御嶽山 田の原から雨中の王滝頂上

 スイス旅行の高度順応を目的に登りました。
 妻は結構平気なのに対し、私は明らかに高山病の症状です。
 これでスイス旅行が少しでも楽になればいいのですが。



ガスの中へ

【山 名】御嶽山(おんたけさん)王滝頂上 2936m
【山 域】北アルプス最南部
【水 系】木曽川支流王滝川支流濁川支流伝上川水系
【所在地】長野県木曽郡王滝村(おうたきむら)
【山行日】2013年7月13日(土曜日・大安)
【行  程】田の原から
 豊川(5:38)==(R1)== 音羽蒲郡IC ==(東名)==(5:50)美合PA(6:29)==
  ==(東名・伊勢湾岸・東海環状・中央 90.1km)====(7:27)恵那峡SA(7:39)==(中央)== 中津川IC ==(R19)==
  ==(9:35)田の原(9:58)----(12:50)王滝頂上(13:34)----(17:01)田の原(17:10)==(12.7km)==
  ==(17:33)こもれびの湯(18:40)==(R19、83.7km)==(20:26)プリンス松葉(21:30)==(R19)== 中津川IC ==
  ==(中央・東海環状・伊勢湾岸・東名)== 音羽蒲郡IC ==(R1)==(23:01)豊川(合計走行距離:411.6km)
【山行時間】7時間3分(休憩を含む) (登り:2時間52分、下り:3時間27分)
【標高差】約740m
【人  数】2人
【天  候】曇または雨
  気温:23℃(自宅出発時)、27℃(美合PA)、25℃(恵那峡SA)、15℃(登山開始時)、
     18℃(こもれびの湯)、23℃(プリンス松葉)、26℃(帰宅時)
     7月13日木曽福島の気象庁データ:降水量5.5mm、平均気温21.3℃、最高気温27.5℃、最低気温17.5℃、平均風速1.0m/s、最大瞬間風速8.0m/s、最多風向:南西、日照時間0.2h
【地形図】1:25,000 御嶽山(おんたけさん)昭和59年部分修正測量
          御岳高原(おんたけこうげん)昭和61年修正測量
【スタイル】SIRIO 登山靴 46ATL 27.0(中国製)(2012.07.14 モンタニアで購入)、
 ショートソックス(黄土色)\2,100 毛77%・ナイロン22%・ポリウレタン1%(2011.06.26購入)、
 Marmot ベトナム製長ズボン 撥水・ストレッチ \12,600(2013.06.22 ゼビオで購入)、
 眼鏡、ユニクロ 綿57%・ポリエステル43% トランクス(中国製)、MILLETアタックザック、
 RunBIRD(ミズノ)中国製半袖Tシャツ(綿60%、ポリエステル40%)、腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、
 MUSSHU長袖チェックシャツ(ポリエステル100%・日本製)(王滝頂上到着後から下りで使用)、
 カッパ上(mont-bell GORE-TEXストームクルーザーメンズ パープル)、MATTENBELL水色ザックカバー、
 デジタルカメラ:SONY α350+2.8/100 MACRO(下りのみ首から提げて歩く)
【所持飲料】アサヒ 十六茶 600ml、アクエリアス ゼロ 500ml、KIRIN ソルティ・ライチ 500ml(飲まず)、
      KIRIN 小岩井 純水りんご 果汁20% 470ml(飲まず)
 7月8日に九州から東海地方にかけて梅雨明けの発表があり、その後ずっと暑い晴天が続いていましたが、この日は雨混じりの予報です。台湾の東にある台風7号の影響か三連休は不安定のようです。雨覚悟で三連休の初日に出かけることにします。

 木曽駒に出かけた2週間前と同じく、美合パーキングエリアでマクドナルドに寄ります。今回は三連休の初日だけあって、6時前にもかかわらず、行列ができています。JAFのクーポンでコーヒーは無料でゲットします。

 恵那峡サービスエリアでトイレストップし、中津川インターをおります。国道19号も高速同様、スムーズに流れています。ただ、御岳この左岸は通行止めのようで、右岸側を通ります。でも、快適な道路でタイムロスにはほとんどなっていないと思います。

 田の原の駐車場に到着すると駐車車両でいっぱいです。ぐるっと一周しなおし奥に入ると、たまたま1台分の空きスペースがありました。登山口のトイレにほど近いところです。小雨と強めの風があります。

