棚山 夫婦滝アイスクライミング

 凍った夫婦滝を見るのは3回目。氷は薄かったのですが、ようやくアイスクライミングができました。



凍った夫婦滝全景

【山 名】棚山(たなやま)(双瀬(ならぜ)山)
【沢  名】棚山沢(仮称)(谷川?) (豊川支流海老川水系谷川上流鍵掛沢右俣)
【山 域】奥三河(設楽山地、三河山地、美濃三河高原) 天竜奥三河国定公園
【所在地】愛知県新城市副川棚山
【山行日】2011年1月15日(土曜日・大安)
【行  程】川売奥から往復
  豊川 ==== サークルK ==(県5・県21・R151・県437・県21・R257・県436・県32・棚山林道 45.0km)== 林道ゲート --
  10:04    10:06-10:11                                                                11:17-11:26
  -- 夫婦滝 ---- 林道ゲート ==(棚山林道)== 沢沿い散策 ==(県32・県436・R257・県21・県437・R151 27.0km)== 
     -13:37     13:45-13:52
  == バロー新城店 ==(R151・県21・県5)== 豊川
     14:49-15:33                     16:03(合計走行距離:90.2km)
【山行時間】2時間19分(休憩を含む)
【人  数】1人(単独)
【天  候】小雪
  気温:4℃(自宅出発時)、0℃(登山開始時)、5℃(バロー)、6℃(帰宅時)
     1月15日新城の気象庁データ:降水量4.5mm、平均気温2.2℃、最高気温4.8℃、最低気温-0.4℃、
                   平均風速1.1m/s、最大瞬間風速9.8m/s、最多風向:東南東
【地形図】1:25,000 海老(えび)(使用せず)
【スタイル】SALOMON冬用皮登山靴(\35,800、2000.11.12 駅前アルプスで購入)、緑色軍手、
 ショートソックス(薄手+厚手の2枚重ね)、表地綿100%Colemanキャップ(登りのみで使用)、
 ZEROPOINT(MONTBELL)L.W.エクスペディションパック 65(amazon.co.jp)、黒色ウェストバッグ(登り時のみ装着)、
 アクリル70% 毛25% カシミヤ5%長袖チェックシャツ(日本製)、PHENIX化繊ズボン(中国製)、
 TARAS BOULBA(アシックス)POLARTEC(ポリエステル100%)SERIES200フリース(クライミング時は脱ぐ)、
 綿100%トランクス(中国製)、眼鏡、青色半袖Tシャツ、腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、
 デジタルカメラ:SONY α350(首に提げて歩く、クライミング時は基本的に外す)
以下、主にクライミング時に使用
 charlet moser モノポイントアイゼン、ザイル(φ10.2mm×50m BEAL)、
 ハーネス(PETZL GOUROU C-27 Br  Siries No 98198C \11,970 1999.6.27 駅前アルプスで購入)、
 ヘルメット(PETZL エリオス \6048 MADE IN FRANCE SIZE2(53-61cm) 2004年8月製造 LotNo.04086L)、
 エイト環(KONG-ITALY)、PETZL Am'D Ball Lockカラビナ、その他カラビナ、バイルホルダ、
 PETZLアセンダー、WILD COUNTRY Ropeman、ベルトスリング(チェストハーネスとして使用)
 アイスバイル(charlet moser Quark CM-124 \23,000)、
 アイスバイル(Black Diamond COBRA CARBON FIBER)
【所持飲料】お湯(テルモス470ml)、サントリーDAKARA 500ml(いずれも飲まず)
 ここ何日か仕事が忙しいのと、寒いのとで、昼休みの野外散歩をしないでいました。そこで、思いついたのが、夫婦滝でのアイスクライミングです。5年前の2月に訪れたとき(記録)は、氷が薄くアイスクライミングはできないと判断しました。その後は機会がなく、足が向きませんでしたが、たまたま、2ヶ月前に、御池池守さんからのお誘いで棚山を訪れた(記録)のがあったためか、今回、直前で思いついたのかもしれません。

 ただ、時期的には少し早いかもしれません。まだあまり凍っていないかもしれない、という気持ちもありましたが、せっかく出かける気になったので、様子見でもいいという気持ちで出かけました。

 前夜は早く帰宅しようという気持ちはありましたが、結局、相変わらず夜9時過ぎまでしっかり仕事をしていました。就寝時刻も翌日に備えて早くしたわけでもなく、翌朝は遅い起床となりました。それでもそれほど遠距離でもありません。現地まで歩行時間もしれています。出かける気持ちもなくなっていませんので、出発することにします。天気は曇です。現地は降っても雪だと予想しました。ならば悪天を理由にやめる必要はありません。菓子パン(Pascoチョコリング)を1つ食べて、結局、10時過ぎに出発しました。

