常寒山・大峯山 大平から

 予想外に賑わう冬の低山歩きでした。
【山 名】常寒山(とこさぶやま)(高塚、高塚山(たかづか・たかつかさん)、寒猿山(かんさやま)) 480m
     大峯山 467m
【山 域】弓張山地(東三河)
【所在地】愛知県新城市乗本(のりもと)、竹ノ輪(たけのわ)、市川、吉川(よしかわ)
【山行日】2007年1月14日(日曜日)
【行 程】大平(おおびら)から
  豊川 ==(34.8km)== 大平登山口 ---- 峠分岐 ---- 鳥居 ---- 常寒山 ---- 大峯山 ---- 常寒山 --
  9:09                  10:44     11:20-11:28   11:43  11:48-11:52  12:00-12:08  12:18-12:25
  -- 鳥居 ---- 林道途中(昼食)---- 峠分岐 ---- 大平登山口 ==(5.5km)== 鳶ヶ巣山駐車地
     12:27      12:40 - 13:33       13:36       14:01-14:13            14:31
【所要時間】3時間17分(含休憩)
【標高差】約170m
【天 候】快晴 3℃(自宅出発時)、6℃(昼食時)
 1月14日12時新城の気象庁データ:気温9.0℃、風向:北西、風速5m/s
【人 数】3人
【地形図】1:25,000 三河富岡(みかわとみおか) 平成元年修正測量
     奥村氏作成絵地図「常寒山」、「常寒山〜舟着山」
【スタイル】ミズノ ウォーキングシューズ "FREEWALK"、薄手ショートソックス、眼鏡、ウェストバッグ、
 PHENIX化繊ズボン(中国製)、MILLETザック、軍手(少しだけつける)、
 綿100%Tシャツ(MADE IN AUSTRALIA)、綿100%長袖シャツ(中国製)、
 TARAS BOULBA(アシックス)POLARTEC(ポリエステル100%)SERIES200フリース(昼食時のみ)、
 腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、デジタルカメラ:MINOLTA DiMAGE7(首に下げて歩く)
【所持飲料】水1リットル(使いきる)、アクエリアス ビタミンガード500ml(飲まず)、
      アサヒ バナジウム天然水500ml(飲まず)
 軽く歩きたいという要望もあり、9月の舟着山と同じメンバーで、舟着山と尾根続きでもある常寒山を、大平からのほぼ往復で歩きました。山名は、吉川部落で冬の北風が厳しく、その風上にある山だというような意味からだと言います。

 朝9時半の待ち合わせにわずかに遅れて到着。すぐに私の車に荷物を載せて出発。サークルK三河一宮店に寄って昼食を買う。今日はみんなカップ麺。私はカップヌードルみそ(\138)にした。そしてネスカフェゴールドブレンド4カップ(\281)も買う。舟着山のときはメンバーの期待を裏切ってしまったが、今日はちゃんとコンロ、ガス、コッフェル、水を持ってきたのだ。

 舟着山のときと同じく、弁天橋を渡り、別所街道を進む。それらしいところを右折する。右折してから意外に長い。こんなに長いのだろうか。一旦路肩に車を止めて奥村氏の地図で確認する。橋を渡ったところで右折したのは正しいようだ。しばらく行くと栗衣(くりぎの)という集落に入るはずである。もう少し先に進んでみることにする。

 するとすぐ栗衣の集落に入った。集会所だったか何かの表示があったので間違いない。問題はうまく町道大平線に入ることができるかどうかだ。道なりに進むと山腹を迂回していくような感じになる。絵地図では一旦左折しないといけないような感じになっている。一旦引き返しそれらしいところを見るが、どうも道が狭すぎてそれらしくない。またUターンし、もう少し道なりに先に進むことにする。

 すると大平の集落に入ったようで、左折するところには常寒山への道標もあった。狭い道を道なりに登っていくと登山口に着いた。結局、本道らしいところを道なりに進めば、登山口に着くのだった。

 最奥の民家のあたりに車が1台止まっていて、登山口の看板もあるが道路はまだ先に延びている。もう少し進んでみることにする。しかし舗装は大平配水池のところまでで、その先はダートとなる。ここで引き返して先ほどの登山口の表示のある脇に駐車する。地元らしき人たちが歩いていたので、駐車するのに都合のいい場所を確認するとここの脇でいいと言われた。

