明神山 薄雪 上空に今期一番の強い寒気が流れ込むという予報にわくわくし、前日換えたスタッドレスタイヤで出かけました。
【山 名】明神山(みょうじんさん、みょうじんやま)(三ッ瀬明神山、大明神) 【三角点】三等 1015.96m 点名:明神山 所在地:愛知県新城市本郷字大洞6番 【山 域】奥三河(設楽山地) 天竜奥三河国定公園 【所在地】愛知県新城市(2005年9月30日までは南設楽郡鳳来町)・北設楽郡東栄町 【山行日】2005年12月18日(日曜日) 【行 程】乳岩(ちいわ)道往復 豊川 ==(45.9km)== 乳岩登山口 ---- 一服の岩 ---- 鬼石 ---- 鬼岩乗越 ---- 胸突八丁ノ頭 -- 7:40 8:59-9:05 9:39-9:45 10:14 10:24 10:54-11:06 -- 三ッ瀬分岐 ---- 明神山 ---- 三ッ瀬分岐 ---- 胸突八丁ノ頭 ---- 鬼岩乗越 ---- 鬼石 -- 11:14 11:50-12:28 13:06-13:11 13:24 13:46-13:49 13:56 -- 一服の岩 ---- 乳岩登山口 ==== 湯谷温泉 ==== 豊川 (合計走行距離:92.5km) 14:24-14:27 15:00-15:08 15:23-16:17 17:17 【所要時間】5時間55分 (登り:2時間45分、下り:2時間32分)(含休憩) 【標高差】約820m 【人 数】1人(単独) 【天 候】晴時々風花のち曇のち小雪のち雪 0℃(自宅出発時)、−1℃(9:40頃)、−5℃(11:00頃)、−6℃・−7.5℃(山頂)、 −5℃(13:10頃)、−2℃(13:46頃)、+2℃(下山時)、+1℃(帰宅時) (12月18日新城の気象庁データより:降水量1mm、平均気温0.9℃、最高気温4.8℃、最低気温-2.0℃、 平均風速3.4m/s、最大風速6m、最大風速の風向:西北西) 【地形図】1:25,000 三河本郷(みかわほんごう) 平成10年部分修正測量 (所持のみで使用せず) 【スタイル】皮登山靴zamberlanフジヤマ、厚手靴下2枚重ね、PHENIX化繊ズボン、綿下着パンツ、 アシックス長袖化繊下着シャツ、LARK長袖シャツ(ウール80%、ナイロン20%)、 フリース(TARAS BOULBA POLARTEC ポリエステル100%)(休憩時のみ着用)、 手袋(出だしと上部で使用)ダブルストック(SHINANO TELEMARK 2T)、MILLETザック、 腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、デジタルカメラ:MINOLTA DiMAGE7(首に下げて歩く) (軽アイゼンは所持のみで使用せず、サングラスは所持もせず) 【所持飲料】0.47Lテルモスに烏龍茶、水1L(ラーメン用)、TaKaRa駄菓子屋さんのみかん水500ml(約450ml飲む)雪の具合によっては裏山程度にしようとも思っていましたが、朝起きてみると晴れ。それじゃ予定通り明神山まで行こうと、それほど朝早くはないけれど、出かけることにしました。出発しようと外に出ると風花が舞っている。北の方はどうだろうか、やはり明神山の上の方は雪雲の中だろうか。
途中のローソンでクレジットカードのキャンペーンで当選した500円分のQUOカードも使ってカップラーメンなどを買う。新城へと向かう県道は凍結しているように見える。朝早くないので、のろのろ運転の車がほとんどで、なかなか時間稼ぎができない。新城市内に入っても同じ状況。不安定に横滑りしている車もいる。冬場でもあまり積雪のない土地なので、雪道に慣れていないだけでなく、スタッドレスタイヤもはかないのだ。国道では塩カリを撒いていた。
自分の前に車がいなくなったのは、川合の集落に入ってしばらくしてから。細い山道だが、以外に積雪は少ない。登山口の駐車場に着くと、意外や車が何台もとまっていた。
登山口の駐車場にはうっすらと積雪がある程度歩き出しは乳岩峡の板敷。つまり岩盤の上を歩く。凍っているので注意深く歩いていく。『朝日新聞』1999年5月1日版「ふるさと山自慢 明神山」では、この乳岩峡の凝灰岩の川床が「乳白色に映っている」、という記述があり、乳岩の名の由来はこの色かと思ってしまいそうですが、私の認識している限りでは、鍾乳石の形が乳房に似ているからだと、どこかで見たか聞いたかした記憶があります。また、岩質も正確には「流紋岩質凝灰岩」なのだそうです。
