雨生山 春竜胆はどこに

 中宇利にハルリンドウが咲いたという新聞記事を見て、出かけました。
【山 名】雨生山(うぶさん) 313m
【山 域】湖西連峰(弓張山地) 桜淵県立自然公園・浜名湖県立自然公園
【所在地】愛知県新城市中宇利・静岡県引佐郡三ヶ日町
【山行日】2005年3月26日(土曜日)
【行 程】新城市中宇利から
  豊川 ==(23.2km)== 中宇利 --(林道)-- 反射板用山道入口 ---- 雨生山反射板 --
  9:49           10:38-10:41              11:20                11:53
  -- 県境稜線ケルン ---- 県境稜線広場(昼食) ---- 静岡側林道手前 --
      11:58                          -12:14         12:26
  -- 県境稜線に出る ---- 雨生山 ---- 鉄塔 ---- 鉄塔 ---- 道路に出る --
      12:35              12:39       12:52    12:56       12:57
  -- 駐車場所 ==(2.0km)== 世界の桜の園入口 ---- 比丘尼城址 ---- 世界の桜の園入口 ==
     13:07                          13:15        13:31           14:03 - 14:06
  ==(24.4km)== 豊川
              14:50
【所要時間】2時間26分(含休憩)+世界の桜の園(48分)
【標高差】約220m
【天 候】曇または小雨、一時晴れ間あり 5℃(自宅出発時)
(3月26日12時新城の気象庁データ:気温8.7℃、風速1m/s、風向:北北東、降水量:1mm、日照時間:0.6h)
【地形図】1:25,000 三河富岡(みかわとみおか) 平成元年修正測量
【スタイル】ジャージズボン、綿100%Tシャツ、長袖シャツ(アクリル70%、毛25%、カシミヤ5%)、
 ミズノ運動靴、黒色軽量ザック(RIPEN プチ クロワール J-02100)、林道で折り畳み傘使用、
 昼食時のみフリースをはおる、飲料は500mlPETボトル4本持参し、500ml飲む。
 3月22日の朝日新聞にハルリンドウのカラー写真が載っていた。中宇利の宇利城跡近くで咲き始めたという。中宇利は知っているが、宇利城跡がどこかは知らない。でも中宇利でハルリンドウが咲く場所は知っている。どうせその辺りだろうと、何度か訪れている場所に向かうことにした。

 朝、目が覚めて外を見ると地面が濡れている。確か天気予報は悪くないはずと、朝刊を見るとやはり一日中晴れマークが付いている。まあそのうち天気は良くなるだろうと気にせず準備をして出発。自宅近くのサークルKでおにぎりなどを買う。

 林道ゲート前に車をとめ、まずは林道歩き。キブシなどが咲いている。足元にはタチツボスミレ。まだそれほど花が多いわけではない。花の写真を撮りながら歩いていると雨が多くなってきた。あらかじめザックには折り畳み傘を入れてきた。傘を出そうか迷うが、カメラも濡れるし、なかなか小降りにならないので、ついに傘をさす。

 反射板への入口に着く頃には雨はあがっていた。少し登り、適当なところを藪へ入るが、途中で踏み跡がなくなったり、沢は雨で岩が滑りやすいし、イバラに絡まれたりして先に行くのを阻もうとする。そんなところでシキミやマンサクの花を見ることができた。イノシシのヌタ場らしい場所もあった。一旦道に戻り、途中で少しヌタ場らしき場所に寄ると、今度はショウジョウバカマがきれいに咲いていた。



藪の中の小さな流れ



ヌタ場はあちこちにあった



金山方面の山腹。金山頂上の反射板が見えるだろうか?

 もう藪はやめて、道沿いに進む。花もあまりなく、反射板へ。ここから稜線へ直登し、ケルンのそばに出る。東へ向かい、広場のような場所で昼食とする。おにぎり2つ(焼鮭\130・鮭たらこ\130)を食べる。風があり、できるだけ隅の方で腰を下ろす。



雨生山反射板から吉祥山方面を見る。写真中央のため池は堤久保池。

 ここからは静岡県側に林道手前まで下り、登り返して県境稜線へ。途中、今日唯一の登山者のグループと会った。せっかくだから雨生山のピークハントもする。ここから直接愛知県側へ下るルートは以前に藪が濃そうでやめたが、今日は踏み跡がはっきり見えるのでそこに入り込んだ。