 それにしても雰囲気のいい場所である。高台にある集落からは豊川の流れる谷を見渡すことができ、その向こうに穏やかな山並みが連なっている。「日本のチロル」と呼ばれる下栗の里のミニチュア版にも見える。これが雪国だとか、都市から離れていれば廃村になっていても不思議はないような感じもするが、ここは暖かい三河地方で、なんとか豊橋などへの通勤圏と言えるでしょう。



大平から豊川を隔てて本宮山系の山々を見る

 



大平の石仏

 さて、まずは林道を歩いていく。しばらく行くと、林道の荒れたあたりだったかに車が2台とまっていた。1台は軽トラ。もう1台は普通の乗用車だったか、いずれも山仕事の人だろうか。あちこちに白いペンキで木に文字が書かれている。このあたりではしっかり林業をしているのだろうか。植林された木はスギとヒノキが混じっている。

 山腹をなだらかに登るように続く幅広の登山道は、昔からの峠越えの道のようで、途中には道祖神の道しるべもあった。長篠の戦いでは武田軍が食糧を運んだ近道でもあったそうだ。



道祖神

 尾根に出た少し先が峠で、幅広の道を真っ直ぐ下っていくと竹ノ輪集落に行けるようだ。登山道は右。文字の消えかかった古い板の看板があった。少し先に林道も右折している。石仏もある。一旦休憩。Kさんからチロルチョコをもらって食べる。付近にはヤマザクラやクロモジの木があった。Sさんによると、山歩きで疲れたときに、クロモジの枝をかじっていたそうである。



峠の石仏

 登山道は尾根のわずかに右側を通っている。そして尾根の左に出るとその左に林道が並行している。帰りはここを辿ろう。

 2000年10月15日建立らしい丸太の鳥居をくぐり、一登りで脇に小屋もある常寒山の頂上に着いた。先客は2人。三基の石の祠は、御岳神社、浅間神社、金毘羅神社なのだそうで、側面には明治の刻みがあり、反対の側面には「乗本村大平 村中安全 竹ノ輪村」の刻みがあった。「常寒山参拝者記帳箱」の中のノートには今日の日付で9名と書かれてあった。



最後の一登りが始まる場所にある鳥居



常寒山頂上の3基の祠

 一つ先のピークは大峯山という名前があるようなので、そこまで行ってみる。一旦下り、登り返す。ピークに着くと小さな木材が立っていて、そこに「大峯山」の文字が書かれてあった。奥村氏の地図では「常寒山南峰」となっていて、大峯山はもう少し先の標高390m付近になっているが、どちらが正しいかはわからない。この先に行くのはまたいつかにしたい。山頂から右に折れるとその場所を通り、松山峠、さらに舟着山へと行ける。山頂から左前方へ下ると吉川峠に行けそうで、踏み跡もあった。このピークにある石の祠の側面には「宝暦七丁丑九月」の文字と、反対側に「吉川村」の文字が読み取れた。ざっと250年前である。吉川には大峯山を水源とする大峯川が流れていて、峯山という集落もあるようだ。



大峯山頂上の祠

 祠を見ていると、松山峠方面から単独の男性が登ってきた。クリーンセンターから舟着山に登ったが、常寒山への道標を見て、足を延ばしたが意外に遠くようやくここに着いたと。我々を見て、「ここが常寒山か」と聞いてきた。少し前にはたくさんの人たちと会ったという。どうやら常寒山のノートにあった9名がそちらに行ったようだ。この男性へはもちろん常寒山はもう少しだからとそこまで行くことを勧めた。勧めなくても行ったと思うが。

 我々もここから戻る。常寒山で唯一、展望の開けている場所で、またこの男性と話す。豊川の人だそうである。『こんなに楽しい愛知の130山』(風媒社)を見て舟着山に来たそうだ。「あの建物は何か?」と指差す方向を見ると、浜松駅のアクトタワーが見えた。浜松方面の展望を得るためにこの方面の樹木を伐採したのだろうか。Sさんが、そろそろ行くぞ、とせかすので話を打ち切って常寒山を後にする。昼食をとるのに適当な場所として竹ノ輪と大平との峠を候補としていたのでそこまで歩くつもりだ。正午は過ぎていた。



