
  ダイセンクワガタなどが紹介されています。

『日本百名山』(朝日文庫)1995年8月20日第8刷
  中国地方で唯一深田百名山に選ばれた山です。

中高年のための登山学 登山道で出会える花』(日本放送出版協会)1998年6月16日第1刷発行
  4ページにわたり、25枚のカラー写真があります。

『日本の山1000』(山と溪谷社)1992年12月1日2刷
  「鍵掛峠から望む大山南壁」、「桝水原下部からの大山」の2枚の美しいカラー写真が載っています。

『新日本山岳誌』(ナカニシヤ出版)2005年11月15日第1版第1刷発行
  今回歩いた「夏山登山道」、「北尾根登山道」などの紹介があります。

『コンサイス日本山名辞典修訂版』(三省堂)1989年9月1日第6刷
  「中国地方の最高峰」と紹介されています。鳥瞰図も載っています。

『日本登山体系10 関西・中国・四国・九州の山』(白水社)1997年6月10日新装復刊発行
  「伯耆大山」について、北壁などが10ページにわたり紹介されています。

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