錫山・惠山 中国無錫近郊の低山

 中国出張で蘇州から無錫に移動し、10日ぶりの休日に、雨の中、傘をさしながら惠山の三峰を巡ってきました。蘇州で登った低山(記録)と比べると登り甲斐のある縦走でした。



5月3日夕方、無錫大飯店の部屋から惠山を見る

【山 名】錫山 xishan
     惠山 huishan(無錫惠山、九龍山、惠泉山)
      頭茅峰 toumaofeng
      二茅峰 ermaofeng 328m
      三茅峰 sanmaofeng
【山 域】無錫市近郊 恵山国家森林公園
【水 系】長江デルタ
【所在地】中華人民共和国江蘇省無錫市
【山行日】2010年5月9日(日曜日)
【行  程】無錫大飯店(WUXI GRAND HOTEL)から
  無錫大飯店 ---- 公園入口 ---- ピークの一角 ---- 龍光塔 ---- ゴンドラ上駅 ----- 頭茅峰 ---- 二茅峰 --
     7:58頃        8:33頃         8:45             8:53          9:42             9:47       10:02
  -- 三茅峰 ---- 山麓 ---- 道路に出る ---- タクシー ==== 無錫大飯店1316室
     10:33       11:16      11:32                         11:46
【人  数】1人(単独)
【天  候】雨
【地 図】無錫交通旅游図2010(10元)
【スタイル】ミズノ ウォーキングシューズ "FREEWALK"、ショートソックス、
 mont bellズボン(中国製 ナイロン100%)、腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、綿100%トランクス(中国製)、
 綿100%シャンブレーインディゴ染め青色長袖シャツ(中国製、\1990、M)(途中から脱ぐ)、
 OUTDOOR赤色デイパック、眼鏡、綿100%グレー半袖Tシャツ(MADE IN THAILAND)、
 デジタルカメラ:MINOLTA DiMAGE7(首に下げて歩く)
【所持飲料】三得利(SUNTORY) 烏龍茶 約400ml、杭州頂津食品有限公司 鮮の毎日C(Pineapple Juice) 500ml
◆蘇州から無錫へ移動◆
 蘇州の低山に登った4月29日の翌日、30日朝8時頃に、蘇州のホテルをチェックアウトし(1,700元)、スーツケースなどを持ったまま、職場に向かい、夜に、仕事の荷物とともに、車で出向者と現地ドライバーの計3人で無錫に向かいます。蘇州から無錫への高速道路は労働節の連休前夜のためか、故障車もいたりして、片側3車線以上あっても渋滞で、予定より時間がかかってしまいました。20時過ぎに工場で荷物を下ろして、タクシーを拾って無錫大飯店(WUXI GRAND HOTEL)に向かい、チェックインし、近くの「五番街」という日本料理店で日本から直接無錫に来たメンバーと合流し、夕食をとりました。

◆8日までは仕事◆
 翌5月1日から8日までは日本のGWにも関わらず、また、中国でも日本のメーデーにあたる労働節とかで、3連休のところが多いにも関わらず、出張者は仕事漬け。ようやく日曜の5月9日に1日だけ休みとなります。仕事の方は問題が発生したものの、なんとかクリアでき、予定より少し早い5月11日の火曜日に帰国できることにもなり、気分的にもすっきりした状態で休暇が過ごせます。前夜は、日本からの出張者が一人来たので、出向者と一緒に計8人で新区の日本料理店「春之家(はるのや)」で夕食をとります。でも、私は二次会には参加せず、翌日、蘇州へ移動する出張者と二人で、21時頃無錫大飯店にタクシーで戻りました(11.2km、18分、31元)。心配なのは、天気。明日も雨がちだろうとの予報ですが、パソコンで再確認すると、晴れマークもあります。ひょっとして天気は回復するのでは、と期待してしまいます。せっかくの一日だけの休日です。雨でも出かけるつもりです。

