笠山・蔵王山 吉胡貝塚と戦争遺跡

 吉胡貝塚見学と太平洋戦争の塹壕を見学し、笠山と蔵王山に行きました。



トンネル内部から入口を見上げる

【山 名】笠山(かさやま)(渥美富士) 79m
     蔵王山(ざおうさん) 250m
【三角点】三等 78.94m(2003年8月30日改測) 点名:笠山 所在地:愛知県田原市浦町笠山4番
     四等 250.42m 点名:蔵王山(ざおうさん) 所在地:愛知県田原市田原町大沢3番3
【山 域】渥美 三河湾国定公園、渥美半島県立自然公園
【所在地】愛知県田原市
【山行日】2011年12月3日(土曜日・先勝)
【行  程】南麓から&往復(笠山)
  豊川 ==== シェルマよしご(見学)==== 笠山(戦争遺跡見学&山頂往復)==== 蔵王山頂駐車場 --
  -- 展望台(昼食)--(戦争遺跡見学)-- 蔵王山頂駐車場 ==== (14:50)豊川(合計走行距離:約66km)
【標高差】約50m(笠山)
【人  数】6人(30〜72歳、全員男性)
【天  候】曇
     12月3日豊橋の気象庁データ:平均気温16.0℃、最高気温19.6℃、最低気温10.1℃、平均風速6.4m/s、
                 最大瞬間風速25.7m/s、最多風向:東、日照時間0.0h、降水量4.0mm
【地形図】1:25,000 老津(おいつ)(所持せず)
【スタイル】ミズノ ウォーキングシューズ "FREEWALK"、黒色ウェストバッグ(蔵王山のみ)、
 綿55%・ポリエステル30%・レーヨン15%トランクス(中国製)、MILLETアタックザック(蔵王山のみ)、
 mont bellズボン(中国製 ナイロン(バリスパン)100% \6,570)、グレーショートソックス、
 ユニクロ中国製半袖Tシャツ(綿72%・ナイロン28%)、腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、
 アクリル70% 毛25% カシミヤ5%長袖チェックシャツ(日本製)、眼鏡、
 TARAS BOULBA(アシックス)POLARTEC(ポリエステル100%)SERIES200フリース(笠山の途中で脱ぐ)、
 デジタルカメラ:GE G5WP(\3,000)(吉胡貝塚・笠山で使用)、MINOLTA DiMAGE7(蔵王山で首に提げて歩く)
【所持飲料】KIRIN 小岩井 純水れもん 〜はちみつ仕立て〜470ml(約450ml飲む)、
 アクエリアス カロリーオフ500ml(飲まず)、神戸ビバレッジ 緑茶500ml \58(飲まず)
 東三河山ぽ会の自然保護部主催の山行に参加しました。テーマがテーマだけに、参加者は全員男性です。歴女はいるでしょうけど、貝塚と太平洋戦争では、さすがに女性向けではないのかもしれません。

 雨が残る予報で、前夜、山行リーダーのMさんからケータイに連絡が入りました。まだ会社で仕事中でしたが、ケータイに出ることができました。出発を少し遅らせ、集合場所も蔵王山の「権現の森駐車場」から「シェルマよしご」に変更するとのこと。もっとも、私以外のメンバーは豊橋で集合して乗り合わせて来ることになっています。私だけがわがままを言って現地集合にしてもらったのです。

 翌朝、起きたら雨模様で、中止の連絡が入るのではないか、と待っていましたが、連絡は入らず。久しぶりの雨中山行か、と思いながら外に出ました。ところが、雨はほとんどやんでいるようです。これなら降られてもしれているでしょう。中止にならなくて良かったと言えます。それに気温は室内よりも暖かいようです。確かに天気予報で暖かくなるというようなことを言っていました。それでも今の季節だからそれほど暖かくもないだろうと、暖かめのスタイルにしたのでしたが、暑いぐらいかもしれません。

 走行中にMさんから連絡が入ります。豊橋の出発が遅れたようで、到着が遅くなるとのこと。ならば私もコンビニでちゃんと昼食を買うことにします。一応、コンビニに寄る時間がないと思い、パンを持ってきていましたが、チャンスです。サークルK田原浦店に寄りました。

