観音山ともう少し高い唐沢

 平尾カントリークラブ裏から観音山を経て唐沢まで往復しました。迷いやすい尾根ですが、藪も薄く、地形図とコンパスで比較的容易にたどり着けました。
【山 名】観音山(かんのんやま)(八形之峯、鉢形山) 約410m
     唐沢(からさわ) 417m
【三角点】三等 416.75m 点名:唐沢(からさわ) 明治20年7月11日選点、平成15年1月17日改測
      所在地:愛知県岡崎市大代町字唐沢1ー15番地
【山 域】東三河(三河山地・三河高原・豊川市北部山地) 本宮山県立自然公園
【水 系】音羽川・白川水系、佐奈川水系、矢作川水系
【所在地】愛知県豊川市平尾町木崩・財賀(ざいか)町ドウニヤ・観音山・千両(ちぎり)町財賀口・程野入・
     宝飯(ほい)郡音羽町萩字横山・字油田・字手形・字萩沢奥・
     岡崎市大代町(おおじろちょう)(2005年12月31日までは額田郡額田町大代)
【山行日】2007年11月24日(土曜日)
【行  程】平尾カントリークラブ裏の林道入口から観音山・唐沢往復
  自宅 ==== サークルK ==== 平尾CC裏林道入口 --(未舗装林道)-- 沢筋へ -- 稜線(鉄塔)--
  9:02                         9:27 - 9:30                       9:38        9:51
  -- 未舗装林道に戻る -- 林道終点 ---- 鉄塔 ---- 財賀寺近道分岐 ---- 平尾山(展望所)-- 財賀寺分岐 --
       10:05              10:09       10:32          10:38             10:53-10:57       10:59
  -- 観音山 ---- 峠 ---- 屈曲点 ---- 380m小ピーク ---- 鞍部 ---- 410m小ピーク ---- 三界点 --
     11:08     11:15     11:20          11:27         11:29         11:40          11:46
  -- 唐沢 ---- 三界点 ---- 410m小ピーク ---- 鞍部 ---- 峠 ---- 観音山 ---- 財賀寺分岐 --
  11:51-12:03  12:10          12:15         12:25    12:37  12:43-12:59      13:13
  -- 財賀寺近道分岐 ---- 鉄塔 ---- 沢筋交差地点 ---- 平尾CC裏林道入口 ==== 自宅
         13:41          13:49         14:29           14:38 - 14:42
【所要時間】5時間8分
【標高差】約330m
【天  候】快晴 8℃(自宅出発時)、16℃(10:53)、16.5℃(唐沢)、14℃(下山時)
     11月24日新城の気象庁データ:平均気温8.3℃、最高気温16.3℃(12:00)、平均風速1.2m/s、
      最大風速4m/s(14:00)、最大風速時の風向:南西、最多風向:東
【地形図】1:25,000 御油(ごゆ) 平成7年修正測量
【目  的】1.平尾カントリークラブ裏からの登山道トレース
     2.唐沢ピークハント
     3.秋の観音山を楽しむ
     4.久しぶりに少しは山歩きらしい歩きをする
【スタイル】ミズノ ウォーキングシューズ "FREEWALK"、ショートソックス、眼鏡、MILLETザック、
 ウェストバッグ、mont bellズボン(中国製 ナイロン100%)、腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、
 綿100%水色半袖Tシャツ(Fabric Made In USA、Assembled In Honduras)、
 綿100%トランクス(中国製)、綿100%チェック長袖シャツ(中国製)、
 デジタルカメラ:KONICAMINOLTA αSweet DIGITAL(往路首に下げて歩く)、MINOLTA DiMAGE 7(復路首に下げて歩く)
 (手袋、フリース、帽子は着用せず)
【所持飲料】KIRIN アミノサプリ500ml(完飲)、KIRIN ローヤルゼリーのアミノサプリ500ml(飲まず)
 標高417m(2003年1月17日改測)のピークに唐沢という名を見付けたのは、昭文社のエアリアマップ都市地図「豊川市」(1990年8月発行)で、そこに416mの標高と「唐沢」の名が載っていました。ただ、この名前は三角点の点名から来ているのか、一般的には知られていません。たぶん、点名がなぜだかエアリアマップに山名のように記載されたということだと思います。観音山までは登山道もあり、名前も国土地理院の地形図にも載っています。逆に前記のエアリアマップには観音山の名は載っていません。

 三連休の中日。最初は、三連休初日の金曜日(勤労感謝の日)に出かけようと思っていたのですが、前日の仕事が夜10時近くまでだったことと、翌朝、起きると曇天で肌寒く感じたことで、モチベーションが上がらず、この日は疲労回復に努め、翌日は天気もよく、暖かくなるとの予報で、土曜に出かけることにしました。