◆ホテルから登山口へ◆
 翌朝、1階のレストランでバイキングの朝食をとり、ついでに、フロントで無錫の地図を購入します。会社の古い?資料では4元と案内がありましたが、実際には10元となっていました。ホテルの部屋は13階の1316号室です。窓の外、正面には山頂に電波塔か何かが建っている山が見えます。休日にはその山まで行こうと考えていました。そして、それはGoogleマップに載っている「彦山」だろうと思っていました。ところが、朝に購入した地図を見ると、彦山の背後に塔まで描かれている惠山が載っていました。思っていたのは、彦山ではなく、惠山だったのです。そうとわかれば、確かに、彦山にしては標高がありすぎに見えます。彦山はその手前の小山でした。ということは、考えていたよりは歩かないといけません。でも、時間的には余裕があるでしょう。帰りはタクシー利用も考えておきます。



5月3日夕方、無錫大飯店の部屋から惠山(左)と錫山(右)を見る

 さて、出発ですが、その前に、フロントで、宿泊予定の変更と両替をしておきます。当初は、仕事の余裕を見て、5月15日チェックアウトの予定でしたが、仕事も片づき、繰り上げて、11日にチェックアウトすることにしました。そして、100元札を10元札10枚にしておきます。

 ホテルを出て、どちらに進もうか少し悩みます。最短距離の梁渓路経由で行くか、それとも運河沿いに進むか。最短距離は面白みもなく、排ガスやクラクションの音もうるさいでしょうから、少し遠回りになるかもしれませんが、歴史ある京杭運河沿いの運河西路経由にします。北京と杭州を結び、日本ではまだ平城京もできてない隋の時代の610年に完成し、全長1794km、世界一長い運河と言われているそうです。運河は、かなり汚く、臭いもします。ただ、大型の船が往来している光景は一見の価値があるかもしれません。



梁溪大橋から京杭運河とその先に見える錫山

 車道とバイク道と歩道がありますが、歩道はあったりなかったりで、バイク道を歩かなければならないところもあります。運河は右側なので、右側通行の中国では、後ろから音もなく電動バイクが近づいてくるのには気をつけなければなりません。あまりふらふらと右へ寄ったり左へ寄ったりせず、できるだけ真っすぐ歩くようにします。

 しばらく進むと、左側ににぎやかな場所が目に入りました。寺院のようで、駐車車両や観光バスもとまっています。どうやらここが登山口のようです。正面まで行ってみると、ゲートがあり、有料のようです。ゴンドラ込の料金と、入場料だけの料金でしょうか、表示があります。入場だけでも40元はかかりそうです。蘇州でも130元も払って山に登りました。またしても、お金を取られるのか、と思うと、ちょっと悔しい気持ちがあります。ただ、寺院だけで、山に登るなら、ひょっとして別の入口があり、ただで入れるかもしれないと、かすかな期待をして、北側に回り込んで、歩いて行ってみます。すると別の入口がありました。でも、どうやら40元とられそうです。入口はそのまま素知らぬふりして進めば入れそうですが、まあ、そこまでケチケチせず、堂々と払うものは払って中に入ることにします。それにしても、この山塊をすべて壁で囲っているのでしょうか。たぶんそうなのでしょうが、日本ではまず考えられないですね。まあ万里の長城と比べればしれたもの、ということなのかもしれません。



運河西路から錫山と山頂の龍光塔を見る



錫惠公園東側入口

◆錫山へ◆
 中に入ると、車道と歩道があるようで、いずれもコンクリートで固められています。歩道に入り、少し行くと、オドリコソウらしき花の群落がありました。そのまま歩道を進むと斜めにゆっくりと少しずつしか上がっていかないようなので、途中からショートカットの山道に入りました。ここは土の道で、踏み跡はありますが、他に歩いている人はほとんどありません。適当に上へ上へと上がっていけば、寺院の塔がある山頂まで行けるだろうと、ほぼ直登の踏み跡を登ります。途中で、歩道とも交差しますが、さらに踏み跡を直登していきます。

 そして、山頂のすぐ近くに出ました。建物があり、その中を通った先に、龍光塔があります。中に入り、急な螺旋階段を登っていきます。以前に蘇州に観光で来たときに、このような塔に登ったことがありますが、どうも不安定で、傾いているような、揺れているような落ち着かない雰囲気は気持ちのいいものではありませんが、倒れたり、崩れ落ちたりするはずはない、と自分に言い聞かせて、一番上まで登ります。展望は抜群です。そして、この先、最高峰と思われる電視発射塔(テレビ塔)の建つ二茅峰方面にコンパスを合わせておきます。コンパスとカメラだけはしっかりと持ってきているのです。