 「シェルマよしご」に到着し、ほんの少しで5人が1台の車に乗って到着しました。山行計画書では私を含めて9人の参加予定でしたが、3人が何らかの理由で不参加になったようです。雨予報でやめたのでしょうか。理由は聞きませんでしたが。

 「シェルマよしご」の「吉胡貝塚資料館」は有料のようです。各自200円を支払い、館内に入ります。説明もしてくれるというのでお願いします。何年か前まではこの場所には何の施設もなく殺風景な空間でしたが、立派に整備されました。なので、資料館に入るのは初めてです。

 説明を聞くと、その貴重さもとてもよくわかります。300体を超える人骨が発見され、文化財保護法に基づく国内第1号の発掘調査が行われたことや、叉状研歯(さじょうけんし)(すじを入れた前歯)を持つ人骨の展示など、じっくり観察できました。参加メンバーも詳しい人が多く、質問も多くし、それに解説者は丁寧に答えてくれました。縄文土器の作り方を真似たり、みんなで外に出て火を起こしたりもしました。

 野外にも展示があります。貝塚の断面展示にはびっしりの貝が埋まっているのが見られ、レプリカの人骨も発見された状態で置いてありました。モニタリング調査をやっているという女性が現れ、説明してくれました。貝塚平面展示施設は、窓が結露してしまい、よく見えませんでしたが、ちょうどモニタリング調査するので、ということで、特別に扉を開けてくれ、そこから直接見ることができました。太陽光パネルもあり、太陽が出ていればファンが回り、換気が行われるそうですが、今日は天気も悪くファンも止まっているようでした。表面にはコケが生えて緑色っぽくなってしまっているのが残念でした。ついでに、周辺の木の名前を教えていただきました。ムクノキ、エノキ、そして下に見えるのがデイゴとのこと。



貝塚の断面展示



貝塚の断面



貝塚の断面とレプリカの人骨

 車に戻り、笠山に向かいます。当初の予定では、蔵王山→笠山→吉胡貝塚→蔵王山 というルートを徒歩とバスで移動することになっていましたが、雨の心配もあり、それぞれ車移動となりました。でも、もう雨は降っていません。ただ、いつ雨が降ってきてもおかしくないような空模様です。

 私の車にもHさんとKさんが同乗し、笠山の南麓まで行きます。Hさんは私と同じ自然保護部員、Kさんとは以前何度かクライミングを一緒にした仲です。ここからまずは周回路を右へ進みます。その途中の周回路をわずかに外れたところに塹壕跡がありました。笠山には何度も訪れていますが、こんな遺跡があるとは全然知りませんでした。



塹壕跡

 周回路に戻り、もう少し行くと、今度は山側に塹壕があり、そこを進みます。かなりはっきりと残っているのには驚かされました。最終防衛ラインの伊良湖水道を突破され、三河湾になだれ込んできた米軍を迎え撃つ準備をしていたようです。

 周回路を戻り、階段を登り、山頂まで行きます。これは単なるピークハントで、遺跡めぐりとは関係ありません。天気は良くありませんが、見晴らしはよく、神島などまでよく見えました。曇天の海はシルバーに光っていました。笠山に登ったのは、たぶん2007年12月(記録)以来、4年ぶりです。

 さて、次は蔵王山です。車で山頂の駐車場まで上がります。そしてまずは展望台の建物の上へ行き、昼食とします。「豚カルビおにぎり」(\128、172kcal)、「豚トロ塩おにぎり」(\128、169kcal)、「鮭野沢菜おにぎり」(\128、147kcal)を食べます。悪天候のためでしょう、他に客はほとんどいません。十分な時間を確保し、映画の話などもします。「硫黄島からの手紙」、「アバター」、「たそがれ清兵衛」、「十戒」など、新旧和洋の幅広い話題が出ました。



