棚山 岩上の御料局三角点

 前夜のしげさん(チャレンジハイクin愛知)からのお誘いで貴重な体験ができました。
【山 名】棚山(双瀬(ならぜ)山) 760m
【三角点】点名:玖老勢村1(くろぜむら1) 三等 標高:687.58m(明治20年7月18日選点)
      所在地:愛知県新城市副川(ふくがわ)字大石ノ入25−86、87
【山 域】奥三河(設楽山地) 天竜奥三河国定公園
【所在地】愛知県新城市(2005年9月30日までは南設楽郡鳳来町)
【山行日】2006年1月29日(日曜日)
【行 程】川売奥から周回
  豊川 ==(R151)== 長篠 ==== 長篠駅 ==== 棚山林道駐車地 ---- 林道ゲート ---- 林道分岐 --
  8:45                                                       11:09           11:33
  -- 稜線(界八三支二)---- 御料局三角点 ---- 棚山(界九○)---- 岩(界九一支二)---- 界九二 --
      11:44                 12:03-12:47        13:22                     -13:51       13:58
  -- 界九四 ---- 鳳来寺山分岐(界一) ---- 三角点 ---- 瀬戸岩分岐(界五)---- 瀬戸岩(昼食)--
     14:02         14:14 - 14:26         14:31-14:41     14:50                 14:52-15:04
  -- 林道ゲート ---- 棚山林道駐車地 ==== 長篠 ==(28.5km)== 豊川
      15:36           15:40             -16:36            17:24
【所要時間】約4時間35分(含休憩)
【人数】6人
【標高差】約210m
【天 候】晴のち快晴 3℃(自宅出発時)、10℃(御料局三角点)、8℃(帰宅時)
 (1月29日新城の気象庁データ:平均気温3.7℃、最高気温12.7℃、最低気温-3.3℃、平均風速1.2m/s、
                最大風速3m/s、最大風速の風向:南南西)
【使用地形図】1:25,000 海老(えび) 平成13年修正測量
【スタイル】ミズノ運動靴、PHENIX化繊ズボン、綿100%Tシャツ、綿100%長袖シャツ、
      フリース(TARAS BOULBA POLARTEC ポリエステル100%)(一部脱ぐ)、MILLETザック、
      腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、デジタルカメラ:MINOLTA DiMAGE7(首に下げて歩く)
【飲 料】キリン生茶900ml(約200ml飲む)、ポッカキレートレモンデイケアウォーター500ml(約100ml飲む)、
     0.47Lテルモスにホット烏龍茶(飲まず)
 Holdenさんのサイト(愛知アルプス山行記)で宮標石のコーナーがあり(その後、宮標石倶楽部として独立)、ちょっと興味を持ち始めた頃、灰野坂(記録)で宮標石を見つけ(以前から知っていたがそれが宮標石だという認識はあまりなかった)、Holdenさんのサイトの掲示板に書き込み、翌週の土曜日には、弓張山系の金山に登り、しげさんの宮標石の記録を思い出して、その報告になかった新たな宮標石を見つけ、その夜に掲示板に書き込んだ。すると、しげさんがその書き込みに気づき、メールでのお誘いをいただきました。メールの差し出しが23時頃。そのメールに気づき、返信をしたのが23時50分頃でした。参加者を見ると、しげさんの他、Holdenさん、縄文人さん(縄文人の山日記)、里子さん、主賓の測量標石研究家の上西さん(三角点の探訪)の計5人。しげさん、Holdenさん、縄文人さんとは、相互リンクをさせていただいていたり、さらに里子さんを含めて、Holdenさんの掲示板でコメントを頂いたり、メールのやりとりも少ししていました。里子さん、縄文人さんとは、愛知労山に加盟する山岳会の仲間でもあります。このメンバーなら挨拶だけでもしなければ、と参加の決意をしました。上西さんのことは知らなかったのですが、三角点について、かなり専門的な方だということで、興味深い話も聞けるのではないかという期待もしました。

 翌朝、長篠でしげさんと会い、初めましての挨拶としばしのおしゃべり。時間がきたのでしげさんの車で本長篠駅に向かい、Holdenさん、縄文人さん、里子さん、上西さんと初対面。Holdenさんの車と2台で川売(かおれ)奥へ。林道には落石が点在している。最近雨は降っていないから雨のせいではないと思う。付近には岩から染み出した水が凍っている場所がいくつか目についた。岩の隙間の氷が膨張して岩を砕いているのだろうか。そういえば、2001年6月6日に発生した岐阜県板取村(2005年2月に関市に編入合併)海ノ溝林道で愛知県春日井市の中学生6人が死傷した落石事故は、亀裂を含むことがある凝灰岩の裂け目に水が入って凍結して亀裂が広がって岩盤が剥れた可能性があるという報道もあった。しげさんの先導によりゲートの少し手前に車をとめる。ゲート前に行くと車が何台かとまっていて、手前でとめて大正解。

 ゲートを越え、林道を進む。鍵掛沢などの水量の少ないところは凍っている。滝も凍り付いて、部分的にはアイスクライミングができるのではないかと思うほど。ちらっと見えた段差のある滝は「大島の滝」か。



江戸時代に玖老勢石で作られたという道祖神



林道脇のつらら

 東海自然歩道の道標があり、ここから棚山尾根に上がれるが、もう少し先へ行く。ところがどうやら目的の御料局三角点よりも先に行ってしまったようで、稜線が近いところから強引に棚山尾根へ。そこは「界八三支二」の場所で、「界支二」の宮標石と、倒れた「鳳」の標石があった。ここから右に戻り、いくつかの標石を過ぎて、目的の岩へ。南西側に回り込み、見上げると、右の岩に矢印と岩溝にトラロープがある。ここを気をつけて登ると、岩に旧字で「補点」と「+」と「御料局三角点」の彫り込みが「展開」されていた。つまり「補点」と「御料局三角点」の文字は「+」を中心に上下逆に背中合わせに書かれている。表示によると「八四支一五」にあたるようだ。標高697.2mらしい。しばらく写真撮影など。結構高度感のある場所で、展望も良い。後日、『東三河の山 宇連山・棚山・鳳来寺山』(東三河山ぽ会)を見ると、この岩の上からのものと思われる展望が紹介されていた。



倒れていた「鳳」の石を立てて記念撮影?



