碁盤石山 冬季

 雪のある山を歩きたいと思って出かけました。
【山 名】碁盤石山(ごばんいしやま) 1189.4m
【三角点】1189.40m 二等 点名:木戸ケ洞(きどがほら) 明治35年5月3日選点、昭和55年7月17日更新
     所在地:愛知県北設楽郡設楽町字木戸ヶ洞10-46
【山 域】奥三河 天竜奥三河国定公園・愛知高原国定公園(東部)
【所在地】愛知県北設楽郡設楽町(2005年10月1日津具村も設楽町に合併)
【山行日】2007年1月27日(土曜日)
【行  程】県道名倉津具線東納庫登山口から往復
  豊川 ==(66.3km・R257等)== 登山口付近 ---- 登山口 ---- 車道横断 ---- 七尋岩 ---- 天狗の庭 --
  8:51                     10:34-10:46      10:50        11:15         11:18       11:37
  -- 南東ピーク ---- 碁盤石山 ---- 南東ピーク ---- 富士見岩 ---- 天狗の庭 ---- 車道横断 --
      11:50        12:03-12:37      12:49           12:59          -13:04       13:15
  -- 登山口 ---- 登山口付近 ==(66.6km・R257等)== 豊川(合計走行距離:132.9km)
     13:32       13:35-13:42                    15:29
【所要時間】2時間49分(含休憩)
【標高差】約325m
【天  候】曇一時小雪一時晴れ間あり
 気温:6℃(自宅出発時)、1℃(登山口到着時)、0〜−1℃(山頂)、7℃(下山時)、10℃(帰宅時)
 1月27日12時稲武の気象庁データ:気温3.6℃、風向:北北東、風速3m/s
【人 数】1人(単独)
【地形図】1:25,000 田口(たぐち) 昭和56年修正測量(登山口から途中まで)
          根羽(ねば)  平成13年修正測量(途中から碁盤石山まで)
【スタイル】冬用皮登山靴(LOWA ALPIN)、薄手ショートソックス+厚手ショートソックス、眼鏡、ウェストバッグ、
 PHENIX化繊ズボン(中国製)、ZEROPOINT(MONTBELL)L.W.エクスペディションパック 65(amazon.co.jp)、
 2段式スキーストック1本、mont-bellポリエステル100%(ウイックロン)半袖Tシャツ(日本製)、
 アクリル70% 毛25% カシミヤ5%長袖シャツ(日本製)、ウール手袋(出だしのみつける)、
 腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、デジタルカメラ:MINOLTA DiMAGE7(首に下げて歩く)、
 TARAS BOULBA(アシックス)POLARTEC(ポリエステル100%)SERIES200フリース(出だしのみ)
【所持飲料】水1リットル(ラーメン用)、湯0.47リットル(テルモス(コーヒー用))、Qooはちみつカリン500ml(飲まず)
 信州方面へ泊まりで雪山へ行こうと思っていましたが、天気予報が芳しくなく、早々に止めました。ところが、週末が近づいてくるとあまり悪くない予報になってきました。それでも豊橋で曇。前日の朝刊では晴と雨マーク。降水確率は30%になっていました。これなら家にじっとしている手はないと、どこか日帰りで比較的簡単なところで、雪のありそうなところはないかと考え、以前に行ったことのある碁盤石山(2003年9月の記録)を思いつきました。ここなら、荒天でも何とかなりそう。ひょっとしたら暖冬で雪がないかもしれないという不安はありましたが。

 サークルK三河くろぜ店で昼食を買う。周辺には全く雪は見当たらない。そしてR257の東納庫(ひがしなぐら)で曲がって名倉川を渡り、1回左折、右折し、笹暮峠方面へ。すると道端に残雪らしき白いものが見えた。雪だったろうか。そして今度は道路自体にうっすらと新雪が被っている。それが何度か出てきた。昨夜降った雪だろう。昨夜は豊川でも雨が降った。