蔵王山展望台

 1階までエレベーターで降りて、出発です。風力発電の脇から下ります。そして道路下にある塹壕を見ます。『愛知県史』の「第七十三師団の本土決戦陣地−蔵王山の陣地−」に地図が載っているようで、ここは「SD1」となっています。



道路下の塹壕

 道路に戻り、山頂の南側の道路下に下ります。岩盤にトンネルができていてくぐれます(「ST1」)。ただあまり広くはないようです。私はくぐりませんでしたが、一人がくぐりました。



トンネル入口



トンネル入口を見下ろす

 次に東へ進み、権現堂下の登山道からわずかに下に下りた場所に「ST2」がありました。こちらはトンネルにはなっていません。構築途中でやめてしまったようです。



別のトンネル入口



トンネルの中を覗く



蔵王権現

 山頂の北側へ行くと、登山道脇に小さな穴があいた「ST3」と、登山道から下っていったところに、大きな岩盤をくりぬいたトンネルが掘られています(「ST4」)。かなり立派なトンネルで、コの字形に掘られています。立っても歩けるほどです。しかし、反対側は貫通しているものの、穴は小さく、出ることはできないようです。それにしても立派です。こんなトンネルを終戦前に人手で急いで掘ったのかと思うとかなりの重労働だったでしょう。しかも急斜面の途中にあり、訪れる人もほとんどいないので、保存状態は良好です。こんな遺産があまり人に知られず残っているのがもったいない気がします。もっと広く周知され、訪れる人も増えれば、戦争を遠い昔のことではなく、すぐそこにあった出来事だと実感できるのではないかと思います。



シダに埋もれた小さな穴



トンネル入口から斜め下へと続く立派なトンネル

 道路に下りて西に進むと、地図には載っていないトンネルが道路脇にありました。今回の企画者、Mさんが以前に見つけたそうです。そのMさんが、通り抜けました。道路脇に道路と平行にトンネルがあるので、道路からでも見ることができます。

 そして、下ったところから登り返し、風車脇に上がりました。記念写真を撮って解散します。

 帰宅し、夕食は、少し前に近所にできた「業務スーパー」で買ったカレーのレトルトを食べました。

 携帯電話の歩数計によると、1日で歩いた歩数は5,985歩。距離は3.59km、時間は1:07:21、消費カロリーは189kcal、脂肪燃焼27gでした。

 今回の山行は、東三河山ぽ会 「山行ブログ」にも掲載されています。


【笠山・蔵王山が紹介されている主な書籍など】

『三河・遠州の超(スーパー)低山ハイキング』(風媒社)2002年5月12日第1刷発行
  階段が整備される前の自然豊かな笠山の写真が載っています。

『三河の自然誌』(三河生物同好会)2010年7月31日発行
  「蛇紋岩地の草地と疎林「笠山」」の項があります。

『たはらの自然めぐりI』(田原市)平成18年3月第1刷発行
  26ページにわたり、蔵王山が紹介されています。

『こんなに楽しい愛知の130山』(風媒社)1999年10月8日第1刷
  三河田原駅から蔵王山「権現の森」経由のルートが紹介されています。

『ワンデルングガイド10愛知県の山』(岳洋社)平成4年6月13日2版発行
  三河田原駅から蔵王山「権現の森」経由のルートが紹介されています。

『こんなに楽しい愛知の100山』(風媒社)1991年5月1日改訂第1刷
  三河田原駅から蔵王山「権現の森」経由のルートが紹介されています。

『やぶ医者のやぶ山あるき 三河の山々』(毎日新聞名古屋開発)2000年5月発行
  衣笠山・滝頭山・雨乞山の頁に蔵王山の写真と記述あり。

『名古屋からの山なみ 東山スカイタワー基点』(中日新聞本社)1991年6月1日発行
  蔵王山のページは吉胡貝塚の紹介がメインです。

『'96アウトドアData3800東海版』(風媒社)1995年11月20日初版第一刷発行
  「蔵王山」の項があり、「山頂からの展望は360度の絶景」などとあります。

『コンサイス日本山名辞典修訂版』(三省堂)1989年9月1日第6刷
  蔵王山が載っていて、「三河湾国定公園に属する」などと記載があります。

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