シモバシラ(ユキヨセソウ) 霜柱(雪寄草)
Keiskea japonica Miq.
シソ科 オドリコソウ亜科 シモバシラ属
 

 



 

花 東三河 2008.10.5

 シモバシラの花をまだ見たことがなく、ようやく知人に教えてもらい、出会えました。山奥ではなく、舗装道路脇に無造作に生えていたのには驚きました。ただ、写真で見て、ハルトラノオのような可憐な雰囲気を想像していたのですが、実際には、何となく垢抜けない感じで、全体の雰囲気としては、決して美しいとは言えない感じでした。でも、やはり花は綺麗だと思います。

 雄蕊が4本と雌蕊が1本、花から長く突き出ているのも大きな特徴です。また4本の雄蕊のうち、下の2本がより長く突き出ています。萼は鐘形で5中裂します。

 花は基本的に白色ですが、中にはピンク色を帯びたように見えるものもありました。ウスベニシモバシラという品種も知られているようですが、写真のものはどうなのでしょう?


 

 

 

冬 東三河 2010.2.6

 2010年も2月に入り、もう今シーズンは氷をつけたシモバシラは見られないだろうな、とあきらめかけていたとき、冷え込みが再来し、雪まで降った朝がちょうど土曜日に訪れ、車を走らせました。ところが積雪量は目的地に近づくと徐々に減っていきました。目的地ではうっすらと積雪があった程度で、写真では、茎から出た氷の上や周辺にわずかに雪も写っています。

 目的地についたとき、すぐには見つけられませんでした。それまで、氷のついたシモバシラを見たことがなかったので、その雰囲気や氷の大きさを知らなかったのです。冷え込みもそれほどでもなく、氷もそれほど発達しなかったのもあるかと思われますが、それでも想像よりは小さかったし、根元付近にわずかしかついていないため、すぐには目に入らなかったのでしょう。個体数も少なくなったのかもしれません。でも、すぐにはあきらめずしばらく探して、見つけることができ、シモバシラのシモバシラらしい姿を見ることができました。写真を撮っている間、他には誰も訪れませんでした。

 萼の写真も2枚ありますが、ちょっと雰囲気に差があるように見えます。個体差なのか、同じ個体内でもつく場所によって差があるのでしょうか。

 シモバシラの名は、冬に茎から出る水が凍りついて霜柱のようになるからです。なお、この現象は、シモバシラに限ったものではなく、他のシソ科の植物やキク科の植物でも見られます。

 シモバシラ属の学名、"Keiskea" は、明治時代の本草学者である名古屋出身の伊藤圭介氏の名前からです。

 参考:『日本の野生植物 草本』III 新装版(平凡社)によると、分布は、本州(関東以西)〜九州となっています。

Wander!花・植物

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送