ヒメオドリコソウ 姫踊子草
Lamium purpureum L.
シソ科 オドリコソウ属


花 奥三河 田峯城 2004.4.18

 田の畦などに群生しているのを見ます。ヒメのつかないオドリコソウも同じシソ科オドリコソウ属で、似ているのは確かですが、大きさが全然違うので全く別の花に思えます。

 ヨーロッパ原産の帰化植物で、日本には明治時代中期に入ってきたとのことです。

 種小名の purpureum は、『羅和辞典』によると、「(赤みがかった)紫色の」という意味があります。単に「紫」は、viola が一般的なようなので、区別されているのかもしれません。英語の violet と purple も、前者が青みの濃い紫色なのに対し、後者は、赤みのある紫色を指すのが一般的なようです。JIS色見本でもそうなっていますが、例外もあり、HTMLカラーコードでは、violet の方が purple より明るくピンクに近い色になっているようです。

 白花品種は、シロバナヒメオドリコソウと言います。また、除草剤などの農薬や、肥料などにより花が白化することもありますが、上部の葉までクリーム色になったりすることが多いなどの点で見分けることができます。

 同じオドリコソウ属には、他に、ホトケノザなどもあります。ヒメオドリコソウは、オドリコソウより、大きさなどからホトケノザに似ていると感じることがあります。また、ヒメオドリコソウとホトケノザは近接して同時期に花を咲かせているのを見ることがあります。

 ヒメオドリコソウとホトケノザとの交雑種起源というキレハヒメオドリコソウ(モミジバヒメオドリコソウ)という帰化植物もあり、ヒメオドリコソウに似ていますが、葉の鋸歯が、ヒメオドリコソウより深いのが特徴です。

 参考:『街でよく見かける 雑草や野草がよーくわかる本』(秀和システム)

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