コマクサ 駒草
Dicentra peregrina (Rudolph) Makino
シノニム:Dicentra pusilla Siebold et Zucc.
双子葉植物綱 ケシ目 ケマンソウ科(ケシ科) コマクサ属 
 

 



花・蕾 東北 秋田駒ヶ岳 2011.7.7

 「高山植物の女王」と呼ばれるコマクサは、他の植物が育たないような、ざれた山の斜面に生えます。他を寄せつけないような孤高の花のイメージが「女王」と呼ばれるゆえんなのでしょうか。明治時代の作家、大町桂月が大雪山でコマクサを見て感動し、そう表現したと言われているそうです。

 今まで、北アルプスの御嶽や、北燕岳などで見ています。崩れやすい場所に生えていますので、有名な群落地ではロープで入らないようにされていたりして配慮されています。

 御嶽では、登山道の真ん中に生えていたりして、株の周りを小石で囲って、踏まないように注意喚起されていたりもする場所がありました。

 『花の百名山』(文春文庫)では、白馬岳の花として紹介されており、「ゆきすごし、また、もどって見つけた。大きな石でかこまれていたのは、だれかが、心ない花盗人からまもろうとしたのであろう。」とありました。また、本書では、「薄い紅いろにエメラルドグリーンの葉のいろが、天然の山の草と思えぬほどに技巧的である。」ともあります。

 花茎は高さ5〜10cmになります。上端は短い総状花序となり、2〜7個の花をつけます。花は長さ20mm程度で、花の基部は浅い心形をしています。花弁は4枚あり、外側の2枚の先端は反り返ります。萼片は2枚で長さは3mm程度と花弁に比べとても小さい。小花柄には2枚の小さな苞があります。葉は先端が細く多数に分裂します。

 『山溪カラー名鑑 日本の高山植物』(山と溪谷社)では、「ワンポイント・リサーチ」として、「コマクサの生活環境とウスバキチョウ」というところで、「パセリを白っぽくしたような葉」と表現されています。また、根が地中深くもぐっていることや、タカネスミレと混生することがあることや、大雪山周辺に生息するウスバキチョウの幼虫の食草として知られていることなどが書かれています。

 和名の由来は、花の形が馬(=駒)の顔に似ているからです。上の写真はたまたま秋田駒ヶ岳で撮ったものですが、山名と花の名とは関係ありません。ただ、秋田駒ヶ岳のコマクサ群落は有名なようです。1970年以降、山形駅から秋田駅などの間で、急行「こまくさ」も運行されていました。この名称は、秋田駒ヶ岳のコマクサからの発想でしょうか。秋田駒ヶ岳を訪れたときは、まだ時季的には少し早かったようで、花は多くありませんでした。

 属名の、"Dicentra" は、「2つの距」というような意味のようです。種小名の、"peregrina" は、「外国の、外来の」という意味です。シノニムの種小名、"pusilla" は、「小さい、弱い、細い」というような意味です。

 『日本の野生植物 草本』II 離弁花類(平凡社)によると、分布は、「北海道・本州中北部,千島・カムチャツカ・樺太・シベリア東部」となっています。

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