ヘクソカズラ(ヤイトバナ・サオトメバナ・サオトメカズラ・ウマクワズ) 屁糞葛(灸花・早乙女花・早乙女葛) 英名:Skunk vine
Paederia scandens (Lour.) Merr.
シノニム:Paederia foetida auct. non L.、Paederia scandens var. maireiPaederia scandens f. mairei
被子植物 真正双子葉類 コア真正双子葉類 キク類 真正キク類I リンドウ目 アカネ科 アカネ亜科 ヘクソカズラ連 ヘクソカズラ属


 東三河 宮路山 2004.8.8

 漢字で書くと屁糞葛。いかにも嫌われ者のような名前です。葉を揉んだときの臭気がその由来だといいます。単に近づいてもほとんど気にならないと思います。

 万葉集には唯一首のみ詠まれていて、当時は「クソカズラ」と言っていたようである。「さうけふに延(は)ひおほとれる屎葛(くそかづら)絶(た)ゆることなく宮仕へせむ」。意味は、サイカチにしつこく絡んでいるヘクソカズラのように私も役所勤めをずっと続けよう、ということです。自分をヘクソカズラに喩えるとは、よほどのひねくれ者だったのでしょうか。
 その後、名前に「屁」がついてさらにパワーアップ?したようです。

 俳句では夏の季語となり、高浜虚子が1940年に「名をへくそ かづらとぞいふ 花盛り」と詠んでいます。

 ことわざでは、「屁糞葛も花盛り」というものがあり、いやなにおいがあってあまり好かれない屁糞葛でも、愛らしい花をつける時期があるように、不器量な娘でも年頃になればそれなりに魅力があるという意味で使われるとのことです。

 花は決して汚い感じはなく、紅白の綺麗な花です。花筒が長く、その入口が毛でほとんど閉じられているように見えるのがおもしろい。花粉をしっかり保持して狙いの虫の訪れのみを歓迎するためでしょうか。花を1つ割いてみたら中にはごく小さな虫がたくさん入っていました。

 『身近な「匂いと香り」の植物事典』(BAB ジャパン、2023年8月30日初版第1刷発行)(amazon.co.jp「身近な「匂いと香り」の植物事典」)によると、においは茎葉からで、その成分は、無臭のペデロサイド(paederoside)から酵素の働きで生じるメチルメルカプタン(methyl mercaptan)(別名:メタンチオール(methanethiol)とのことです。

 我が家の庭にもはびこっていて、気づけば庭の端の方に束になって茎が延びています。できるだけ処分するようにしていますが、ほとんど途中でちぎれてしまうため、完全に除去はできていません。まあ、完全に除去するつもりもありませんが。これも雑草の一つとして少しぐらいはあってもいい、と思っています。蔓性なのでリースにも使われるそうです。

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