屏風山 笹平から黒の田東湿地も

 中央自動車道のパーキングエリアの名称にもなっている屏風山。一等三角点の山でもあります。以前から気になる山でしたが、ようやく登る機会に恵まれました。そして、黒の田東湿地に咲く花も堪能できました。笹平からのルートはそれほど標高差がなく、汗をあまりかかず、膝などを痛めることもなく、楽しい山行ができました。



屏風山頂上からの堂々たる恵那山

【山 名】屏風山(びょうぶやま、びょうぶざん、びょうぶさん)(峰山、峯山) 794m
     黒の田山 780m
     馬ノ背山 767m
     八百山 800m
【三角点】点名:屏風山(びょうぶやま) 794.10m 一等 明治27年4月19日選点 選点者:館 潔彦
     所在地:岐阜県恵那市山岡町田代大日向72番1 所有者:恵那市(管理者:山岡振興事務所 振興課)
【山 域】東濃
【水 系】庄内川上流土岐川支流小里川水系・土岐川支流佐々良木川水系
【所在地】岐阜県瑞浪市稲津町萩原・土岐町・恵那市山岡町田代
【山行日】2010年10月11日(月曜日・体育の日・赤口)
【行  程】笹平から
  豊川 ==(R1)== 音羽蒲郡IC ==(東名・伊勢湾岸・東海環状・中央 75km \1,000)== 多治見IC ==
  7:41             7:48                                                        8:35
  == Kさん宅付近 ==== コンビニ ==(R19・県20・県33)== 笹平登山口 ---- 百曲りルート分岐 --
                                                     9:29-9:35         10:08
  -- 黒の田山分岐 ---- 754mピーク ---- 小ピーク ---- 黒の田山 ---- 分岐 ---- 馬ノ背山 --
       10:19             10:26          10:38         10:41        10:47      10:50
  -- 大草ルート分岐 ---- 展望台 ---- 八百山 ---- 屏風山 ---- 八百山 ---- 分岐 ---- 林道終点 --
         10:55           -11:13       11:15   11:24-11:59     12:12      12:25      12:33
  -- 寿老の滝分岐 ---- 黒の田東湿地 ---- 分岐 ---- 黒の田山分岐 ---- 笹平登山口 ==(県33)==
        12:41               -13:36      13:49         13:57           14:42
  == 小里川ダム ==== 道の駅おばあちゃん市・山岡 ==(県33・県20・R19)== 多治見・コメダ ==== 多治見IC ==
                                                                                         17:43
  ==(中央・東海環状・伊勢湾岸・東名 75km \1,000)== 音羽蒲郡IC ==(R1)== 豊川(合計走行距離:217.0km)
                                                       18:51            18:58
【山行時間】5時間7分(休憩を含む) (登り:1時間49分 下り:2時間43分)
【標高差】約225m
【人  数】2人
【天  候】快晴のち晴
  気温:21℃(自宅出発時)、18℃(登山開始時)、20℃(屏風山)、22℃(帰宅時)
     10月11日恵那の気象庁データ:平均気温19.2℃、最高気温27.6℃、最低気温13.6℃、平均風速1.4m/s、
                   最大瞬間風速7.6m/s、最多風向:西南西
【地形図】1:25,000 瑞浪(所持せず)
【スタイル】皮登山靴zamberlanフジヤマ、薄手ショートソックス+厚手ショートソックス、眼鏡、
 mont bellズボン(中国製 ナイロン(バリスパン)100% \6,570)、黒色ウェストバッグ(途中から着用)、
 綿100%トランクス(中国製)、MILLETアタックザック、中国製グレー半袖Tシャツ(綿72%・ナイロン28%)、
 タオル(途中から首にかけて歩く)、腕時計(CASIO TWIN SENSOR)、
 デジタルカメラ:MINOLTA DiMAGE7、SONY α350(いずれも首に提げて歩く)
【所持飲料】バロー SPORTS DRINK 500ml(約200ml飲む)、
      い・ろ・は・す I LOHAS 温州みかんエキス入りナチュラルミネラルウォーター 520ml(約200ml飲む)、
      AQUARIUS Day-Start バレンシアオレンジフレーバー カロリーオフ 500ml(飲まず)
 多治見のKさんと保古山に登ったとき、屏風山の話をしました。今回、行き先の提案として、Kさんから屏風山の名が挙がりました。もちろん私は文句ありません。ただ、ちょっと気合を入れないと登れないのかなあ、と何の根拠もなく思っていたので、私からの提案は躊躇していたところでした。でも、ちょっと調べてみると、それほど気合は必要なさそうです。

