籾糠山 8月下旬の花は?

 籾糠山へは2005年6月に出かけて以来、4年ぶり2度目です。前回は6月で(記録)、多くの春の花を見ることができましたが、8月下旬の様子はどうだろうか、と予備知識なしに出かけてみました。
【山 名】籾糠山(もみぬかやま)
【三角点】1744.34m 三等 点名:籾糠山 所在地:岐阜県飛騨市河合町天生字金山谷387番
【山 域】赤谷山脈(飛騨高地・天生山系) 天生県立自然公園
【水 系】神通川上流宮川支流小鳥川水系・庄川水系
【所在地】岐阜県大野郡白川村飛騨市河合町天生・保
【山行日】2009年8月22日(土曜日)
【行 程】天生(あもう)峠から
  自宅 ==== 鷲見さん宅 ==(R1)== 音羽蒲郡IC ==(東名・伊勢湾岸・東海環状・東海北陸 213km 1,000円)== 
  5:35                           5:59
  == 白川郷IC ==(R156・R360)== 天生峠 ---- 天生湿原手前分岐 --(西回り)-- カラ谷分岐 --(カラ谷道)--
       9:10                  9:45-9:52         10:33                        11:22
  -- 木平分岐 ---- 籾糠分岐 ---- 籾糠山 ---- 籾糠分岐 --(ブナ探勝路)-- 水芭蕉群生地 --
      12:14         12:43     13:08-13:35     13:58
  -- カラ谷分岐 ---- 天生湿原奥分岐 --(東回り)-- 天生湿原手前分岐 ---- 天生峠 ==== 城山展望台 ==
                                                                         15:47-
  == 白川郷(温泉・散策)==== 荘川IC ==(東海北陸・東海環状・伊勢湾岸・東名 1,000円)==
                              18:51
  == 音羽蒲郡IC ==(R1)== 九龍居(夕食)==== 自宅(合計走行距離:469.4km)
       20:58                                22:00
【所要時間】5時間55分(含休憩) (登り:3時間16分、下り:2時間12分)
【標高差】約450m
【人  数】2人
【天  候】晴 26℃(自宅出発時)、20℃(籾糠山)、27℃(帰宅時)
     8月22日白川の気象庁データ:平均気温23.5℃、最高気温31.0℃、最低気温18.3℃、
     平均風速1.0m/s、最大瞬間風速7.1m/s、最多風向:北北東、日照時間9.6h
【地形図】1:25,000 平瀬(ひらせ) 平成12年修正測量
          鳩谷(はとがや) 平成12年修正測量
【スタイル】皮登山靴zamberlanフジヤマ、薄手ショートソックス+厚手ショートソックス、MILLETザック、眼鏡、
 mont bellズボン(中国製 ナイロン100%)、タオル、
 綿55%・ポリエステル30%・レーヨン15%トランクス(中国製)、黒色ウェストバッグ、
 DUNLOP Tシャツ(ポリエステル(ダクロンQD)70%・綿30%)、腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、
 デジタルカメラ:MINOLTA DiMAGE7、KONICAMINOLTA αSweet DIGITAL(共に首に下げて歩く)
【所持飲料】幸香園 緑茶 500ml(楽天市場)(完飲)、アクエリアス 500ml(完飲)、
 ボルヴィック フルーツキス Lemon 500ml(約150ml飲む)、サントリービタミンウォーター500ml(飲まず)
 2日前の木曜に、この時季の籾糠山を訪ねてみようと思いつき、前日の金曜昼休みに鷲見さんと散歩をしているときに、そのことを言うと、一緒に行きたいと言います。ということで出かけることになりました。

 前夜は仕事を早く切り上げることもできず、睡眠時間は若干不足気味です。ただ年齢のせいか、朝起きるのがそれほど苦痛ではなくなっています。鷲見さんも前夜は焼肉を食べに行ったようで、睡眠不足のようです。