龍光塔を見上げる



龍光塔の入口



龍光塔から京杭運河と南方を見る



龍光塔からガスのかかる惠山方面を見る



龍光塔から隣の建物の屋根を見下ろす

◆頭茅峰へ◆
 さて、一旦下り、二茅峰方面と思われる方向へ進みます。途中で仕事の連絡をしておきます。明日は、蘇州へ日帰りで出かける予定です。蘇州の会社は、土曜休みとなり、日曜出勤と聞きましたので、昨日、メールだけ入れておいたのですが、電話もかけておいて、滞りなく仕事が進むように連絡しておきたかったのです。予想通り、若干の問題があり、その解決に向けて、動いていただけることになりました。



錫山と惠山の鞍部付近にある映山湖

 さて、進む方向は、まずは頭茅峰です。ここは、錫惠公園となっていて、ゴンドラでも、頭茅峰近くまで行けるように地図に表示があります。でも、やはり歩いて行きたいところです。それらしきところを進むとちゃんと歩道がありました。そしてほぼ頭上のゴンドラに沿ってその歩道は延びています。ただ、ゴンドラは動いていません。もう運転はやめたのか、それとも客がいるときだけ動かすのか。いずれにしても歩いている人はそこそこいます。



惠山頭茅峰へ続くゴンドラは止まっていた 背後に錫山の龍光塔が見える

 登りは思ったよりはしっかりと登らされます。そして、雨も降っているので、三段の折りたたみ傘をさしながら登ります。湿気があり、汗も結構かきます。途中から長袖シャツを脱いでTシャツだけになります。でも、他にそんな格好をした人はいないようです。やはり私が汗かきなのでしょうか。暑さはほとんどなく、どちらかというと寒さを感じるほどですから、普通なら長袖シャツぐらい着ているのが普通だとは思います。でも、長袖シャツをあまり汗で濡らしたくもありません。明日以降もこれを着ようと思っているのですから。他には、厚手の長袖シャツと半袖シャツしか持っていないのです。日本から来るときは、厚手のシャツでもよかったのですが、今はそれでは暑い感じですし、半袖には少し早い感じです。帰国するときも、たぶんこのシャツを着ることになりそうです。

 振り返ると、寺院の塔があるピークがはっきり見えます。このピークには名前はないのでしょうか。ピークハンターとしては、気になるところです。と思って、「無錫交通旅游図」をよく見ると、このピークが錫山のようです。

 頭茅峰らしきところの手前には、ゴンドラの山頂駅があり、閑散としています。ただ、たまになぜかベルが鳴ったりします。もう少し進むと、寺院のようなものがあり、このあたりが頭茅峰のようです。ただ、明確なピークではなく、山頂部の一角といった感じです。



閑散とした頭茅峰のゴンドラ山頂駅



途中にあったアンテナ

◆二茅峰へ◆
 次は、最高峰と思われる二茅峰を目指します。しばらく行くと電視発射塔が建っていそうな建物があり、脇にトイレもあったので、寄っておきます。小便用は日本でも古い公衆便所では今でもたまに見かける壁に向かって溝があるだけのものです。大便用は、ドアもなく、高さ1mほどの囲いがあるだけのものです。このタイプは、日本ではまず見かけないでしょう。

 建物の正面に向かうと、近くに売店もありました。少しは賑わっていますが、雨天なのでそれほどでもないのでしょう。天気が良ければもっと人がいそうです。電視塔は、ガスのため、てっぺんまでは見ることができませんでした。無錫に来て10日目ですが、一番天気の悪い日にあたってしまったようです。



二茅峰の電視発射塔はガスの中

◆三茅峰へ◆
 さて、引き返すならここですが、せっかくなので、先に進みます。この先は、急に人影がまばらになりました。しかし、今まで見かけなかった花が咲いていたりして、これだけでも先に進んだ甲斐がありました。それに、静かなので、日本の落ち着いた山に登っている雰囲気で、この二茅峰から三茅峰までの区間が一番良い感じでした。

 三茅峰は、また別の寺院のようで、音楽までスピーカで流して、騒々しさを感じます。裏に回ると、そこには測量の標石がありました。さて、この先、どちらに進もうか。そのまま尾根をまっすぐ進むルートは、今までの歩道と同じ雰囲気ですが、右へ急に下る階段方向から声もします。そして、ホテルで買った地図にも、この急なコースが描かれています。一旦、直進しますが、すぐに引き返して、この急な下りのルートを進むことにします。