 行き先も、当初は、もう少し遠出して紅葉狩りを楽しむなどしようと考えていましたが、7月に標高差約1350mの妙高・火打へ行って以来、標高差300m以上の山行すらしていない状態では、近郊の低山が妥当だと思ったこともありました。それに、観音山へは一週間前の日曜午後に出かけようとも考えていたのですが、雨がぱらついていて、やめたという経緯もあります。

 サークルKで昼食を買い、登山口へ。観音山へは過去に3度登っていますが(2度目の記録3度目の記録)、いずれも財賀寺から。3度目のときに会った同じ山の会のYさんが、平尾カントリークラブ方面から登ったと聞き、次はそちらから登りたいという気持ちも高まってきていました。

 登山口へは、豊川市内方面から財賀寺へ向かい、平尾CC方面へ左折し、ゴルフ場入口への道路へは入らず、もう1本北の道路へ右折します。するとほどなくゴルフ場のゲートがあり、その付近の路肩に邪魔にならないように駐車しました。特に駐車場などはありません。ここから未舗装の林道へ入ります。「豊川自然遊歩道 財賀寺←」の看板も立っていました。



平尾CC裏手のゲート前 左手前の未舗装林道に入る

 林道は荒れていて車で通るには大変そうです。あまりいい雰囲気には思えません。登山口はどこだろうと左側に注意しながら歩きます。すると少し奥に標柱があり、「愛知県林業公社営造林地 面積ニ・五五ヘクタール 平成三年度植栽 平尾事業地」とありました。右側はゴルフ場、左側は植林地になっているようです。



未舗装林道を進む

 少し歩くと、沢に水が流れている場所があり、沢の右岸に踏み跡が延びているのが目に入りました。林道を歩くよりは、早く尾根に上がってしまおうと、その踏み跡に入ることにします。まあ、どこから尾根に上がっても大して変わらないだろうという気持ちもありました。

 しばらく踏み跡を登ると、沢は大きく左に曲がっていく地点がありました。左に行けば観音山方面からは遠ざかってしまいます。右上方も沢状になっていて、そちらに行くことにします。沢を左岸に渡る踏み跡はしっかりしていて、橋のようになっています。しかし、踏み跡はその後ほとんどなくなってしまい、適当に斜面を登ります。手を使いたくなるほどの急斜面でもなく、藪も大したことなく、そんなに苦労せずに稜線に行けます。その稜線に出る前に稜線の少し下に送電線鉄塔が見えました。でもまずは稜線まで出てみることにします。

 稜線に出ると、西には踏み跡がありました。東は鉄塔まで続いています。鉄塔まで行ってみます。しかしその先に踏み跡はありません。地形図を見て、送電線が屈曲している地点だと思ったのですが、上を見上げても送電線は屈曲していません。でもまあ稜線を進めばいいだろうとあまり気にしませんでした。コンパスでだいたいの方向を確認し、稜線まで戻らずにそのまま鉄塔からその方向へ進みます。

 尾根状と思われるところを進んでいきますが、そこそこ下り、気づいたときには左上高い場所に稜線が見えました。どうやら稜線を外してしまったようです。そしてゴルフ場でプレイしている音が聞こえます。ここまで着たら、稜線には戻らず、林道に出てしまおうと決めました。すると下の方にその林道を歩いているハイカー一人が目に入りました。

 下りて行くと林道はありましたが、下りる場所は崖になっています。少し横移動してから、枯れていない木の幹につかまって林道に下りました。結局かなり無駄な動きをしてしまったようです。原因はいくつか考えられます。まず、鉄塔から直接方角を決めてその方向へ進んだこと。稜線まで戻り、しっかりと現在位置と進む方向を確認していれば、稜線を外さなかったかもしれません。実際の鉄塔の位置は、屈曲点よりも東側のちょっとした尾根の張り出した場所だったことを後でしっかり「Google マップ」で確認しました。

 それに藪歩きも久しぶりで、感覚が鈍っていたのかもしれません。鉄塔という人工物に惑わされたのも大きな理由だろうと思います。いずれにしても無事林道に戻ることができ、観音山から唐沢までの読図に対する心構えができたというものです。もっとも、唐沢まで行くかどうかの最終判断はルートの様子をみてからになりますが。

 ゴルフ場脇の林道を進むと大きく右にカーブし、終点となります。そこから登山道が始まります。ここには道標がしっかりありました。登山道には階段のある急登もあります。ここでちょっと呼吸も速くなり、運動した気分になりました。

 途中の尾根からわずか下にある鉄塔では年配の男性が一人休憩していました。林道に下りる前に見かけた人でしょう。軽く挨拶して先に進みます。

 財賀寺近道との分岐から先は、以前に通ったことのあるルートです。財賀寺分岐までの間には、展望に優れ、ベンチがある場所があります。平尾山とも言うようです。今日は快晴ですが、渥美の山々はうっすら見える程度でした。少し暖かいからでしょうか。長袖シャツを着ていますが、襟元のボタンを外し、腕まくりをしないと暑いほどです。ザックを下ろし、初めて喉を潤します。



財賀寺近道分岐にある豊川自然遊歩道の看板



平尾山展望所から三河湾を隔てて渥美半島の山々を望む



「市内展望図 豊川市」 左上に大きく描かれている山は石巻山 デフォルメし過ぎ?