 Tシャツの上にカッパの上を着て、下は買ったばかりのズボンのままで出発します。遊歩道のような整備された道から傾斜のある登山道になり、背の高い樹木がなくなり、ハイマツ帯となり、さらに上部は岩ばかりとなります。



「木曽御嶽山」の鳥居と御嶽神社の石柱



御嶽神社の石柱



「御嶽山登山道」と書かれた石



出だしの遊歩道

 途中、妻は買ったばかりのノースフェイスのカッパの下もはきます。でも、歩きづらそうで、途中で脱いでしまいました。私はずっと下はカッパなしですが、この程度の雨では、滲みてきません。

 八合目と九合目の間はかなり長く感じます。ガスで王滝頂上の小屋も一度見えただけでほとんど見えません。時折、強い風も吹きます。高山病の症状も出てきました。数歩歩いて息が切れます。天気が悪いとこうなることが多いです。



雪渓と登山者



最上部に王滝頂上山荘が見える



雪渓脇の登山道を多くの登山者が登っていきます



雪渓の端



途中の小屋

 登る人だけでなく、下ってくる人もかなりいます。御嶽教の信者が多いのでしょうか。白装束の人は少ないですが、ジーパンの若者や子供ら、登山の服装でない人をあちこちで見かけます。富士山とまではいきませんが、かなりの賑わいです。すれ違いで気を遣う場所も何箇所かあります。ほら貝の音も響いていました。鐘を鳴らす人も。

 王滝頂上に到着し、どこで昼を食べるか迷います。寒さで外では食べたくありません。風もあります。小屋に入れるのでしょうか。中に入ってみると、持参のおにぎりだけでも休憩できるみたいです。カッパを脱いで靴もぬいで上がります。そこそこの人がいます。高山病の症状で、握力が弱くなっています。さっさと昼食を済ませ、下りたいところです。ところが妻は結構平気なようです。登る途中は亀のペースでしたが、小屋の中に入り、落ち着くと普通に振舞っていました。



王滝頂上山荘の中は人が多くいました



王滝頂上山荘付近



「王滝口 頂上山荘」と入口の看板にはあります



「気象庁火山観測施設」とあります 1年後の噴火では活かされませんでした

 昼食として食べたおにぎりは、焼さけはらみ(\145、181kcal)、シーチキンマヨネーズ(\105、182kcal)です。妻は焼さけはらみのみ。クリーム玄米ブラン(ブルーベリー)4個のうち、私は1個(90kcal)、妻は3個を食べました。熱量合計は、私は453kcal、妻は451kcalでほとんど同じでした。ただ、私は「完熟とまとキャンディ」も食べましたが。

 小屋に入るとき、足を負傷した人が背負子に背負われ、下り始めるところを見かけました。この天気ではヘリは来ません。背負う人は大変です。それができる人が御嶽にもいるようです。

 下りは楽です。カメラも出して歩くことにします。途中からは雨も上がり、それほど多くはない花の写真を撮りながら下ります。妻は膝が痛いようで、かなり遅いペースです。登りよりも遅いでしょう。



岩の層



雪渓



登山口のある三笠山方面にはガスがかかり始めています



ガスがかかりかけの三笠山方面と伝上川のガレ



伝上川のガレ



三笠山方面と伝上川のガレ

 

伝上川のガレ(望遠)



陽が射す登山口周辺



三笠山と私(妻撮影)



ガスの中、登山者が歩いています



「富士見石」石柱



白装束の参拝者も歩いています



三笠山

 八合目の石室に到着したとき、ヘリが御嶽に向かって飛んできました。王滝頂上で見た人を搬送するのでしょう。下部はガスがはれています。ただ、その前にサイレンの音も聞こえました。一応待機していたのでしょう。でも、ガスがはれて、ヘリが飛べる条件になったのだと思われます。



飛んできたヘリ

 ヘリは一旦旋回し、ピックアップ地点でホバリングし、人が下りていきます。そしてピックアップし、あっという間に戻っていきました。その後ガスがあたり一面を覆いました。なんというタイミングでしょう。少し遅ければピックアップはできなかったでしょう。八合目にいた10人以上の人たちはその様子をずっと見ていて、ヘリが遠ざかってから一斉に下山し始めました。まるでここにいる人たちに見せているようにその間はガスがはれていたのでした。我々は彼らの最後尾で下山し始めます。



