弥勒山・大谷山・道樹山 タカノツメとコシアブラ

 以前からいつか登ろうと思っていた春日井三山にようやく登りました。時季的にはタカノツメコシアブラの黄葉が見頃でした。
【山 名】弥勒山(みろくさん) 436.6m
     大谷山(おおたにやま) 425m
     道樹山(どうずさん、どうじゅさん、どうじゅざん) 429m
【三角点】二等 436.57m 点名:廻間村(はざまむら) 明治20年7月17日選点
      所在地:愛知県春日井市坂下町廻間堂頭1122番地
     四等 416.29m 点名:秋葉(あきば) 昭和46年5月10日選点
      所在地:岐阜県多治見市三ノ倉町字西洞187番地
【山 域】愛岐丘陵(春日井三山・愛岐三山・愛知高原) 愛知高原国定公園
【水 系】庄内川水系
【所在地】愛知県春日井市廻間町・細野町・
     岐阜県多治見市廿原町・三の倉町西洞
【山行日】2009年11月22日(日曜日)
【行 程】都市緑化植物園付近から周回
  自宅 ==(R1)== 音羽蒲郡IC ==(東名高速\850)== 春日井IC ==(R19)== 駐車場 ---- 林道に出る --
  7:20            7:37                           8:15             8:28-8:42      8:58
  -- 鞍部 ---- 弥勒山 ---- 鞍部 ---- 大谷山 ---- 道樹山 ---- 四等三角点 ---- 道樹山 --
    10:16   10:24-10:48   10:53      11:10       11:51      12:00-12:42      12:46
  -- 縁者不動の滝 ---- 車道に出る ---- 植物園(散策・休憩)---- 駐車場 ==== 名古屋
       13:28            14:00          14:42-                   -16:34       17:40
 (合計走行距離:93.9km(豊川→春日井:70.8km、春日井→名古屋:23.1km))
【所要時間】6時間0分(植物園散策を除く)
【標高差】約300m
【人  数】2人
【天  候】曇 7℃(自宅出発時)、10℃(駐車場到着時・名古屋到着時)
     11月22日多治見の気象庁データ:平均気温7.3℃、最高気温10.8℃、最低気温3.5℃、
     平均風速0.3m/s、最多風向:北西、降水量4.5mm
【地形図】1:25,000 高蔵寺(こうぞうじ)(平成2年修正測量)(所持のみで使用せず)
【使用地図】奥村氏作成絵地図「道樹山〜内津峠」1997年4月1日作成
【スタイル】ミズノ ウォーキングシューズ "FREEWALK"、ショートソックス、
 PHENIX化繊ズボン(中国製)、腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、MILLETアタックザック、
 綿55%・ポリエステル30%・レーヨン15%トランクス(中国製)、眼鏡、
 TARAS BOULBA(アシックス)POLARTEC(ポリエステル100%)SERIES200フリース(途中だけ脱ぐ)、
 MUSSHU長袖チェックシャツ(ポリエステル100%・日本製)、綿100%グレー半袖Tシャツ、
 デジタルカメラ:MINOLTA DiMAGE7(途中まで首に下げて歩く)、SONY α350(楽天市場)(首に下げて歩く)
【所持飲料】白湯470ml(インスタントコーヒー用に使用)、AQUARIUS ZERO 500ml(約100ml飲む)、
      アサヒ いぶき 秘蔵の新茶490ml(飲まず)
 多治見のKさんの場所選びに二つ返事で同意しました。ただ、コースは、定光寺から内津峠(うつつとうげ)への縦走も考えました。車も2台あるから縦走にはいいだろうとも思いましたが、意外と遠く車のデポにも時間がかかりそうなのと、距離もそこそこありそうなのと、植物園から周回もでき、春日井三山をピークハントできるルートがあるなどの理由で、今回のルートとしました。天気予報もあまり良くなく、自然観察で時間もかかるだろうし、お互い、登山らしい登山を最近あまりしていないということもあります。

 待ち合わせは8時半。ネットで調べると、植物園は9時からのようで、駐車場も閉まっていたら、築水池近くの駐車場としておきます。以前、植物園を訪れたとき、植物園の駐車場が満車で築水池近くの駐車スペースにとめたことがありました。また、西高森山に登ったときにも利用しています。それでも春日井三山に登る機会に恵まれなかったので、登りたいという気持ちは強くなるばかりでした。まあ、そうは言うものの、それほどの山でもなく、またせっかくなら縦走したいという気持ちもあって、今まで登れずにいました。

 朝6時に起床し、自宅を7:20に出発します。途中のサンクス音羽店で昼食などをクイックペイで買います(\1,221)。そして音羽蒲郡インターから東名高速に乗ります。しかし、渋滞気味。少しするとバイクの故障車両がいました。渋滞の原因でしょうか。その後は、それほどの混雑もなく、何とか、待ち合わせ時間ぎりぎりに到着しました。やはり植物園の駐車場はまだ開いておらず、築水池近くの駐車場にとめます。ここはそこそこの車がとまっています。まもなく、Kさんも到着します。カーナビを装備していなくて、R19から曲がる交差点がわからなくて、少し時間がかかったそうです。