 さらに行くと財賀寺からの道を合わせ山頂へ向かいます。ここもそこそこの急登です。さて、観音山頂上に着くと誰もいません。休憩もしないでそのまま先に進みます。というか、この先、どんな雰囲気になっているか早く確認したかったのです。

 山頂脇のわずかな藪を抜けると藪はほとんどなく、しばらくは簡単に歩けそうです。まずはコンパスと地形図でしっかりと方向を定めます。33°程度になりましたが、磁北線は記入していないのでいい加減と言えばいい加減です。それに、観音山頂上からの進行方向ではなく、いきなり唐沢ピークに合わせました。あまり細かく小刻みに設定するのは面倒だし、そこまでの必要性も感じず、逆にぶれやすい気がします。ある程度先の目標を設定し、細かな方向のぶれは頭の中で補正すればそれで十分だろうと思います。

 さて、山頂からの出だしは、33°よりも東にぶれています。その割には北に下っているように思えますが、すぐに東に向かうようになりました。間違いないでしょう。そして少し下ると峠状の場所になりました。左右にははっきりした踏み跡があります。「鳥獣保護区 愛知県」の看板が2つもあります。近くの木には、赤テープに黒い文字で「←P416m 杣坂峠」の表示がありました。正確に言えば、「杣」でなく、「柚」となっていましたが。また今来た方向は、「観音山→」となっていましたが、右方向へは、「財賀寺→」となっていました。地形図を見ると、谷の方は財賀寺とはかなり離れてしまうので、きっと巻いて行く道があるのでしょう。左への踏み跡はどこへ行くかこの時点ではわかりませんでしたが、音羽町萩方面へ下っているのだろうと思いました。

 地形図上では、鞍部から北に向きを変えますが、峠を越えてもまだ東に踏み跡は続いています。この峠は鞍部ではなく、その手前のちょっとした肩になっているところなのでしょう。所々に目印もあり、間違いないでしょう。そして少し行くと、ヤマモモの大木があり、幹には「サ」の古い刻み文字がありました。他にも目印がありました。ここで北に向きを変えます。

 ところが「音羽町」の文字のある境界杭は小ピーク方向には行かず、左へピークを巻くように続いています。しかしここは杭に惑わされず、ピークを目指します。尾根の左側はヒノキの植林が続きます。尾根上右側にはところどころにヤマモモの大木があるのが心和ませてくれます。

 小ピークには赤い杭と赤いビニール紐もぶら下がっていました。ここからはまた方向を微修正して北西へ向かいます。意外に複雑な地形のようです。しかし序盤での失敗のおかげか、しっかり方向確認をしながら順調に進んでいきます。鞍部はそこそこいい雰囲気で東側には笹が見えます。

 鞍部からの登りは枯れ笹が多く、上部ではわずかな笹漕ぎもありますが、ほんの一瞬でした。そしてまた小ピークになりました。こんなピークあったかな、と地形図をよく見ると、410mの等高線が小さな円を描いていました。



背の低い枯れ笹が多い尾根



背の高い笹薮はわずか

 左下方に人工物が見えました。一瞬、砂防堤に見えましたが、よく見たら両端に白線が引かれた舗装道路でした。次の目印は地形図上の3市町の境界点です。豊川市、音羽町、岡崎市の境界です。顕著なピークでもありませんが、何か目印があるでしょうか。行ってみると確かに目印になるようなものはありました。赤いビニール紐もあり、木の幹に巻かれた白テープには、「杣坂峠←→観音山 萩坂峠↑」の文字がありました。ただ、正確には「萩坂峠↓」と書くべきでしょうが。

 さて最後は、ちょっとした藪を抜けて唐沢のピークに着きました。まずは三角点探しです。ピークの中央まで行くと背の低い笹に囲まれてありました。その前に近くに測量に使ったと思われる白い板のついた木材で作った工作物がありました。白い板は発泡性の樹脂でできているようです。山頂ではよく転がっているのを見かけますが、測量後の回収はしないのでしょうか。単なるゴミになっています。