 自宅近くのサークルKでおにぎりやホット缶コーヒー(ワンダ モーニングショット朝専用 190g \120)などを買います。車の中でコーヒーを飲みます。ところが途中から雨が降ってきました。気温はそれほど低くありません。天気が悪く、逆にあまり冷えていないのでしょうか。ひょっとして現地も雨かも、という気もしてきました。

 海老の交差点を過ぎて川売に向かっていくとようやく雪に変わってきました。あまり雨が降ると、林道の落石も恐いという気持ちでしたが、雪ならその危険性は減るでしょう。それでも棚山林道には落石も多くあまり気分のいい道路ではありません。川売集落の少し上で他の車とすれ違いますが、その後、林道にうっすらと積もった雪にタイヤの跡はありません。

 林道ゲート前に着くと気温はようやく0℃まで下がりました。氷の状態が心配です。でも、しっかりアイスクライミングできる装備をザックに詰めて出発します。登山靴もワンタッチアイゼンが装着できる冬用の皮登山靴をはきます。

 5年前に訪れたときは、堰堤の上から沢沿いに歩きましたが、今回は登山道を夫婦滝まで行くことにします。目的はあくまで夫婦滝です。そして到着。氷はそれほどしっかりしていません。滝壺も表面にうっすらと氷が張っていますが、乗ったら簡単に割れてしまう程度です。滝も表面はほぼ凍っていますが、中は水が流れているのがわかります。まあ、流れの少ないところを選べば登れないことはないでしょう。あきらめようとも思いましたが、5年前も登れず、今回もというのは避けたい気持ちもあり、せっかくアイスクライミングを目的にここまで来たのだから、ダメでも登る準備はしようと決断しました。

 まず滝の上まで行ってみます。右岸に木が生えているので、そこをロープの支点にできそうです。凍ってない場所もありますが、左岸から右岸へは行けます。一旦滝の下まで戻り、準備をします。ヘルメットをし、アイゼンをつけ、ハーネスをつけます。ハーネスをつけるのは何年ぶりでしょうか。去年の7月に沢登りはしていますが、スリングによる簡易ハーネスのみでした。ちゃんとしたハーネスをつけるのは、ひょっとしたら7年ぶりでしょうか(7年前の藤内壁記録)。腿の部分の輪がねじれてはきなおしをしなければなりませんでした。普段から慣れていれば、途中で気づいたかもしれません。

 アイスクライミングは8年ぶりです(8年前の湯川の氷柱)。もっとも、今回は、アイスクライミングというほどのものではないかもしれませんが。ただ、単独でアイスをするのは初めてです。アセンダーは使ったことがありますが、アイスでは初めてです。

 ロープを首にかけて沢の脇にある旧登山道を使って滝の上まで行きます。沢を横断し、ホソバシャクナゲとアセビの生える辺りへ行きます。木の根と幹の根元が支点として使えそうなので、その2つに直接ロープを通します。そして、最も使い慣れているエイト環で懸垂下降します。この動作は滞りなくできました。



木の根と幹の根元にロープを通して支点とする

 ただ、下についてから、さあ登ろうとしたとき、ロープを掛けただけでは登れないことに気づきました。アセンダーに通すのは1本のロープですから、支点付近でロープを固定しなければならなかったのです。またぐるっと登山道を回るのは面倒なので、バイルなしで、エイト環だけで登ります。それほど緩やかな滝なのです。慣れている人なら、ロープを掛けなくても簡単に登れるような滝です。

 滝口付近でロープを結んでそこに解け防止にカラビナを通します。1つだけでは不安もあるので、安全のためもう1つ作ります。そしてまた懸垂下降します。



右岸側にセットしたロープ

 さて、ようやくバイルを持って登ります。アセンダーとロープマンで1本ずつ通します。この作業も手際がいいとは言えません。スムーズにロープが流れるように確認しながら向きを決めます。バイルは右手がコブラ、力がなくても簡単にしっかり食いついてくれるクォークが左手です。



アセンダーをセット

 氷は下に水が流れているところではバイルを打ち込むと「ゴン」という低く鈍い音がします。それでも軽めの打ち込みなので、氷が割れたりはしません。感覚はある程度わかっているので、必要以上に深く打ち込んだりはしません。アイゼンも同様です。もっともアイゼンの方は、垂直の氷に先端の1本のみを差し込むという感じではなく、階段にアイゼンを置くという感じに近いので、それほどの力は要らないし、不安もありません。

 ただ、アセンダーに通したロープがスムーズに流れてくれません。ロープの下端がフリーになってしまっているのです。仕方がないので、ロープを手でずらしながら登っていきます。

 上まで行くと、セットした結びにつけたカラビナの一つが半開きになっていました。2つつけて正解と言いたいところですが、カラビナなどつけずに他の方法が良かったことに気づきました。ロープのみでこぶを作る方法に変更しました。そして懸垂下降します。