 「可児からの山歩き」(http://www.geocities.jp/kanikarano/index.html)に、屏風山のルートがいくつか紹介されていて、そのうち出発前には、百曲りコース、大草コース、笹平ルートの3ルートを確認しました。距離的には大草コースが短そうに見えましたが、地形図を見ると、笹平ルートが距離はあるものの、なだらかで、「足に優しい登山道」とも紹介されていて、途中で黒の田東湿地に寄ることも考えると、魅力的なコースに見えてきました。このコースをKさんに提案し、同意を得て決まりました。

 登山口は、国道19号瑞浪バイパスから小里川沿いの県道20号に入り、さらに県道33号に入り、小里川をカーブのある高い小里城大橋で渡り、1つ目のトンネルを抜けて左折したところから登っていきます。「屏風山」への案内板もあり助かります。最後の方は看板がない箇所もありますが、雰囲気で上へと進みます。登山口手前で地元の方がいましたので、聞いてみると、登山口はすぐそことのことでした。最後の車道分岐を左に折れて、ガードのないちょっと不安を感じるような小さな橋を渡ると駐車スペースがあります。先ほど話した方のものと思われる車が1台とまっているだけで、他に登山者の車はないようです。

 登山靴に履き替え、出発します。標高は既に550mを超えていて、山頂との標高差は225m程度しかありません。気温は18℃で涼しさを感じます。最初のうちは植林帯です。すぐに分岐がありますが、表示に従い、右の林道ではなく、左へ進みます。尾根に登ると小松洞山との分岐の表示があります。小松洞山には寄らず屏風山方面へ進みます。



笹平登山口の看板



萩原生産森林組合の看板



厳しい!

 百曲りルート分岐付近まで来ると、西側の展望に恵まれます。伊吹山や養老山地、鈴鹿山脈が遮るものなく見渡せます。名古屋の高層ビル群もよく見えます。雲がほとんどないいい天気です。北側の展望が得られないのが残念。



瑞浪方面を見下ろす



遮るものなく伊吹山がはっきり見えました



名古屋市街と御在所山(右端)・鎌ヶ岳を見る

 ベンチのある百曲りルート分岐を過ぎると、笹神山分岐の表示があります。左前方にあるこんもりしたピークでしょうか。今回はスルーします。



百曲りルート分岐 写真にはシロモジやコシアブラの葉が写っています

 黒の田山への分岐では、ピークハントを目的に、黒の田山経由のルートを選択します。少し下って沢を渡り、登り返します。最初のピークは754mの標高点です。Kさんから「棒でドーナツ 黒糖」を1つもらい食べます。

 展望のない黒の田山を過ぎて湿地からの分岐を過ぎ、馬ノ背山に出ます。ここも、湿地への分岐点となっています。復路はここから下る予定です。この先で二人の登山者とすれ違います。登山者に会うのは今日初めて。



ピークにはしっかりと「黒の田山」の看板がありました



「黒の田湿地」への分岐



馬ノ背山の看板

 近くに腰掛岩のある大草ルート分岐を過ぎ、登っていくと展望台への分岐があります。左に折れると前方に明るく開けた場所があります。ここからも、百曲りルート分岐付近からの展望と似たような展望が得られます。