 天気予報もわからない状態だったので、調べてみると、夜間は雨のようです。でも朝には上がるようで、なんとか出かけることはできそうです。山の天気だから、悪いままかもしれませんが、そんなときは白川郷の散策でもいいということにしておきます。そんな会話を鷲見さんが前夜帰宅してからかかってきた電話で確認しました。

 朝5時に起きて、鷲見さんにモーニングコールを入れてから準備をします。パスコ 棒チョコバナナデニッシュを1つ食べてから、5時35分に出発します。鷲見さん家に着くと、鷲見さんもほぼ準備ができていました。

 私の車で出発します。音羽蒲郡ICから東名高速に乗り、東海環状道経由で東海北陸道に入ります。東海環状道では、一瞬強い雨が降りますが、長くは続きません。ひるがの高原SAで休憩し、鷲見さんはラーメンを、私はうどんを食べます。それほど塩分などは多く入っていないためか、あまり喉が渇くこともありませんでした。また、サークルKひるがの高原SA店で昼食を購入します。さらに、セルフの昭和シェル石油(コーナンフリート)でガソリンも満タンにしておきます。24.8L入り、\3,224(\130/L)でした。

 前回、籾糠山を訪ねたときは、荘川ICまでしか開通しておらず、荘川ICで下りましたが、2008年7月に全線開通していますので、白川郷ICまで行くことにします。距離だけで言えば、荘川ICで下りて国道156号線で行った方が近いのですが、国道はくねくね曲がっていて、意外と時間がかかります。高速は飛騨清見の方へ迂回していきますので、かなり遠回りのようですが、高速だけあって時間的には早く着けると思います。白川郷ICは天生峠へ向かう国道360号線への入口よりも北にあり、行き過ぎの位置にありますが、大した距離ではなく、インターを下りてからすぐに天生峠へ向かうことができます。それに、開通した区間を走ってみたいという気持ちもあります。

 10.710kmもある飛騨トンネルは関越トンネルに次ぐ日本で二番目に長い道路トンネルなのだそうです。それは、『-秘境を貫く- 飛騨トンネルの物語』(中日本高速道路株式会社)(amazon.co.jp)という本にも書かれているようです。そして実際に通りました。確かに長いです。中央道の恵那山トンネルも長いと感じますが、それよりも1ランク長い感じがしました。恵那山トンネルは第4位で上り線の方が長く8.649mとのことです。籾糠山の真下を通る飛騨トンネルは、「掘っても掘ってもぬかる籾(もみ)の山」と言われたそうです。そして「天生太郎」というTBM(トンネル・ボーリング・マシン)もお釈迦となりました。そうそう、8日後にせまった総選挙を前に、一文字違いの首相が聞いたら、縁起でもない、なんて言うかもしれません。また、トンネルからは大量の水がわき出るため、中日本高速は2009年9月18日に、来秋からこの水で水力発電をし、トンネル内の照明に使う、と発表しました。電気代の節約をうたっているようですが、湧き水による湿原の干上がりなどの問題はないのでしょうか。

 白川郷ICを下りて、少し南下して白川郷北端の交差点付近に行きます。国道360号線は左に鋭角に曲がらなければなりません。それに信号もなく、少し南に白川郷の信号交差点があります。なので国道360号線への分岐を曲がるタイミングを逸してしまい、白川郷北端の交差点を越えてからUターンしました。

 国道360号線は道幅の狭い国道ですが、意外に最初のうちはすれ違う車がありました。登っていくと、ほとんど車は通らないようになります。そして途中の天生大滝と白山展望台で写真を撮ります。滝からは水しぶきが光に反射していました。滝の近くだからか、涼しさもかなり感じられました。白山の展望はばっちりで、雪渓がわずかに残っているのも見えました。