 私は道樹山方面からの周回を考えていましたが、Kさんが、天気は下り坂なので、遠望が利く可能性のある朝のうちに展望の良い弥勒山に行こうと提案します。確かに、と同意します。

 植物園の端の少し先から登山道に入ります。沢沿いへ少し下って登り返します。道はいくつもあるようですが、林道に出てからは、その林道を弥勒山方面へ歩いていきます。たまに人に会います。返り咲きのタカサゴユリが1輪、綺麗に咲いていました。



植物園脇から森に入ります



シダの茂る場所がありました

 途中で、登山道への分岐があったので、そこを登ります。尾根に出ると、古い石標があり、そこから左へ登っていくと、春日井市最高峰でもある弥勒山に到着します。かなり賑わっています。市民に人気の山なのがよくわかります。ヤマガラが近くにいます。見ていると、こちらの様子を伺っているようなので、手を差し伸べてみると、やはり手に乗ってきました。誰かが餌付けしているのでしょう。でも私の手に餌がないことがわかると、すぐに手を離れていきました。



尾根に出たところにあった石標



二等三角点「廻間村」



三角点の上面にはICタグが埋め込まれていました

 展望は開けていますが、雲があります。でもよく見ると、雲の上から頭を覗かせている山があります。たぶん御嶽でしょう。東屋からは名古屋方面が見渡せます。築水池や入鹿池も近くに見えます。遠くには鈴鹿山脈が連なっています。伊吹山も見えます。さらに遠方には白い雲の上に、白い山らしきものが見えます。白山でしょうか。

 引き返し、県境尾根上を南下します。標高425mの大谷山で方向を東寄りに変えます。道樹山の手前にはしっかりした祠があります。大世自神霊宗の大日如来・猿田彦大神とのことです。そしてわずかで道樹山です。ここには御嶽神社・秋葉大権現があります。ここは開けていないし暗いので、もう少し先にある三角点まで行ってみます。



東海自然歩道の道標



大谷山にある愛知県のコンクリート標石



大谷山から入鹿池と尾張富士(右)・本宮山(左)



宗教法人大世自神霊宗の祠



不動明王像



道樹山の社

 奥村氏作成の絵地図「道樹山〜内津峠」(1997年4月1日作成)によると、「道樹山」の読みは「どうずさん」となっています。山と溪谷社の『名古屋周辺の山200』(2002年3月1日初版第1刷)などでは、「どうじゅさん」となっていて、これが一般的なのでしょうが、地元の奥村氏があえて、「どうずさん」としているからには、この呼び方が本来なのだろうと思います。また、三省堂の『コンサイス日本山名辞典修訂版』(1989年9月1日第6刷)では、「どうじゅざん」と「山」の読みが濁っています。

 また、この辞典には、「愛知高原」の項もあり、「道樹山から猿投山・段戸山にいたる隆起準平原からなる高原」と説明されています。道樹山の名がここでも出てくるのですが、なぜ道樹山が一方の端になっているのでしょうか。なぜ弥勒山ではないのでしょうか。道樹山よりも弥勒山の方が端にあたるだろうし、弥勒山の方が標高もあり、二等三角点もあり、展望も優れています。先述したように春日井市最高峰でもあります。実際、展望のない道樹山より、展望や東屋がある弥勒山の方がみんなのんびり腰を下ろして賑わっていました。『コンサイス日本山名辞典修訂版』に、道樹山の項はあっても弥勒山の項がないのも不思議です。昭文社の『エアリアマップ 分県地図23 愛知県』(1998年1月発行)でも、道樹山の名はあっても弥勒山の名は載っていません。

 何か道樹山の方がメジャーな理由があるのでしょうか。弥勒山という一般的な名よりも、由来は知りませんが道樹山の方がユニークな名であることは確かです。道樹山の麓には細野キャンプ場があります。夏場にはバーベキューなどで利用者があると想像しますが、キャンプで寝泊りするほど賑わってはいないような気がします。以前は人気があったのでしょう。滝の近くなどにも建物などの跡がありました。キャンプ場が賑わっていた頃は、地元の人たちを中心によく道樹山に登られていたのかもしれません。

 ここまで書いて、もっと基本的なことに気づきました。山と溪谷社の『東海自然歩道日帰りハイキング2奥三河−鈴鹿峠』(1996年4月20日初版第1刷発行)に、弥勒山が、「二万五○○○分の一地形図に山名の記載はない」とありました。地形図を確認すると、確かに道樹山の名だけがありました。これである程度納得です。でも、やはり疑問はあります。二等三角点のある弥勒山ではなく、標高点しかない道樹山の名しか載っていないのか。そこで一つ想像しました。弥勒山という名は、弥勒菩薩が安置され、そこから山名になったのであり、山名としては、それほど古くはないのではないか。一方、道樹山の名は以前からあったのではないか、と。