 登山口付近のスペースには車が1台。登山の準備をしていた。私はもう少し上のスペースへ。以前もここにとめた。舞っているのは小雪か、水蒸気の凍った粒か、それとも樹木から風で落下してきた小さな氷の粒か。雪の様子がわからなかったので、いろいろな装備を持ってきていた。スノーシュー、ピッケルは置いていく。靴は、ウォーキングシューズや軽登山靴も持ってきたが、一応冬用の皮登山靴にする。ストックは1本だけ持っていくことにする。アイゼン、軽アイゼン、スパッツはザックの中。

 薄雪のある道路を注意深く下り登山口へ。もう車の人たちは登っていったようだ。三河ナンバーだった。ありがた迷惑な小沢を渡る山なりの小さな太鼓橋は、滑らないように注意しなければならない。



薄雪の東納庫登山口



取り付き



太鼓橋

 胸突坂(100m坂)の下で、フリースジャケットと手袋を外す。ここから確かに息が上がる坂になり、途中、ベンチのある喫煙所あたりでアカマツやヒノキを見、その後、車道の横断地点に出る。そのすぐ上に、送電線鉄塔と七尋岩があり、この岩も雪がうっすら覆っていた。



薄雪の休憩所



雪化粧の七尋岩

 それからリョウブの純林が現われ、独特の木肌を見せてくれる。地面は笹に覆われている。その先は、ブナの群落となる。冬芽の写真を撮ったりする。ブナは「新」設楽町の町の木に決定したと「広報したら」の2007年1月号に載っています。設楽町では段戸裏谷と面ノ木原生林のブナが有名なようです。ちなみに、町の花はシャクナゲだそうです。このシャクナゲにはホソバシャクナゲとホンシャクナゲの二つを含み、この2種が分布する地域は珍しいとのことです。木も花も投票で、ダントツ1位だったようです。次点は、木がヒノキで、花がドウダンツツジだったようです。



雪化粧の登山道

 天狗の庭が近づくとアセビが多くなる。すでに蕾がたくさんついている。色が赤っぽいものと黄色っぽいものがあるのは何が違うのだろうか。蕾が大きくなり、白い花が見えているのだろうか。でも隣合わせではっきり分かれているのも不思議だ。この辺り、風も強い。



雪化粧の登山道



天狗の庭

 天狗の庭の上部には山名の由来となる碁盤石がある。いずれにしてもびっくりするほどのものではない。この辺りではこれぐらいの大きさの岩でも珍しいのかもしれない。
 『コンサイス日本山名辞典修訂版』(三省堂)によると、この辺りの岩は玄武岩なのだそうである。『'96アウトドアData3800東海版』(風媒社)には、花崗岩の方状節理の岩が散在すること、天狗にまつわる伝説、碁盤目のスジの説明がある。しかし、碁盤石は、天狗に引っくり返された石なので、碁盤目は見えないようだ。



うっすら雪を載せた碁盤石

 富士見岩は復路で寄るとしてパス。その先、以前にトイレなどがあった場所は今は更地となっていた。さらに以前にはここに2つの反射板もあったそうである。

 

 

霧氷の発達した区間

 左折する地点。このピークに、「碁盤石山頂 三角点は←」の表示がある。地形図を見ると、確かに同じ等高線の高さになっていて、三角点ピークとこことどちらが高いのかわからない。ここから下るのだが、結構下るので、歩いた感じではここの方が高いと感じるが、三角点の標高は1189.40m。1190mまでほんの60cmなのだ。ここも1190m無いのが正しいとすると、三角点ピークの方が高い気もする。ただ、このピークは、天竜川、豊川、矢作川の3つの水系の分水地点にあたるようで、そういう意味では重要なピークであると言えるでしょう。

 このピークから下る場所は、結構雪があった。といってもスパッツはいらない。先行者がいたこともあるが、踏み跡を外れてもぎりぎりスパッツは要るか要らないか程度だろう。ただ、昨晩の雪だけでなく、その下に堅めの雪がしっかり残っているのがわかった。これぐらいだと、何とか雪のある山に来たという実感が少し沸いた。ここで先行者二人とすれ違った。年輩の夫婦のようである。

 