雨生山の静岡県側山腹



雨生山頂は笹が多い

 笹が枯れて歩きやすい。展望も得られる。踏み跡もまあまあはっきりしていて、迷うほどではない。あまり変化はないが、雰囲気は悪くない。送電線鉄塔を越えると植林となり、足元は岩が露出し、滑りやすい。注意して歩いたつもりでも転んでしまった。もう一つ鉄塔を過ぎるとほどなく道路に出た。ここにも入山禁止の立て札があった。しんしろ茶の畑を見て、車に戻る。結局ハルリンドウを見ることはできなかった。



雨生山の下りから見る吉祥山方面。
左手前は土器池、その左に東名高速道路、中央に豊川用水東部幹線水路、中央奥は本宮山。



麓から見る雨生山

 あきらめがつかず、車を移動して「世界の桜の園」という場所に向かう。新聞の写真はこのあたりではないだろうか、と思ったからだ。しかし、実際には宇利城跡というのはここではなく、桜の園にあるのは比丘尼城址だった。まあ別に宇利城跡にこだわっているわけではなく、ハルリンドウがあればいいのだ。可能性はある。

 桜の園入口は適当に行ったら見つかった。車が2台とまっていたが人影はない。一周1時間コースだという。コース通り歩くつもりもないが、とりあえずその「おすすめの小径」にしたがって歩く。河津桜など、わずかに咲いているが、まだ全体としてはかなり少ない。今年は特に遅めなのだろう。ショウジョウバカマはここにもあった。まずは比丘尼城址に向かう。事前にインターネットで調べてみるとこの比丘尼城址がある223mピークは中宇利丸山ともいうような記載を見ていた。正しいかどうかはわからない。後でまた調べてみると、丸山というのは字名か何かの名前のようだ。ということは誰かが集落の名前とピークの名前を混同した可能性もある。とはいうものの、その集落の名前も元はどこかの山の名前からとったのかもしれない。(※)

(※)後日、『三河・遠州の超(スーパー)低山ハイキング』を見ると、「中宇利丸山223m」と載っていて、しかし、地図では223mの比丘尼城址と丸山は別で、文章でも223m山頂(=比丘尼城址)と丸山は別であると書かれていた。しかし、地形図を見てもそれらしいピークは見あたらず、麓から見た漠然とした山の形を形容して丸山と呼んでいるのではないかと想像した。どうやらインターネット等の記載もこの本の記述を元にしているのではないか。そして、誤解されて、いつの間にか、「比丘尼城址=中宇利丸山」となってしまったのではないか、と想像したがどうだろう?



比丘尼城址

 比丘尼城址には表示があるだけで他には何もない。ここから少しコースを離れて歩いてみると、小さな池があった。後で、これは城に付随して作られた何かかもしれないと思った。一旦、沢沿いに下り、鉄塔方面に上がると「おすすめの小径」の表示がある。ぐるっと回ってここにつながっているようだ。それを確かめるためにそのコースを逆に歩き、比丘尼城址まで戻る。そしてまたその表示の場所へ進み、コース沿いに先へ進む。すると足元にハルリンドウを見つけた。1輪のみだったが、ようやく目的達成。その後もちらほらと見かけた。しかし、どれも1輪ずつで、寂しい限りである。やはりまだ早かったようである。

 コース伝いにぐるっと一周して車に戻る。帰路、カタクリ山の近くと通ると車はたくさん停まっていた。そこには寄らず、帰宅した。

 見かけた花
 コウヤミズキキブシアカフタチツボスミレヒサカキカンスゲクロモジ(蕾)、アケビ(蕾)、ヤブツバキ、アセビ、マンサク、シキミ、ショウジョウバカマ、ハルリンドウ


 【雨生山・比丘尼城址が紹介されている本】

『三河・遠州の超(スーパー)低山ハイキング』(風媒社)2002年5月12日第1刷発行
  中宇利丸山、比丘尼城址が紹介されています。

『ワンデルングガイド10愛知県の山』(岳洋社)平成4年6月13日2版発行
  愛知県側から雨生山直登ルートが紹介されています。

『こんなに楽しい愛知の130山』(風媒社)1999年10月8日第1刷
  静岡県側の林道からのコースが紹介されています。

『やぶ医者のやぶ山あるき 三河の山々』(毎日新聞名古屋開発)2000年5月発行
  静岡県側の林道からのコースが紹介されています。

『こんなに楽しい愛知の100山』(風媒社)1991年5月1日改訂第1刷
  静岡県側の林道からのコースが紹介されています。

『分県登山ガイド22 愛知県の山』(山と溪谷社)1995年9月25日初版第1刷
  静岡県側の林道からの往復コースが紹介されています。

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