「大草口」分岐



三国山のアンテナ群が見えました

 戻り、八百山を通過します。名の由来は800mという標高のようです。屏風山の山頂が794mですから、そのピークよりも高く、屏風山全体の最高点ということになるのでしょうか。いくつもの小ピークにそれぞれ名前がついているのは、それがどんなに貧相なピークであろうとも、ピークハンターにとっては嬉しいことです。でも、今回、いくつもの名のある小ピークへは、看板を見ながらスルーしたピークがあるのも事実。心残りになってしまいますが、再訪の動機になるとも言えます。



八百山にも看板がありました

 屏風山の山頂は他に誰もいません。正面の一等三角点が迎えてくれます。西の展望は相変わらず変化がありません。北側の展望が得られないのはここも同じです。ただ、東側の展望があります。そこからは、恵那山が丸見えです。あまりにすっきり見えているので、恵那山が小さく見えてしまうほどです。



瑞浪労山の文字もある屏風山の看板



一等三角点

 恵那山が見えるところに座って昼食とします。双眼鏡で見ると、恵那山より南方の稜線上に風車が13基ほど見えました。岐阜県初という上矢作風力発電所のようです。MINI STOP 多治見上野町店で買った、おにぎり2つ(紀州練梅\105とたまごかけ風ごはん\105)と、前日にヤマナカで買っておいた「草まんじゅう(小豆こしあん)」を食べます。

 食べ終える頃、単独の男性が山頂にやってきました。そして少し下ったところでも二人が登ってきました。あまり人気がない山だと感じていましたが、そこそこ登っている人もいるようです。さすが三連休というところでしょうか。それでもまだ少ない方でしょう。ガイドブックでも意外なほどに紹介されていません。一等三角点の山にしては不遇でしょう。

 中央道のパーキングエリアの名前になっているぐらいの山なのですが、私自身、その山は別の山だとしばらく思っていました。それはパーキングエリア付近から見える岩山。岩がいくつも山腹に見えるので、それを屏風と見立てて、その山を屏風山と言っているのだろうと勝手に思っていました。それほど目立つ山なのです。そして、フリークライミングの山としても有名です。この岩山は、通常、「瑞浪の岩場」と呼ばれていますが、「屏風山」と誤って理解している人も、私一人ではないようです。以前、何度か訪れて、クラック、スラブ、コーナーなどを何ルートかトップロープで登りました。もっとも5.9以下の簡単なルートばかりですが。一方、本物の屏風山は、山全体が屏風のように、横長になった山体です。笹平からのルートはその稜線をつなぐようなルートです。よって小ピークをいくつかわずかに登り下りするなだらかなルートなのです。

 馬ノ背山から湿地方面へ下り、しばらく行くと、林道終点に出ました。これは「可児からの山歩き」の概念図にも載っていないのであせりました。私はこの概念図を忘れてしまったのですが、Kさんが、ちゃんと持ってきていたので大助かりでした。でも、このポイントだけは例外です。よく見渡すと、林道の反対側に、ルート表示があるのに気づきました。林道は、寿老の滝方面からの林道の延長なのでしょうか。



林道を横断

 少し進むと、寿老の滝方面への分岐があり、湿地方面へ進みます。すぐ先に湿地への入口がありました。この湿地は、「黒の田湿地」ともありますが、「黒の田東湿地」ともあります。どこかに西湿地もあるのでしょうか。



「奥寿老」分岐



「黒の田東湿地」 東濃湿地群最大の面積との説明書きがあります

 湿地には木道もあります。シラタマホシクサ、ミミカキグサ、ホザキノミミカキグサなど、東三河の葦毛湿原と植生は似ています。周伊勢湾要素(東海丘陵要素)としての共通点もあるのでしょう。それにしても、東濃の山中にある標高750m程度の湿地と東三河の標高の低い湿地で同じものがいくつも咲いているのは不思議に思えてなりません。