常寒山頂上から浜松方面を見る

 下ったところの鳥居の横から林道に出てそこを進む。この林道は竹ノ輪と大平との峠に出ることが奥村氏の地図でわかっている。林道が利用されたのはかなり前らしく、荒れている。ところがその林道で二人の男性とすれ違った。まさかこんなところでも人と会うとは。それにしてもこんなマイナーだと思っていた山でこんなに多くの人と会うとは思ってもいなかった。冬場の低山だから、というのはあると思うが、9月の舟着山では誰にも会わなかったことを思うと、ここまではっきり差があるとは意外。年中低山を歩く私のような者は少数派のようだ。

 林道は風が弱く、峠まで行かなくても適当なところがあったら昼食にしたい。そして、それほど広くはないが、風もなく、日当たりも良い場所があったので、そこでSさんが持ってきたレジャーシートを敷いて腰を下ろすことにした。

 カップラーメンにお湯を注ぐために、Sさんと私の二人がガス、コンロ、コッフェルを出す。水は3人で出す。Kさんは塩ラーメン。77歳のSさんはなんと1.5人前の味噌ラーメン。私が一番小さいカップヌードルのようだ。Kさんからはソーセージをもらい、Sさんからはおはぎをもらう。このおはぎはもち米がはっきりしていて、おにぎりに近い。味もおいしい。ラーメンの後はサークルKで買ったカップコーヒーを、またお湯を沸かして飲む。

 昼食を終え、林道を少し歩くと峠に出た。もうここはあまり日が当たっていなかった。ここまで来なくて正解だった。

 下りでは、山仕事だろうか、地元の人らしき人とすれ違う。途中に犬を繋いであるから注意して、と言う。噛みつくかも、とすれ違った後少し遠ざかってから言ったように聞こえた。どんな犬だろうか。

 そして、車2台が相変わらずとまっているところを過ぎて、しばらく行くと犬が繋がれていた。なんとも小さい犬で、ひょっとしたら猟犬か、なんて思っていたのとの落差は大きかった。

 登山口にあったもう1台の車はなかった。さて、これからどうしようか、ちょっと時間的にも体力的にも余裕がある。朝、車の中で少し話題になって、気になっている万灯山にでも行ってみるか。

 見かけた植物
 サワラヒノキ、スギ、アオキ、アラカシ、アセビ、ネズミモチ、ソヨゴ、リョウブ、ヤブツバキ、ヤブコウジ(実)、サカキ、ヒサカキ、ヤマザクラ、クロモジ、テイカカズラ、キヅタ、フユイチゴ、モミジイチゴ、ツルリンドウ(葉)キッコウハグマ(葉)、コシダ、トウゲシバ、ゼンマイ、ノキシノブ


【常寒山が紹介されている書籍】

『こんなに楽しい愛知の130山』(風媒社)1999年10月8日第1刷
  大平コースと竹ノ輪コースが紹介されています。

『東海の山ある記』(毎日新聞名古屋開発)平成18年1月発行
  市川万燈山を含めて大峯山・常寒山と通常ルートでない山行が7ページに渡り書かれています。

『東三河の山々に魅せられて』(豊川印刷株式会社出版事業部)2003年10月10日第一刷発行
  山名の由来などが紹介されています。

『こんなに楽しい愛知の100山』(風媒社)1991年5月1日改訂第1刷
  大平コースと竹ノ輪コースが紹介されています。

『ワンデルングガイド10愛知県の山』(岳洋社)平成4年6月13日2版発行
  大平コースが紹介されています。

『名古屋周辺 続 山旅徹底ガイド 裏木曽/東濃/奥三河』(中日新聞本社)1996年3月6日発行
  大平コースと竹ノ輪コースが紹介されています。

『分県登山ガイド22 愛知県の山』(山と溪谷社)1995年9月25日初版第1刷
  竹ノ輪コースが紹介されています。

『'96アウトドアData3800東海版』(風媒社)1995年11月20日初版第一刷発行
  竹ノ輪集落起点とされていて、山頂から富幕山が見えると紹介されている。

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