今の時期はさすがに花は咲いていないので、アラカシなど、木の葉や雪景色を撮りながら進む。鬼石(鬼岩)にもさすがにクライマーはいない。
雪景色の乳岩峡にかかる橋
登山道から乳岩を仰ぐ
鬼岩(鬼石)を見上げる
思いっきりルーフになった岩は確か「雨宿り岩」と言ったと思いますが、クライマーはたぶん「ハイカラ岩」と呼んでいる岩でしょう鬼岩乗越に着くと、目の前に岩峰が見える。それは胸突八丁ノ頭あたりなのだが、そのときはあまり深く考えず、今いる場所が三ッ瀬ルートとの分岐点のピークのような気がしていた。そこから目の前には展望は開けないはずだが、そのときは冬で葉が落ちて見通しがよくなったのだろうか、そして目の前のピークは明神山だろうか、と漠然と思い、ここを左に行きかけた。でもすぐに雰囲気が違うことに気づいてはっとした。勘違いというよりは何も考えていなかったよう。久しぶりに明神山に来て雰囲気を忘れかけていたのか、寒さで頭がボーっとしていたのか、滑らないように足元ばかり気にしていて、現在地の確認にまで頭が回らなかったか、それとも仕事が忙しく頭の回転が鈍っていたのか、とにかくボケていた。ちょっと言い訳もしたい。明神山はところどころに植林があり、植生から標高を判断しづらいのだ。三ッ瀬ルート分岐点は植林の中で、鬼岩乗越よりも高度があるのだが、全く高度を感じないのである。だから違和感もあるのだ。
鬼岩乗越から胸突八丁ノ頭を見る。手前の斜面は伐採されていて見通しがいい。岩場が出てきて、ロープも垂れ下がっていたりするようになる。ここにも雪が付着していてちょっと緊張して登る。先行者の人数が多いようで、雪は固められ、余計滑りやすくなってもいる。ホソバシャクナゲの長い葉を見る。胸突八丁を登り休憩。腹も減ってパワーも出なくなってきている。どらやきを食べる。カイナンサラサドウダンの木を見る。
登山道の岩の上には木の根と雪。根には手がかりの紐もぶら下がっているが見づらい。
新鮮な雪の上の糞。どんな動物のものなのでしょうか?
胸突八丁ノ頭からなだらかな宇連山を見る。手前にはあまり水のない鳳来湖が茶色く見える。ここからさらに登り、ようやく三ッ瀬ルートとの分岐点に着く。三ッ瀬方面からも踏み跡があった。単独行者が山頂方面から来た。少し言葉を交わす。上には2パーティいて、1パーティは20人ほどだという。
さて、鎖場、梯子場はここから出てくる。鎖があるとはいえ、雪の付いた岩に手袋なので、冬の岩場を登る雰囲気は少しある。しかも足場は前傾していたりして、どこに足を置いていいのか、すぐには決められなかったりする。鎖もそんなに大きなものではないので、手袋だと滑りやすい。
鎖のある最初の岩場
振り返ると遠く遠州灘が冬の日光を反射している梯子場の前で前を行く20人ほどのパーティに追いつく。梯子場の順番待ちのようである。遠慮はしたが、先に行ってくれというので、間に入れてもらう。梯子を登るのは別に難しくないが、一番上がちょっと緊張する。梯子の最後の段から岩に移るところが傾斜していて滑りそうなのだ。短いロープもあり、それを持ちながら慎重に登る。そこから横に馬の背岩が続く。岩の痩せ尾根に雪が乗っている。シチュエーションとしては最高に緊張する場面だが、ここはそれほど難しくはない。痩せ尾根といってもある程度幅があるし、大した傾斜もないのだ。
馬の背岩の上を行く先行者山頂には別のパーティが日なたでぜんざいなどを食べていた。私は一人なので、後ろのパーティが来ても邪魔にならないだろう展望台の脇に腰を下ろすことにする。しかしその前に、まずは展望台に上がって展望を楽しむ。遠くはさすがに雪雲に覆われているようだが、ある程度の距離までは雪を頂いた山々が見渡せた。
山頂展望台の上
大鈴山・鹿島山・岩古谷山・平山明神山方面を見る
