タマアジサイ 玉紫陽花
Hydrangea involucrata Siebold
被子植物 真正双子葉類 コア真正双子葉類 キク類 ミズキ目 アジサイ科 アジサイ族 アジサイ属 タマアジサイ亜節


蕾 愛鷹連峰 2006.8.27

 タマアジサイの大きな特徴は、夏から秋にかけての季節に咲くことと、和名のように、つぼみが1つの大きな「玉」になっていることでしょう。このつぼみの時期が1ヶ月ほどと長く、よく目につきます。この玉は、総苞で、花序の展開とともに総苞は脱落します。他のアジサイの仲間には見られない特徴です。学名の、"involucrata" も、この総苞を意味しているそうです。葉の縁には細かい鋸歯があります。新エングラー体系では、ユキノシタ科に含まれていましが、クロンキスト体系で別科とされ、さらに、分子系統学的にユキノシタ科と近縁ではないことが明らかさにされ、APG植物分類体系で、ミズキ目に入れられました。

 日本固有種であり、宮城県南部から九州にかけての主として太平洋側の山地に分布し、新潟県から福井県にかけての日本海側、長野県、伊豆諸島にも生えているそうです。

 2023年9月9日 22:30〜22:55にNHK Eチャンネルで放送された「イモヅル式に学ぼう!NHKラーニング 「趣味の園芸 牧野富太郎の愛した草花」編の一部では、牧野植物同好会会長で宇都宮大学名誉教授の谷本丈夫氏の案内で8月上旬の高尾山のタマアジサイが紹介されていました。だいたいどのコースでも見つけられるとのことです。栄養分のある花を狙う虫に食べられないように、つぼみを苞で覆うように進化したのではないかと解説していました。

 参考:『日本の野生植物 木本』(平凡社)

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