三茅峰の古廟 「江南古刹第一峰」の文字も



古廟後門



三角点の表示 「国家測量標識 T 三茅峰 (三角点)」



足元には石も 「国家測量標識 T 三茅峰 無錫市国土資源局 2001 4」などの文字があります



三角点の脇にはなぜか上半身裸の男性がいました

◆下り◆
 途中では、若い女性二人組がワラビをたくさん採って手に束にして持っていました。日本でワラビ採りをするのは、専ら年配の方々なのからすると、意外です。しかし、他にワラビを採っている人を見かけることはありませんでした。

 このコースの途中には寺院らしきものがいくつもあり、広州で登った白雲山(記録)のような雰囲気の作りになっています。結構急で、ここを登ったらさらに汗をいっぱいかきそうです。



惠山石門摩崖石刻「石門」



「白雲洞天」と書かれた道教のお寺の入口のようです



工事中でしょうか? ここを下りました



道教のシンボルマークが壁にありました



石段を下りていきます



こんな表示もありました

 最後は、車のゲートがありますが、歩行者用のゲートはあるようなないような感じです。歩行者はひょっとして無料で入れるのかもしれませんが、でも人がいるので、たぶんお金を徴収しているのでしょう。

◆ホテルへ◆
 公園のような場所を過ぎて車道に出ます。相変わらず霧雨のような雨が降っているので、タクシーを拾ってホテルに帰ることにします。あまり苦労せず、タクシーを拾うことができ、「無錫大飯店」と中国語で行き先を告げたら、すぐに通じました。惠銭路から惠山隧道を通って、ホテルに戻りました。メータは14元で+1元支払います。この1元は無錫ではルールとなっているようです。距離は5.4km、所要時間8分でした。



こんな像もありました



道路に出たところ

 結局、昼食用として用意しておいた「康師傅 妙芙(マフィン)」などはホテルの部屋で食べました。夕食はホテル内の櫻(Sakura)という店で5連泊するともらえる50元の定食消費券を利用しました。ただ、青島ビールを頼んでしまったので、20元はとられましたが。



5月11日朝、ホテルからの惠山(中央)と錫山(右端)



5月11日朝、ホテルからの惠山二茅峰の電視発射塔



5月11日朝、ホテルからの錫山



5月11日朝、ホテルからの錫山龍光塔



5月11日朝、ホテルからの無錫市街(梁清路沿い)

◆帰国◆
 11日11:30頃チェックアウトします(合計4737.5元)。クリーニングのサービスがあると聞いていましたが、1日34.5元×10回 で少しだけ足が出たようで余分に7.5元のみ上乗せがありました(10元×3点+税4.5元か?)。ホテルから直接上海の浦東(PUDONG)国際机場(空港)まで会社手配の車で行きます。空港の免税店は大したものがなく、どの店も同じものしか置いてなく職場などへのお土産は選択の余地がほとんどありませんでした。格力高(グリコ)のお菓子(Collon マンゴープリン味)や万寿家(MASUYA)の天津甘栗的純栗巧克力(チョコレート)や烏龍茶などを買いました。17:20発のJL884便で中部国際空港へ帰国します。座席は18Aです。行きほど空いてはいませんでした。偏西風が強かったためか、予定よりも早く到着しました。機内でも離陸してほどなく機内食が出たり、映画を観る時間もなかったので、『必殺仕置人』を観ました。必殺シリーズの中でも最も好きなシリーズなのです。藤田まことは別としても、山崎努のキャラが好きなんです。  名鉄は神宮前で乗り換えです。ミューチケットも2枚です。21:07発のミュースカイ(全車特別車)岐阜行き(4号車5D席)で21:28神宮前に着き、21:40発の豊橋行き特急(2号車7A席)に乗換え、22:18国府着。タクシーで帰宅しました。

 見かけた花
 オオアラセイトウ(ショカツサイ、ムラサキハナナ)、オオイヌノフグリ、カタバミ、オドリコソウ、ユキノシタ、シャガ、キツネアザミ、ナズナ



より大きな地図で 惠山(無錫) を表示

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