倒れている「鳳」の石。上面は×印。



新しいコンクリート標石も倒れているものがあった



最後尾からついていく



御料局三角点補点岩の下にある表示



御料局三角点補点はこの岩の上



岩の上へ登るのはちょっと緊張する

 

御料局三角点補点が彫られた岩



「御料局三角点」の字体は現在とは6文字とも大なり小なり違う



御料局三角点を計測する上西氏



岩上から見る鳳来寺山

 岩を降りて、コーヒーとパンケーキをいただく。Holdenさんは今日は案内役に徹して岩には登らず、下でコーヒーを沸かしてくれていたのだ。突然参加の私の分はないはずだが、いただいてしまった。目的を達成し、さてどうしようか、と上西さんが、宇連山か、棚山の三角点を希望。一番の高齢ながら一番の元気者だったのです。里子さんは、迷わず藪の中を希望。ということで棚山の三角点に決定。

 棚山の760mピーク(界九○)など、何度もアップダウンを繰り返す。途中の岩にも赤い矢印があり、この上にも何かあるのではないかと探索。縄文人さんが「ロープを出した方がいいかも」と言いながら、まずは目的の何かがあるかどうかを探すために、率先して真っ先にフリーソロで岩に登る。しかしなかなかそれらしいものが見つからない。しばらく経ってから私も登ってみる。しかし見つからなかった。



界九一支五は自然石に×印

 鳳来寺山への分岐には「界一」の宮標石がある。この宮標石の他の面には「鳳来寺副川 海老町副川」(二行並列)と「鳳来寺○ 門谷 玖老勢」(門谷と玖老勢のみ二行、○のところは不明)が読み取れた。

 

「界一」宮標石

 三角点はここからほぼ直進方向。唯一行ったことのあるしげさんの案内で三等三角点へ。ほとんど誰も訪れない三角点は保存状態がいい。展望がないのが残念だが、木の間越しに瀬戸岩が正面から見えるのが貴重かもしれない。



「玖老勢村1」三等三角点は登山道から外れていて角も取れておらず綺麗なまま

 瀬戸岩まで行き、遅い昼食。後は棚山高原を通り、車に戻る。同行のみなさんに感謝。

 見かけた植物
 コウヤボウキ(実)ホソバシャクナゲ(葉)ヤブムラサキ(実)、アカマツ(葉)、ササsp


 【棚山周辺が紹介されている本】

『東三河の山 宇連山・棚山・鳳来寺山』(東三河山ぽ会)2004年3月28日第1刷発行
  宇連山のページで棚山尾根ルートが紹介されています。

『マイカー登山ベスト30東海版』(七賢出版)1994年7月20日第1刷発行
  宇連山のページで川売から棚山高原経由のルートが紹介されています。

『分県登山ガイド22 愛知県の山』(山と溪谷社)1995年9月25日初版第1刷
  宇連山のページで川売から棚山高原経由のルートが紹介されています。

『増補改訂版 奥三河の滝 10万年の旅』(風媒社)1995年7月1日第1刷発行
  大島の滝と棚山支線林道沿いの道祖神の写真があります。
  amazon.co.jpで購入できます→奥三河の滝 10万年の旅

『こんなに楽しい愛知の130山』(風媒社)1999年10月8日第1刷
  川売から副川へのルートが紹介されています。

『東海自然歩道日帰りハイキング2奥三河−鈴鹿峠』(山と溪谷社)1996年4月20日初版第1刷発行
  瀬戸岩や大島ノ滝を含め東海自然歩道ルートの紹介があります。
  amazon.co.jpで購入できます→東海自然歩道―日帰りハイキング〈2〉奥三河‐鈴鹿峠

『ワンデルングガイド10愛知県の山』(岳洋社)平成4年6月13日2版発行
  川売からのルートが紹介されています。

『こんなに楽しい愛知の100山』(風媒社)1991年5月1日改訂第1刷
  川売からのルートが紹介されています。

『27登山・ハイキング 東海自然歩道2 秋葉山〜関ヶ原』(日地出版)1997年版
  棚山高原、瀬戸岩を含め東海自然歩道ルートが地図とともに紹介されています。

『名古屋周辺 続 山旅徹底ガイド 裏木曽/東濃/奥三河』(中日新聞本社)1996年3月6日発行
  760mピークへの案内は無く、瀬戸岩まで。概念図では三角点の標高と「棚山」の文字。

『名古屋からの山なみ 東山スカイタワー基点』(中日新聞本社)1991年6月1日発行
  宇連山のページで棚山キャンプ場についての記述があります。
  amazon.co.jpで購入できます→名古屋からの山なみ

『鳳来町誌 鳳来寺山編(鳳来町)平成17年3月31日発行
  地質、岩石についての記述があります。

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