黒の田東湿地



石がごろごろした湿地もあります

 湿地は、木道と脇の道をつないで一周できます。湿地は遮るものがなく、暑いですが、脇の木陰は涼しく助かります。湿原は広く、他に先ほど会った二人がいるのみで閑散としています。東濃最大の湿地とも言われているにしては、静か過ぎるぐらいに思えます。花の時期ではないかもしれないと、それほど期待していませんでしたが、思ったよりも多くの花を見ることができ大満足でした。



木道はそれほど新しくはありません

 登山道に戻り、沢沿いを歩き、少し行くと往路の分岐に合流します。下りでは登りで見た以上に、ツクバネの木が何本も生えているのに気づきました。花の終わったコツクバネウツギも見かけました。カラスザンショウの葉も目立ちます。



「月山」への分岐

 登山口に咲くヒメジソなどいくつもの花の写真を撮ってから靴紐を解きました。さて、近くにある「道の駅 おばあちゃん市・山岡」へ行ってみます。その手前に、小里川ダムがあったので寄ります。比較的新しいダムのようです。調べてみると2004年竣工とのこと。水はあまりたまっていませんでした。結構雨が降っている気がしていましたが、このあたりではそれほどでもなかったのでしょうか。それとも、いつもこのダムはこんな程度の貯水量なのでしょうか。



小里川ダム



ダム湖

 ダムの先に道の駅がありましたが、想像以上に賑わっています。巨大な水車が目を引きます。山岡町は寒天で有名です。当然ながら、寒天のみやげ物は何種もありました。私は何も購入しませんでしたが。



「道の駅 おばあちゃん市・山岡」にある日本一大きな木造水車と移設された與運橋

 多治見に戻って、前回と同じく、コメダに寄ってから帰路につきました。

 携帯電話の歩数計によると、1日で歩いた歩数は11,065歩。距離は6.63km、時間は2:00:06、消費カロリーは330kcal、脂肪燃焼47gでした。

 見かけた動物
 アサギマダラ

 見かけた花
 ナギナタコウジュ、シラタマホシクサ、サワギキョウ、ミミカキグサ、ホザキノミミカキグサ、イワショウブ、ツリガネニンジン、シロイヌノヒゲ、リンドウ?、キセルアザミ、ヒヨドリバナ、サワシロギク、シロヨメナ、セイタカアワダチソウ、ガンクビソウ?、コメナモミ?、アキノタムラソウ?、ツユクサ、チヂミザサ、ススキ、ノリウツギ、コウヤボウキ


【屏風山が紹介されている書籍】

『ワンデルングガイド6木曽谷の山と街道』(岳洋社)昭和62年5月11日発行
  大草〜屏風山〜湿地〜笹平のルートが3ページに亘り紹介されています。

『こんなに楽しい岐阜の山旅100コース 美濃[下]』(風媒社)2003年1月20日第1刷発行
  仲ヶ平ルート、大草ルートが紹介されています。

『名古屋周辺 続 山 旅徹底ガイド 裏木曽/東濃/奥三河』(中日新聞本社)1996年3月6日発行
  萩原大草ルート、仲ヶ平ルートが紹介されています。また、登山最適期は10月下旬とあります。

『美濃の山(第3巻)木曽川水系の山』(ナカニシヤ出版)平成10年11月3日初版第1刷
  大草から仲ヶ平経由のルートが紹介されています。寿老の滝経由のルートも少し紹介されています。
  こちらで購入できます→amazon.co.jp 「美濃の山〈第3巻〉木曽川水系の山」

『ぎふ百山』(岐阜日日新聞社)昭和62年7月15日復刻発行
  過去の地上権争いの話が語られています。

『'96アウトドアData3800東海版』(風媒社)1995年11月20日初版第一刷発行
  「屏風山」の項に「山頂からは恵那山、中央アを望む。」とあります。

『コンサイス日本山名辞典修訂版』(三省堂)1989年9月1日第6刷
  藩政時代の騒動についての記載があります。

『新日本山岳誌』(ナカニシヤ出版)2005年11月15日第1版第1刷発行
  「木曾川左岸の山」とありますが、庄内川水系なので、正確だとは思えません。

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