三遠信の山歩き 三河・遠州・南信州の55コース 『こんなに楽しい愛知の100山』(風媒社)を出したあつた勤労者山岳会に所属する2名が著したガイドブックです。なんと言ってもその最大の特徴は、三遠南信地域の山をまとめたことでしょう。三遠南信とは、三河、遠江、南信濃のことであり、現在の行政上で言えば、愛知県東部、静岡県西部、長野県南部です。
「はじめに」でも書かれていますが、この地域は、昔から結びつきが強く、三遠信あるいは三遠南信と呼ばれています。ところが行政上は愛知・静岡・長野と分かれているため、何かと情報が分断されることがあります。山のガイドブックでも例に漏れず、県別のガイドブックはいくつかあります。しかし、実際には例えば豊橋周辺の人は尾張(愛知県西部)の低山に出かけるよりは、南信の大川入山に出かけることの方が多いような気がしますし、同じ低山でも、遠州の尉ヶ峰に出かける人の方が多いでしょう。また、奥三河の山では、浜松ナンバーの車を頻繁に見かけます。逆に、この三遠南信地域の本がないために、すぐ隣の県にいい山があるのに、県別のガイドブックで、わざわざ遠いところの低山に出かけてしまうということもあるかもしれません。
いずれにしても三遠南信地域の山を集めたことは利用者にとって、非常にありがたく、利用価値の高いガイドブックであると思います。よくぞ出してくれたと感謝したいと思います。また、この地域をまとめるという発想は、出てしまえばごく当然のように思えますが、最初はなかなか思いつかないことだとも思います。ひょっとしたら浜松生まれで名古屋勤務だった中津川哲司氏だったからこそこういう本が生まれたのかもしれないと想像します。ただ、3つの地域のうち、南信州13コース、遠州31コース、三河11コースと遠州が圧倒的に多いのは浜松周辺の登山者をメインに考えているのでしょうか。
紹介されている山は以下の通り。
●南信州
守屋山、霧訪山、経ケ岳、高烏谷山、戸倉山、西駒ケ岳、陣馬形山、風越山、富士見台、鬼面山、小川路峠・卯月山、尾高山・御池山、大川入山・蛇峠山
●遠州
熊伏山、観音山、大津峠、常光寺山、大洞山、矢岳山、麻布山〜前黒法師山、竜頭山、橿山〜戸口山、秋葉山(表登山道)、秋葉山(裏登山道)、光明山、観音山、三岳山、竜ケ石山、尉ケ峰、神石山、前黒法師岳、朝日岳、沢口山、蕎麦粒山、大札山、京丸山、岩岳山、春埜山〜大日山、八高山、神尾山〜経塚山、粟ケ岳、本宮山、小笠山、高天神山・楞厳地山
●三河
八嶽山、日本ケ塚山、茶臼山、明神山(三ッ瀬明神山)、平山明神山〜大鈴山〜鹿島山、宇連山、鳳来寺山、本宮山、石巻山・神石山、宮路山脈縦走(宮路山・五井山・御堂山・砥神山)、大山
【著者】小谷哲治、中津川哲司
【発行所】風媒社
1998年7月5日 第一刷発行
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