一見、見栄えが悪いのは、雄蕊が弁化した八重咲きで、不規則に丸まったりしているためでしょう。よく見ると内側の花被片には、雄蕊がくっついているように見えるものや、花粉がついているものがあります。 ヤブカンゾウ(オニカンゾウ、ワスレグサ、カンゾウナ) 藪萱草(忘レ草、忘憂草、鬼萱草) Hemerocallis fulva L. var. kwanso Regel 単子葉植物綱 ユリ亜綱 ユリ目 ユリ科 ツルボラン亜科 ワスレグサ属
花 東濃 保古山 2010.7.18
同じワスレグサ属には、他に、ノカンゾウ、ハマカンゾウ、ユウスゲ、ニッコウキスゲ(ゼンテイカ)などがあります。『図鑑 愛知の野草』(中日新聞本社)には、ヤブカンゾウとノカンゾウとハマカンゾウが同じ見開きページに載っています。
『日本の野生植物 草本』I(平凡社)によると、ノカンゾやハマカンゾウとともに、日本には自生のないホンカンゾウの変種と位置づけられています。ホンカンゾウはシナカンゾウとも呼ばれ、中国のみに生えるヤブカンゾウの一重咲き品です。ヤブカンゾウは中国原産で、3倍体のため結実しないのは、ヒガンバナと同じです。
春の新芽は甘くておいしいです。甘いから、「萱草」ではなく、「甘草」ではないか、と思ってしまいますが、語源としては、漢名の「萱草」で正しいようです。この辺りのことは、牧野富太郎著『植物一日一題』(博品社)に詳しく書かれています。「萱」の字の意味が「忘れる」であり、別名の「ワスレグサ」になっているのだそうです。
なぜこの花が「忘れ草」なのかと言うと、心配事があって心が憂鬱なとき、この花を見れば、その憂いを忘れるからだそうです。
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