 四等三角点「秋葉」のある場所は明るく、ここで昼食とします。インスタントコーヒーも飲みます。引き返し、道樹山も過ぎて、祠のある場所まで下り、ここから沢道コースを下ります。落ち葉に覆われ、山道らしい落ち着いた場所です。上部は水のない沢状のところを下ります。朴葉がとても多く、ガサガサと音を立てながら下ります。途中には、ヒイラギの花が咲いていました。



四等三角点「秋葉」はセメントで補修されています



朴葉を踏みながら谷を下ります

 途中の不動滝を見物します。二段の滝です。そこであった人に、東海豪雨までは一段の滝だったと聞きました。そして滝に打たれて修行する人もいたと。今でも道端に移動した石像にサカキが供えられていました。さらに少し下ると、岩屋への分岐があります。水車や小屋などもあります。ここも以前は使われていたのでしょうが、今は使われていないようです。急な登りで、思ったよりも上まで登らされます。そして、そこには2つの岩屋がありました。



縁者不動の滝



滝の近くにはサカキが供えられた不動明王像



二宮尊徳

 下っていくと堰堤があり、水がたまっていました。後で植物園で入手した「弥勒山・道樹山コース案内図」によると、「柿の木池」というようです。さらに下ると車道に出ました。細野キャンプ場にもなっているようです。トイレの脇の階段を上がると、秋葉神社がありました。



柿の木池の堰堤脇から対岸の斜面を見る

 道路を歩いて、植物園へ向かいます。途中からは、道樹山と大谷山がよく見えます。弥勒山は大谷山の向こう側で見えないようです。植物園の下の「大久手池」にはボートもあり、乗っている人もいます。脇には紅葉した針葉樹があります。メタセコイアでしょうか、否、互生なのでラクウショウです。ラクウショウは豊橋市役所で見たことがありますが、こんなに何本も生えているのを見たのは初めてです。しかも、根元は池に水没しています。歩いていると、何人かがやってきます。ちょっと有名な場所にもなっているようです。



山麓からの大谷山(左)と道樹山(右) 弥勒山は大谷山の向こう側

 植物園にも寄ります。花はあまりありませんが、それでもバラなどは咲いています。皇帝ダリア(木立ダリア)は特に目立っていました。散策していると、雨がぽつぽつしてきました。ちょうどいいタイミングです。「緑と花の休憩所」の中にある喫茶店で、疲労回復に利くというブレンドハーブティーを飲みます。ちょっとしたケーキもついて350円というのは破格でしょう。

 折りたたみ三段傘を出して、駐車地へ戻りました。私は、その後、名古屋の実家に行き、泊まり、翌日、豊川に帰宅しました。

 見かけた植物
 コシアブラ(黄葉)タカノツメ(黄葉)、カナクギノキ(黄葉)、アカメガシワ(黄葉)、ヒメコウゾ、ウワミズザクラ、アベマキ、クロモジ、イヌザンショウ、ヒイラギ(花)、ホオノキ、イタドリ、スギ、タカサゴユリ(花)、メナモミ、ススキ、コシダ、ウラジロ、マメヅタ


【弥勒山・大谷山・道樹山が紹介されている本】

『こんなに楽しい愛知の130山』(風媒社)1999年10月8日第1刷
  内津峠から定光寺駅へのルートが紹介されています。細野ルートはサブルートとして紹介されています。

『こんなに楽しい愛知の100山』(風媒社)1991年5月1日改訂第1刷
  細野から定光寺駅へのルートが紹介されています。

『名古屋周辺の山200』(山と溪谷社)2002年3月1日初版第1刷
  定光寺駅から内々神社バス停までの縦走コースが紹介されています。

『ワンデルングガイド10愛知県の山』(岳洋社)平成4年6月13日2版発行
  内津峠から細野へのルートが3ページにわたり7枚の写真とともに紹介されています。

『東海自然歩道日帰りハイキング2奥三河−鈴鹿峠』(山と溪谷社)1996年4月20日初版第1刷発行
  「春日井コース」として、定光寺駅から内津峠までの縦走コースが紹介されています。
  amazon.co.jpで購入できます→東海自然歩道―日帰りハイキング〈2〉奥三河‐鈴鹿峠

『分県登山ガイド22 愛知県の山』(山と溪谷社)1995年9月25日初版第1刷
  定光寺駅から内々神社バス停までの縦走コースが紹介されています。

『名古屋からの山なみ 東山スカイタワー基点』(中日新聞本社)1991年6月1日発行
  「道樹山」の項があり、豊かな自然が残っていることが書かれています。
  amazon.co.jp→名古屋からの山なみ

『'96アウトドアData3800東海版』(風媒社)1995年11月20日初版第一刷発行
  「道樹山」、「弥勒山」、「細野キャンプ場」の項があります。

『コンサイス日本山名辞典修訂版』(三省堂)1989年9月1日第6刷
  「どうじゅざん」の読みになっています。

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