ピックアップ

 途中からは雨が本降りになってきました。ズボンもついに撥水機能が限界にきたようで、濡れてきました。妻のズボンはさらにびしょびしょです。樹林帯の登山道は濁った沢のようになっています。私は靴の中まで濡れないように足場を選んで歩いていましたが、妻はそんな余裕はなく、靴の中まで濡れ始めたようです。



泥水が流れる登山道

 駐車場に近づく頃には、また小雨になりました。そして、駐車場に着いたのは17時を回ったところでした。王滝頂上を出てから約3時間半でした。登りは3時間弱でしたので、やはりそれ以上の時間をかけて下ったのでした。

 少し下って温泉に入ります。向かったのは「おんたけ休暇村」の少し下にある「こもれびの湯」です。18時までに到着すれば大丈夫のようです。

 次は夕食です。でも中津川まではこの時間にやっている店を知りません。ということで、中津川までは休憩なしで走ります。そして、松葉で夕食とします。ここの松葉には入ったことはありませんが、以前から存在は知っていて、きっと夜でもやっていると思いました。往路で目にもしていて、第一候補にしていたのでした。

 中に入るとかなり広く客も多くいました。メニューも豊富にあります。妻は松葉定食、私は豚丼の大盛りにしました。

 ガソリンも何とかもちそうなので、そのまま中津川インターから音羽蒲郡インターまでノンストップで走り、そのまま帰宅しました。

 1年後の2014年(平成26年)9月27日11時52分、58名が犠牲となる噴火(水蒸気爆発)がありました。当時、噴火警戒レベル1となっていましたが、周知されず、最悪の結果となってしまったのでした。犠牲者数は、1991年の雲仙普賢岳の43名を上回る大惨事となりました。天気の良い土曜日の正午前、季節もよく、ちょうど多くの登山者が山頂付近にいたことでしょう。よりによってそんなときに噴火したのでした。1979年(昭和54年)の噴火のときは、10月28日の早朝でした。山小屋もたぶんシーズンオフで、登山者もいない時期、時間帯でした。今回の噴火も、前日だったらとか、悪天候だったらとか、夜間だったらとか、ちょっとの違いで、状況は大きく違っていたことでしょう。自然災害とはこういうものなのでしょう。それに備えることはとても難しいことだとは思いますが、それでも、備えることができるのであれば、すべきでしょう。その後、御嶽の頂上山荘跡地にはシェルターが造られました。さらに、水平展開としてでしょうか、乗鞍岳も噴火に備え、監視対象となりました。

 御嶽で規制が一部解除され、山頂まで登れるようになったのは2018年です。ただ、この規制解除は、個人的には遅い解除だと思います。実際、今回の噴火後、噴火はしていないのですから。極論を言えば、噴火翌日にも解除してもよかったのです。もちろん結果論と言えばそれまでですし、様々な意見があるでしょうから、私の意見が必ずしも正しいとは言えないでしょうが。ただ、私は、登山の自由を規制により奪う行為は、できるだけ避けるべき、と考えるのです。規制ではなく、啓蒙にとどめるのがすじで、事故があっても救助を前提にしない、などの共通認識も必要だと思います。ちなみに、規制解除後も、「ヘルメット持参を」などの啓蒙はしているようですね。正しい姿勢だと思っています。

 見かけた花
 ツマトリソウ、マイヅルソウ、オンタデ、ゴゼンタチバナ、ハクサンシャクナゲ、コイワカガミ、モミジカラマツ、イワツメクサ


【御嶽山が紹介されている主な書籍等】

『日本の名山11御嶽山』(博品社)1998年11月30日第1刷発行

『ぎふ百山』(岐阜日日新聞社)昭和62年7月15日復刻発行

『ワンデルングガイド6木曽谷の山と街道』(岳洋社)昭和62年5月11日発行

『名古屋周辺 続 山旅徹底ガイド』(中日新聞本社)

『岐阜の山歩きベスト55コース』(風媒社)

『分県登山ガイド長野県の山』(山と溪谷社)

『名古屋近郊 いで湯の山旅』(七賢出版)

『アルペンガイド6中央アルプス』(山と溪谷社)1985年6月発行

『名古屋からの山なみ』(中日新聞本社)

『ブルーガイド125木曽路・伊那』(実業之日本社)

『日本百名山』(朝日文庫)1995年8月20日第8刷

『コンサイス日本山名辞典修訂版』(三省堂)1989年9月1日第6刷

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