ここにはブナも多いようだ

 三角点ピークは当然ながら誰もおらず、風もほとんどない。昼食はここにしよう。それにお湯も沸かせそうだ。コンビニで買ったカップラーメン マルちゃん「コクととろみの味噌拉麺」(\158)を食べることにする。雪の上で沸騰するまで少し時間がかかるが、それからも、お湯を注いでからの待ち時間が待ちきれない。ちょっと短めで蓋を開けるとまだ麺はかたまりのまま。それでもかき混ぜながらスープを先に飲んだりする。味はなかなかうまかった。ただ、ちょっと量的に物足りなさを感じ、「のり巻餅 ねぎみそ一味」(\126)も食べた。その後、テルモスのお湯で、常寒山で1つだけ余っていたカップコーヒーを飲んだ。コーヒーを飲みながら木戸洞峠方面を見ると、何日か前のトレースが雪についているのに気づいた。今回も木戸洞峠方面から登ることも考えたが、どこまで車で入れるのか、登山口がどこにあるのかもわからなかったので、雪のある今回はやめておいたのだ。まずは無雪期に訪れてみたい。
 (後日、『こんなに楽しい愛知の130山』(風媒社)を見たら、茶臼山高原道路沿いに10台ほど駐車可の登山口がちゃんと載っていました。)

 『'96アウトドアData3800東海版』(風媒社)によると山頂から恵那山、御嶽が見えると書かれてあるが、今日は何も見えない。



二等三角点



山頂の道標



昼食セット

 帰路、南東ピークとの間の鞍部から右にわずかに下ったところにある水場を見ると、凍っておらず、水が出ていたのは意外だった。登山道上にいくつかあるドラム缶の防火用水が全て凍っているのに、この水場の近くにある防火用水だけは凍っていなかった。何がそんなに違うのだろうか。近くでは鳥も鳴いていた。

 南東ピークに戻ると太陽の輪郭が一瞬見えるほど明るくなってきた。一部、晴れ間も覗く。富士見岩に寄ると、期待していなかった三ッ瀬明神山、平山明神山が輪郭だけだが見えた。



富士見岩から三ッ瀬明神山(左)と平山明神山・大鈴山(右)を見る

 



復路の天狗の庭は晴れ間も覗く

 天狗の庭の下の方には、側面に「明治二十一年」と書かれた石碑が立っているのも見つけた。正面には「不動」らしき文字が見えるが、下の方は読めなかった。

 胸突坂を過ぎると、何か気配がした。見ると犬がいた。そして下の方に男性が一人いた。猟犬ではないようだ。道路に戻ると、雪はほぼ融けていた。

 見かけた植物
 ヒノキ、アカマツ、モミ、イヌツゲ、アセビリョウブブナノリウツギ、シロモジ


【碁盤石山が紹介されている書籍】

『こんなに楽しい愛知の130山』(風媒社)1999年10月8日第1刷
  今回のルートの他、木戸洞峠方面も含めた概念図が載っています。

『名古屋からの山なみ』(中日新聞本社)1991年6月1日発行
  山名の由来について書かれてあります。

『こんなに楽しい愛知の100山』(風媒社)1991年5月1日改訂第1刷
  2つのルートの他、山名の由来などが紹介されています。

『名古屋周辺 続 山旅徹底ガイド 裏木曽/東濃/奥三河』(中日新聞本社)1996年3月6日発行
  東納庫からのコースが紹介されています。「天狗の庭」のカラー写真もあります。

『ワンデルングガイド10愛知県の山』(岳洋社)平成4年6月13日2版発行
  東納庫からのコースが紹介されています。

『'96アウトドアData3800東海版』(風媒社)1995年11月20日初版第一刷発行
  「碁盤石」、「碁盤石山」、「碁盤石山遊歩道」の項があります。

『分県登山ガイド22 愛知県の山』(山と溪谷社)1995年9月25日初版第1刷
  主に東納庫からのコースが紹介されています。

『コンサイス日本山名辞典修訂版』(三省堂)1989年9月1日第6刷
  地質の記述があります。

『新日本山岳誌』(ナカニシヤ出版)2005年11月15日第1版第1刷発行
  山名の由来が紹介されています。

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