ヒトツバハギ 一葉萩(一つ葉萩)
Securinega suffruticosa (Pallas) Rehder var. japonica (Miq.) Hurusawa
トウダイグサ科 コミカンソウ亜科 ヒトツバハギ属


 

雌花

 

雄花序

花 東三河 2007年7月上旬

 果実が鈴なりになっているような低木がありましたが、名前がわかりませんでした。雌花がトウダイグサの仲間に似ていることはわかりましたが、『日本の野生植物 木本』(平凡社)でカラー写真を見てもわからず、「このきなんのき」掲示板で質問しました。すぐに回答があり、名前がわかりました。図鑑を見直すと、確かにヒトツバハギです。今回の写真と図鑑の写真とは花の付き方の雰囲気が少し異なっていて、それで見過ごしてしまったようです。

 ハギの名がありますが、これは葉の形がハギに似ているからのようで、マメ科のハギの仲間ではありません。

 落葉低木で、枝は2枚目の雌花序のものは淡緑色をしていますが、他の写真では紫褐色を帯びています。

 葉は互生で、その一つ一つの葉腋に花柄がついています。そこが3小葉のハギの仲間と違うようで、それが和名の前半「ヒトツバ」の由来でしょう。

 葉柄は3〜6mmとなっていますが、写真のものではほぼ3mm程度でした。葉身は図鑑では長さ4〜7cmとなっていますが、写真のものでは、ほぼ2cm程度でした。表面は緑色で裏面は白色を帯びています。葉身の先端は、1〜4枚目の写真ではほぼ鈍形ですが、5枚目の写真の葉の先端は短く尖っています。

 雌雄異株で最初の3枚の写真が雌株で、後の2枚が雄株です。写真のとき、雄株と雌株は隣同士に生えていました。雄花は葉腋に多数束生します。写真ではまだ蕾のようです。雌花は葉腋に1〜5個つくようですが、写真のものでは、1〜3個のものを確認しました。花柄は図鑑では8〜10mmとなっていますが、確認したものでは6〜7mmでした。萼片は5個ありますが、確認したものでは、大きさが不揃いで、3個が大きく、2個が小さくなっているものが多いように感じました。子房は3室からなっています。花柱は3個で先は反り返っています。さく果は扁球形で、径4〜5mm、3本のくびれがあり、のちに3裂します。3分果にはそれぞれ2個ずつの種子があり、合計6個あります。

 分布は、中部地方以西の本州、四国、九州、朝鮮半島となっています。

 トウダイグサ科は本種のような木本よりも、草本の方が馴染みがあり、草本には、ナツトウダイイブキタイゲキオオニシキソウなどがあります。

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