ミカワバイケイソウ 三河梅尅
Veratrum stamineum Maxim. var. micranthum Satake
ユリ科 シュロソウ亜科 シュロソウ属 バイケイソウ類
 

 

花 東三河 2005.5.29

 レッドデータブックの絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)に指定されています。豊橋市の葦毛湿原にはそれほど大きくありませんが群落があります。『日本の野生植物 草本』(平凡社)の写真も葦毛湿原のものです。ただし、葦毛にはバイケイソウもあるようです。

 コバイケイソウの変種で、ミカワバイケイソウは花が小さく、雄蕊が花被片の2倍ほど長く、花被片の縁には切れ込みがあるといいます。ただ、コバイケイソウの雄蕊も結構長く見えるものがあったり、花被片の縁に切れ込みらしきものも見えたりしますので、これは違いの決め手とは言えないのかもしれません。ただ、ミカワバイケイソウは小花柄が長く花がまばらについているように見えるのが外観で見わけやすい最大の特徴でしょうか。『レッドデータプランツ』(山と溪谷社)には花の拡大写真も載っています。

 花の時期は5月頃で、写真のように5月下旬ではもう花が終わりかけています。特に主軸につく両性花が終わりかけで緑色に見え、側枝は雄花でまだ白く咲いている花が多くあります。

 年によって花つきには大きな差があり、葦毛湿原では、何十本も花がつく年もあれば、1〜2本しか咲かない年もあると、朝日新聞「スポット アサ」(2000年5月号)に書かれていました。1999年は近年稀に見る花の多さだったそうです。写真を撮った2005年も花の様子からすると当たり年だったのではないかと思います。

 ミカワバイケイソウは氷河期の遺存植物と言われ、氷河期の終わりに温暖化により、高山に移動したのがコバイケイソウで、低地に残ったのがミカワバイケイソウだと考えられています。ミカワバイケイソウは発芽から結実までがわずか70〜80日で、これは高山植物と同様の特徴と言え、対するバイケイソウは正月頃に発芽して花期が6月中旬となっています。

 愛知県、長野県、岐阜県、静岡県の低湿地に分布します。

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