オサバグサ 筬葉草
Pteridophyllum racemosum Siebold et Zucc.
双子葉植物綱 モクレン亜綱 ケシ目 ケシ科 オサバグサ属
 

 



 

 

 

 

葉・花・刮ハ 北信 黒姫山 2010.8.3


 登山道を歩いていて、最初に葉が目につきました。シシガシラのような葉ですが、小さめで綺麗なシダだなあ、と思いました。思わず葉を裏返して胞子嚢があるか確認してしまいました。もう少し歩いていくと、今度は輪生状に広がる葉の中央から胞子葉のようなものが延びています。そして丸い玉のようなものがところどころに付いています。おもしろい胞子葉だなあ、と思いました。ところが、さらに歩いていくと、なんと白い花が一輪咲いているではありませんか。シダではなかったのです。胞子葉と思っていたのは、花茎で、丸い玉のようなものは果実だったのです。ということは、これがオサバグサと呼ばれている花なのか、と。思っていたよりも花は小さく感じました。もう終盤でほとんど花が終わっていて、果実になっていたから、余計に小さく見えたのかもしれません。

 妙高・戸隠山群では、黒姫山だけに自生しているとのことです。そんなことも知らずに黒姫山に登ったわけですが、花の時期には少し遅いながらも、花が残っていて、それを見ることができて、とてもラッキーでした。黒姫山にはいくつかの湿地があり、そこの花を多少期待して登ったのはありますが、それ以上の期待はあまり無かっただけに嬉しい誤算でした。

 オサバグサは一属一種で、しかも日本特産種かつ日本特産属とのことです。葉は根生し、表面にはあらい毛があります。櫛歯状に深く裂ける葉が機織りの部品である筬(おさ)に似ていることから名づけられたとのことです。花弁は4枚。刮ハは扁平な円形で、中に2個の種子が入っています。

 本州中北部の亜高山帯の針葉樹林内に自生します。よって、基本的には暗い中なので、写真を撮るのもなかなかうまくいきません。

 『日本の野生植物 草本』II(平凡社)や『信州高山高原の花』(信濃毎日新聞社)に載っている写真は八ヶ岳で撮影されたものです。

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