 下では、ロープの固定をします。倒木についた氷に隙間があったので、そこにロープスリングを通し、カラビナをつけて、そこにロープを結びます。

 2回目の登りではロープマンも含めてスムーズにロープが流れました。ところが、上部で懸垂下降するためにエイト環にロープをセットしようとしたときに余裕が少なくロープを通すのに苦労しました。それぐらいの余裕はつけたつもりでしたが、少なすぎたようです。

 懸垂下降し、下のロープ固定をもう少し余裕をつけて結びなおします。さて3回目の登りです。ロープマンはやめてアセンダー1つのみと横着します。落下の可能性は低いとわかってきたためです。ロープマンはロープの流れが悪いのでできればやめたいという気持ちが強いのです。他に持ってないので仕方なく使っていたのです。ところが今度は余裕がありすぎたためかロープの流れがまた悪くなりました。本当は、ロープ下端にザックを吊るして錘にするのがいいのでしょうが、ザックは滝の下でも左岸に置いたままにしてあるのです。そこへ行くには岩の下を回りこんで行かなくてはならないのです。しかも、岩伝いなので、バランスがある程度必要で、できればザックなどの重い荷物は運びたくありません。なので、ロープの固定でごまかそうとしたのですが、そううまくはいかないようです。



凍っていない滝壺を見下ろす



滝口にクォークを打ち込む

 さてもうやめようかと思います。氷の下に水が流れているのは決して気持ちのいいものではありません。しっかり凍っていれば、滝の左側だけでなく、右側にも行きたいのですが、滝壺は水だし、滝の上に支点も作れそうにありません。アイススクリューは2本持っていますが、肝心の氷が薄すぎて適当な場所がありません。なので仕方なく左側ばかり登っているのですが、短距離だし、氷も薄く、もういいか、という気分になってきたのです。で、上に行ったらロープの回収をして引き上げようと思ったのですが、下でロープを固定してあるのでした。これでは回収できません。仕方なく、また懸垂下降します。



エイト環で懸垂下降

 そして固定を解きます。そしてロープはそのままにしておき、フリースなど荷物を全て持ってザックのある滝下の左岸まで行きます。ロープは木に通してあるだけなのですが、一方を引っ張って回収できるほど摩擦は小さくありません。

 旧登山道で上に行き、ロープを回収して旧登山道で引き返します。ザックのところでアイゼンなどを脱いで、昼食とします。サークルKで買った「おいなりさん ごま昆布」(\120、198kcal)を一つだけ立ったまま食べます。

 車に戻り林道を下ります。新たな落石はないようで、無事下まで下ることができました。途中、橋のあたりから登山道があります。ここを歩いたことがないので、少し歩いてみます。少し下に路肩があったので、そこに駐車し、カメラのみ持って出発します。踏み跡はしっかりしていますが、1ヶ所、小沢を横断するところで、丸太の橋が落ちていましたが、迂回して渡れます。しばらく登り、特に見所もなかったので引き返します。またあらためてもっと上まで歩くことにしたいと思います。

 新城市街でバローに寄って、夕食の材料などを買います(\3,423)。プライベートブランドの商品が充実していて、長野県産バローもやしが200gで19円だったりします。自宅付近のヤマナカではここまで安くありません。早速、夕食に、処分品の愛知県産米なす(\58)、ホクト 新潟県産ホワイトぶなしめじ(\78)、国内産若鶏皮なしももミンチ(解凍)(99g \106)などを炒めて食べました。

 この日は前後と比べて暖かい日だったようです。新城の最低気温が-0.4℃で、この暖かさは9日ぶりです。ただ最高気温は4.8℃で、これは1月の最低です。悪天だったのが原因ですが、1月に入って初めて降水量が記録された日でもありました。翌日は豊川での自然観察会に参加しましたが、時間によっては雪がかなり降っていました。新城での最高気温も0.9℃と冷え込みました。さらにその翌朝は車などにかなりの積雪がありました。1991年に豊川に来てからこんなに積もったのは初めてかもしれません。

 見かけた植物
 ホソバシャクナゲ、アセビ、アカマツ(落ち葉)、シロモジ(枯れ葉)、シキミ、ヒサカキ、スギ、テイカカズラ

【夫婦滝が紹介されている書籍】

『増補改訂版 奥三河の滝 10万年の旅』(風媒社)1995年7月1日第1刷発行
  棚山の滝(夫婦滝)が紹介されています。
  amazon.co.jpで購入できます→奥三河の滝 10万年の旅

『マイカー登山ベスト30東海版』(七賢出版)1994年7月20日第1刷発行
  宇連山のページで川売から棚山高原経由のルートが紹介されています。夫婦滝の名称と写真も載っています。

『分県登山ガイド22 愛知県の山』(山と溪谷社)1995年9月25日初版第1刷
  宇連山のページで川売から棚山高原経由のルートが紹介されています。夫婦滝の名称と写真も載っています。

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