キキョウ 桔梗
 Platycodon grandiflorum (Jacq.) A.DC.
 キキョウ科 ホタルブクロ亜科 キキョウ属
 

 

花・葉 東三河 2005.8.15

 秋の七草の一つ。万葉集(巻八)に山上憶良(やまのうえのおくら)が詠んだ歌があり、秋の七草の由来となったようです。

 秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
 萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花
 (はぎのはな おばな くずはな なでしこのはな おみなへし またふじばかま あさがおのはな)

 上の歌は、「五・七・五・七・七」になっていて、下の歌は、「五・七・七・五・七・七」となっています。
「尾花(おばな)」というのはススキで、「朝貌(あさがお)」がキキョウです。ただし、キキョウではなく、アサガオ(朝顔)やムクゲ(木槿)やヒルガオ(昼顔)という説もあるそうです。

 キキョウは、時代とともに、名前が変わってきたと言います。文献によると、「岡止々岐(おかととき)」、「阿利乃比布岐(ありのひふき)」、「きちこう」、「きかう」などの名があるそうです。漢名が「桔梗」で、それを音読みしたのが「キチコウ」で、訛って「キキョウ」になったと思われます。

 また、英名は、「バルーン・フラワー」で、これは、つぼみの裂片がくっついていて袋状になっているところからです。

 1枚目の写真では、雄蕊が開いて花柱にこの雄蕊の花粉が付いた状態で、雌蕊はまだ開いていませんが、2枚目の写真では花冠裂片が変形し、花粉は無く、雌蕊の柱頭が開いて5裂しています。
 花冠は広鐘形で、キキョウ属を表す学名、"Platycodon" は、「広い鐘」という意味だそうです。小種名の、"grandiflorum" は、「大きい花」を意味します。

 葉は互生、対生、輪生するものがあるようで、写真は3輪生と互生のものです。

 なんと、この親しみのある花は、レッドデータブックでは国の絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)に指定されています。
 私は写真の東三河の他に、伊勢で見たことがあります。

 参考:『登山時報 No.391(9月号)』(日本勤労者山岳連盟)2007年8月15日発行

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