測量の残骸



三角点標示杭も藪の中に転がっていました

 そして驚いたのが三角点。一箇所の角が欠けているのですが、変な欠け方で、よく見るとセメントが剥れているのでした。どうやら上部の端が大きく欠けたようで、それをセメントで補修したようです。上面の「+」印は残っていますが、側面の「三等」はありません。読み取れた文字はなんとなくある「三角点」のみです。他の面に「国地院」などの文字はありませんでした。

 三角点の欠けがそのままの状態になっているのは山でよく見かけますが、今までに補修されているのを見た記憶はありません。ところが、三角点のセメント補修については、上西さんのサイト、「三角点の探訪」に、コンクリートで補修されることがある旨、ちゃんと書かれていました。また、「国地院」の文字があるのは戦後のものに限られるようです。

 ただ、ほとんど人の来ないピークの三角点が、上面の+を残して四辺全てが欠けているというのは不自然に思えます。最初から欠けていたということはまずないと思いますが、たまたま欠けやすい部分があった石だったか、誰かが人為的に削ったと考えるのが妥当なところでしょうか???



笹の中の三等三角点「唐沢(からさわ)」



セメントの一部が剥れている

 さて下山は来た道を引き返します。コンパスの方向を180°逆の213°にします。三界、小ピークを越えると、広い尾根状で下る方向が微妙です。コンパスで確認し、左寄りに方向修正します。ここは最も注意が必要なところでしょう。気づかなければ真っ直ぐ正面へ下って行きたくなるような場所です。

 鞍部ではやはり西側にピークを巻いて延びる「音羽町」の杭を見ました。鞍部を過ぎて少し登ると右手に平らな尾根状の地形が目に付きます。少しそちらに行ってみるとやはり杭があり、踏み跡もあります。どうやら、音羽町の杭と踏み跡は尾根上ではなく、音羽町側を巻いているようです。その踏み跡に沿って歩いて行くと、直接四叉路の峠に着きました。往路ではわからなかった左への踏み跡はそのまま下って行くのではなく、音羽町側の巻き道だったわけです。

 観音山に着いて昼食とします。今日のコンビニおにぎりはちょっとリッチに「極の具 いくら」(\180)と「極の具 生たらこ」(\175)と、定番になっている「タマゴロウ」(\147/2個)です。



観音山頂上にあるコナラと看板

 財賀寺近道分岐を過ぎて鉄塔との間で、男性一人とすれ違います。今日会ったのは往路、復路でそれぞれ一人ずつの合計二人でした。

 途中に山椒を見つけ、実を少しかじってみました。以前に実をそのまま口に入れてしまい、舌がしばらく麻痺状態だったのを覚えているので、今日はわずかにかじっただけ。しばらくの間、ほどよい酸味と舌にしびれを感じました。

 未舗装林道を歩くと、右手に鉄梯子がありました。これが送電線巡視路で、『こんなに楽しい愛知の100山』(風媒社)などで紹介されている駒場池へ向かうコースでしょう。その間の尾根はルートとしては紹介されていないようで、往路はそこを歩こうとして失敗したようです。

 下山後は一旦音羽町側に抜け、再び駒場調整池を通って豊川市側に戻りました。池には首の少し長い鳥が浮いていましたが、何かまではわかりませんでした。ヤマナカで今日、明日の食料を買って帰宅しました。

 見かけた動物
 センチコガネ(多)、ニホンカナヘビ、ジョロウグモ

 見かけた植物
 リュウノウギク(花)、フユイチゴ(実)、ハナミョウガ、ススキ、コシダ(葉)、マンリョウ(実)、センリョウ(実)、ミヤマシキミ(実・蕾)、ヤブムラサキ(冬芽)、ヒメクロモジ(冬芽)、サンショウ(実)、センダン(実)、カシワ(葉)、ヤマモモ(葉)、タカノツメ(葉)、コナラ(葉)、クリ(葉)、リョウブ、アカマツ、ヒノキ(葉)、スギ(葉)


 【観音山が紹介されている主な書籍】

『こんなに楽しい愛知の130山』(風媒社)1999年10月8日第1刷
  平尾CC裏からのコースが財賀寺からのコースと合わせ周回コースとして紹介されています。

『分県登山ガイド22 愛知県の山』(山と溪谷社)1995年9月25日初版第1刷
  平尾CC裏からのコースが紹介されています。

『こんなに楽しい愛知の100山』(風媒社)1991年5月1日改訂第1刷
  文殊堂横から駒場池までのコースが紹介されています。

『ワンデルングガイド10愛知県の山』(岳洋社)平成4年6月13日2版発行
  財賀寺から駒場池へのコースが紹介されています。


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