こんな記念プレートが目立たず取り付けられていました20人パーティは結局少し戻った日なたで昼食とするようだ。私は特にどうしても日なたに座りたいと思うほど寒さを感じなかったので、そのまま日陰でお湯を沸かす。しかしお湯がなかなか沸かない。カートリッジのガスが少ないからなのだろうか、雪の上に直接カートリッジを置いたからというのもあるだろうが、それにしても火力が弱い。しかも途中で一度火が消えてしまった。そんなに強い風というほどでもないのに。仕方ないので、コッフェルを持ち上げてたまにカートリッジを揺すって火力を増す。そんなことをしながら何とか沸騰する近くまで温め、カップヌードルに湯を注いだ。
下り始めると20人パーティが登山道にもあふれて休憩していた。そこを通らせてもらう。軽アイゼンを着けている人もいた。私はそこまで必要はないと思ってそのまま。滑りやすいのだが、ダブルストックだし、木などをつかみながら下れば大丈夫だろうと思ったからだ。
九合目だったか、登山道は巻き道になっているが尾根も通れる。下りはそこを行く。最後、登山道に合流するところは岩場である。手袋をしての下降は今回一番緊張したところだった。
山頂付近の岩の痩せ尾根
馬の背岩を振り返る
馬の背岩上と梯子場の間の斜面を振り返る
馬の背岩へ上がる梯子を振り返る
鎖場を見下ろす
六合目三ッ瀬分岐にある古びた看板。すぐ横には「境界見出標 名古屋営林局」の新しいプレートも。下の方まで来ると登るときには雪が付いていたところも融けているところが多い。何となく安心して下っていたら、こけた。1回目は手をついただけだったが、2回目は砂利で滑って尻もちでなくザックもちとなってしまった。タカノツメ、シロモジ、コナラなど、落ち葉も多い。鬼岩を過ぎると、ユズリハの幼木も見られた。
登山口が近づいてきた頃、雪が降り始めた。知らない間に晴れ間がなくなり、小雪が舞い始めたと思ったら、徐々に降雪量も増えてきた。下山するとパーティの車はない。どうやら20人パーティが三ッ瀬から登ってきたパーティだったようだ。
下山後は久しぶりに湯谷温泉のゆ〜ゆ〜ありいなに寄った。雪の中の露天風呂はやはりいい。
明神山の容姿は、岩古谷山の記録に写真があります。
【明神山が紹介されている本】 『わたしたちの明神山』(東三河山ぽ会編)1994年7月10日発行 明神山23コースのうち、乳岩道は第1番目のコースとして紹介されています。 『分県登山ガイド22 愛知県の山』(山と溪谷社)1995年9月25日初版第1刷 三ツ瀬コースとは別ページで乳岩コースが紹介されています。 『名古屋周辺 続 山旅徹底ガイド 裏木曽/東濃/奥三河』(中日新聞本社)1996年3月6日発行 下山路として乳岩コースが紹介されています。 『こんなに楽しい愛知の100山』(風媒社)1991年5月1日改訂第1刷 サブコースとして乳岩コースが上級者向きとして紹介されています。 『ワンデルングガイド10愛知県の山』(岳洋社)平成4年6月13日2版発行 下山路として乳岩コースが紹介されています。 『三遠信の山歩き』(風媒社)1998年7月5日第1刷 下山路として乳岩コースが紹介されています。 『こんなに楽しい愛知の130山』(風媒社)1999年10月8日第1刷 主には三ッ瀬登山道(南登山道)の紹介ですが、概念図を含め乳岩コースも紹介されています。 『朝日新聞』1999年5月1日版「ふるさと山自慢 明神山」 下山路として乳岩コースが紹介されています。 『名古屋からの山なみ 東山スカイタワー基点』(中日新聞本社)1991年6月1日発行 乳岩ルートを南ルートとも呼んでいます。 amazon.co.jpで購入できます→名古屋からの山なみ 『マイカー登山ベスト30東海版』(七賢出版)1994年7月20日第1刷発行 三ツ瀬コースが紹介されています。 『渓谷と山を訪ねて 東海ベストハイク』(七賢出版)1995年5月7日第1刷発行 闇苅渓谷側 乳岩峡からシャクナゲ遊歩道の紹介がメインですが、乳岩道も中級者向けコースとして紹介されています。 改訂版はここから購入できます→amazon.co.jp 渓谷と山を訪ねて 楽天ブックス 渓谷と山を訪ねて改訂版 『日本の山1000』(山と溪谷社)1992年12月1日2刷 堤石峠から撮った明神山のカラー写真が載っています。 『新日本山岳誌』(ナカニシヤ出版)2005年11月15日第1版第1刷発行 乳岩コースを含む3コースの名、モノクロ写真、概念図が載っています。
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