コウヤミズキ(ミヤマトサミズキ) 高野水木(深山土佐水木)
 Corylopsis gotoana Makino マンサク科 トサミズキ属
 
 

花 弓張山脈 雨生山麓にて 2005.03.26

 キブシと並んで咲いていました。よく見る花のような気はするのですが、最初、何の花かわかりませんでした。
そこで帰宅後、図鑑『山溪カラー名鑑 日本の樹木』(山と溪谷社)をめくっていくと、トサミズキ(土佐水木)が目に入りました。この名前は聞いたことがあります。ところが、自生地は高知県となっています。確かに土佐だから、納得です。名前をよく聞くのはあちこちに植栽されているからでしょうか。
 しかし、これを見たのは林道沿いとは言え、わざわざ植栽するような場所にはあまり思えません。そこで、トサミズキ属の他の仲間を見てみると、コウヤミズキ、ヒュウガミズキ(日向水木)、キリシマミズキ(霧島水木)があります。
 自生地を見ると、キリシマミズキはその名の通り霧島山なので違います。ヒュウガミズキは名前の通り宮崎県がありますが(『日本の野生植物』(平凡社)によると九州の自生はないとのこと)、他には高知県、そして本州では石川・福井・岐阜・兵庫・京都とあり、微妙かもしれませんが一応除外。
 残るはコウヤミズキ。自生地は中部地方以西となっています。ということで当てはまるのはなんとかコウヤミズキのみ。ただ、中部地方と漠然とした表現が気になります。また自生でない可能性も捨て切れません。そこで、「このきなんのき」掲示板に質問してみました。すると、花序軸が無毛であれば、コウヤミズキでしょう、とトサミズキの有毛の写真付きで九州の方からコメントが得られました。確かに図鑑でもそのような表現がありましたが、文字だけではピンと来ませんでした。写真があると説得力があります。
 写した何枚かの写真を見てみると、花軸らしきものが写っているものがありました(3枚目)。それを見ると確かに無毛。それで、コウヤミズキとほぼ確信が持てました。
 また、『日本の野生植物』(平凡社)でも確認しました。ヒュウガミズキやキリシマミズキの葯は黄色であり、今回のものは褐色(4枚目の写真)。また、熊本に自生するヒゴミズキという花序軸が有毛のものもあると書かれていました。コウヤミズキの自生地を見ると、愛知県以西と書かれています。今回見たのは静岡県まで500m余りしかない愛知県なのでぎりぎりでした。

 コウヤミズキの高野とは、紀州の高野山のことであり、牧野富太郎が命名した名前だという。

Wander!花・植物雨生山

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