天生大滝



白山展望台からの白山連峰

 天生峠の駐車場はガラガラです。上部の駐車場に駐車し、登山口で500円(天生県立自然公園森林環境整備推進協力金)を払って入山します。係員は、今はあまり花がない、と言います。それでも咲いている少ない花の種類を教えてもらい、出発します。



天生湿原へ向かう登り



剱岳・立山・薬師岳方面を見る

 天生湿原にはオオシラヒゲソウが咲いていました。最初に見かけたところではロープ内に踏み込んだ跡もありました。しかし、先にはいくらでも咲いています。登山道脇すぐのところにも咲いていて、被写体に困ることはありません。この花が見られただけでも来た甲斐がありました。

 その後は、「カラ谷登山道」で山道を登ります。風もほとんどなく、暑さを感じる箇所もありますが、9日前に登った明神山(記録)ではズボンまで汗でびしょびしょだったことを考えると、全然違います。タオルを首にかけていますが、首に接している部分が湿る程度なので、しれています。



カツラ門



コケなどの生えた幹



薬師岳望遠

 途中で休憩すると、鷲見さんは眠そうにして昼寝体勢になったりしますが、せめて山頂まで行きたいところです。促して、山頂まで登ります。山頂からは槍ヶ岳も見えます。双眼鏡で確認すると、しっかり小槍まで見えました。



籾糠山三等三角点



背後(南西)には大瀬戸谷を隔てて籾糠山より130mほど高い猿ヶ馬場山が立ちはだかる

 昼食は、ひるがの高原SAで買ったおにぎり3つ(うめ\110、ツナマヨネーズ\105、辛子明太子\140)を食べます。鷲見さんは早速、タオルを顔をかけて昼寝体勢です。私は何枚か写真を撮ります。気温は20℃。避暑としては申し分ありません。ただ日差しがあると少し暑く感じます。天気予報の雨はないどころか、登山口からずっと晴れています。こんなに天気がいいのは予想外ですが、嬉しいことです。

 下りは「ブナ探勝路」を通ります。前回は、「木平探勝路」を下りましたが、登山口の係員の話では木平湿原には特に見るものもないというのと、下りのお勧めは「ブナ探勝路」だというのに従いました。ただ、お勧めの理由は大回りにならないから、というのが大きいのだろうと思われますが。でも、通ったことがないルートなので、一度は歩いてみたいと思っていたので、ちょうどいいと思いました。

 尾根の下りでそれほど魅力はありませんが、ブナ原生林やトチの巨木があります。鷲見さんは巨木好きとのことで、このルートを選択するのに異論はありませんでした。

 ミズバショウ群生地にも寄ります。もちろんミズバショウは咲いていませんが、何か咲いているかもしれません。鷲見さんはまた昼寝体勢です。木陰になったベンチもあり、昼寝には最適です。ブナの大木の下で昼寝できるなんて最高です。私は周りを歩いて写真を撮ります。ゆったりとした昼寝に比べたら貧乏性に思えてしまいますが、せっかく来たのだからあちこち見たいという気持ちがあります。登山道沿いもそうでしたが、ここもカニコウモリが多く咲いていました。結局、係員の言っていた、「花はあまり咲いていない」というのは、「春に比べて」ということなのでしょう。ただ、見せてもらった、「咲いている花リスト」に載っていない花も何種類も見られました。「アザミは1種類しか咲いていない」とも聞きましたが、少なくとも2種類は咲いていました。



天生湿原

 登山口に戻ると車が何台か駐車場にありました。何人かは山に入ったようですが、結局、我々は誰にも遭遇しませんでした。暑い時季とはいえ、ここまで閑散としているとは思いませんでした。



閑散とした天生峠の駐車場

 下山後は、白川郷に寄ります。まずは城山展望台から白川郷を俯瞰します。前回も訪れましたが、お勧めです。鷲見さんも気に入ってくれました。ただ、店があったりしてちょっと俗っぽいところがあるのは山好きからするとマイナスポイントかもしれませんが。



