オオバヤシャブシ 大葉夜叉五倍子
Alnus sieboldiana Matsum.
カバノキ科 カバノキ連 ハンノキ属 ヤシャブシ亜属

 

果穂・花穂 東三河 宮路山 2006.11.26

 福島県から和歌山県までの太平洋岸と八丈島が分布域となっていますが、空中窒素固定能力(空気中の窒素を養分として取り込む能力)があり、やせ地でもよく育つため、法面などの緑化によく植栽されていることがあるようです。写真も未舗装の林道脇に生えていたものです。一方、花粉症の原因ともなっているそうです。

 枝は灰褐色で、皮目が多く目立ちます。果穂(かすい)の写真の左には先の尖った葉芽(ようが)が見えます。

 同じヤシャブシ亜属には、他にヤシャブシ、ヒメヤシャブシなどがあります。いずれも葉には多くの真っ直ぐな葉脈があるのが目立ちます。葉の大きさは、オオバヤシャブシ>ヤシャブシ>ヒメヤシャブシとなります。オオバヤシャブシの葉の長さが6〜12cmであり、他の2種は5〜10cmで、さらにヒメヤシャブシはヤシャブシよりも幅が狭く、細長い形になります。側脈はオオバヤシャブシが12〜16対、ヤシャブシは13〜17対、そしてヒメヤシャブシは20〜26対あります。葉の縁は重鋸歯になっています。

 また、果実(果穂)はオオバヤシャブシがほとんど1個ずつつくのに対し、ヤシャブシは1〜2個ずつつく場合が多く、ヒメヤシャブシでは小形の果実が3〜6個ずつつきます。さらに、写真のようにオオバヤシャブシの雄花の穂の芽は粘着質で葉芽より下につくのに対し、ヤシャブシ、ヒメヤシャブシは枝先につきます。写真の枝先にわずかに顔をのぞかせて写っているのは葉芽と雌花の穂の芽だと思います。

 参考:『葉で見わける樹木』(小学館)、『日本の野生植物 木本』(平凡社)

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