城山展望台から白川郷俯瞰

 白川郷に入り、まずは温泉です。「白川郷の湯」に入ります。その後、白川郷の散策をします。車で通り過ぎたことはありましたが、歩いて散策するのは私も鷲見さんも初めてです。既に陽は山の向こうに沈んでいて、明るいものの、暑さは去ったようで、湯上りでもほとんど汗はかきませんでした。稲が穂を垂れ、ススキの穂も出てきています。鷲見さんが通りがかりの地元の年輩の人と話をしたところによると、冷夏でも最近は稲の品質が良いから収穫は大丈夫だろうとのこと。何年か前に米不足なんて騒いでいましたが、今はそんな騒ぎも起こりえないみたいです。

 荘川ICから高速に乗りますが、ひるがの高原SAは満車で、SA入口付近に列ができています。うとうとしている鷲見さんにも同意を得て、パスします。そして音羽蒲郡ICで下ります。通常料金\5,400が\1,000です。往復では\10,800が\2,000です。割引がない場合に比べ、\8,800も得したことになります。ただし、交通量は確実に増加しているでしょう。それでも今回は大した混雑にも巻き込まれずに済みましたし、交通量が増えればやたらと飛ばす車も減って安全性も向上し、燃費も向上し、環境にもいいでしょう。今後、民主党政権になり、高速道路無料化が実現されたらまた状況は少し変わるかもしれませんが。

 さらに、一人で行くつもりだったのが、鷲見さんと二人でガソリン代などを折半できたので、さらに安く済みました。

 結局、豊川に着いてから夜21時過ぎに「中国料理 九龍居」という店に入りましたが、途中のSAで夕食をとるより、ここの方がたぶんおいしいでしょうから、結果的には正解でした。夜22時まではやっているだろうと鷲見さんがちょっと自信なさげに言っていましたが、深夜2時までやっているようで、しかも結構客も入っていました。従業員は中国人のようで、メニューも多く、王将のようなイメージですが、王将よりも量が多く、値段は安いようでした。

 *名前は本人の了解を得て載せています。

 見かけた動物
  ホンドリス、ウグイス(声)

 見かけた花
 オオシラヒゲソウ、ヒダキセルアザミ、アキノキリンソウ、サラシナショウマ、マルバダケブキ、タマガワホトトギス、ソバナ、ハクサンカメバヒキオコシ、シロバナハクサンカメバヒキオコシ、カニコウモリ、オオコウモリ、ヤマトリカブト、ワレモコウ、エゾリンドウ、ツルリンドウ、ウメバチソウ、ミヤマタニタデ、サワオトギリ、ミゾソバ、ノブキ、ヤマアジサイ、ノリウツギ、イワガラミ、ウド、リョウブ、ホツツジ


【籾糠山が紹介されている主な書籍等】

『中部の山々 その2』(財団法人東海財団)平成14年3月
  6ページに渡り、オオシラヒゲソウなど、さまざまな生物の紹介があります。

『天生県立自然公園』(天生県立自然公園協議会事務局)
  「籾糠山・天生湿原 探勝マップ」が載っているパンフレットです。

『ぎふ百山』(岐阜日日新聞社)昭和62年7月15日復刻発行
  左甚五郎伝説による山名由来などが記載されています。

『朝日新聞』1999年9月18日版「ふるさと山自慢 籾糠山」
  「飛騨高地の中でも紅葉の美しい山として知られている」との記述があります。

『朝日新聞』2009年9月19日版「飛騨トンネルで水力発電」
  湧き水の量は、名古屋市千種区の1日の使用量に相当するらしい。

『新日本山岳誌』(ナカニシヤ出版)2005年11月15日第1版第1刷発行
  壊滅した天生金山の紹介もあります。

『コンサイス日本山名辞典修訂版』(三省堂)1989年9月1日第6刷
  左甚五郎伝説による山名由来などが記載されています。

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