ヒサカキ 姫榊(非榊) Eurya japonica Thunberg ツバキ科 ヒサカキ属
花 弓張山脈 雨生山麓 2005.03.26
花 弓張山脈 三河富士 2007.3.4
花 西濃 象鼻山 2009.3.21
実・葉 東三河 葦毛湿原 2005.12.28
幹 東三河 弓張山脈 2006.1.28
幼木 東三河 常寒山 2007.1.14低山でよく見かける常緑樹です。やや乾燥した丘陵でよく自生しているようです。名前の由来はサカキ(榊)に似ていて小さいからヒメサカキ(姫榊)と呼び、それがなまってついたとか、サカキに似ているがサカキに非ずというところから非榊だとも言います。ヒメヒサカキというのもあり、紛らわしいですが。
ヒメヒサカキは、雄花の雄蕊が5本なのに対し、ヒサカキは12〜15本あります。
葉はまるみのある鋸歯があり、葉の先端がわずかに窪むのが特徴です。一方、サカキの葉はほとんどの場合、鋸歯がなく全縁です。枝の先につく芽は、サカキと比べるとかなり小さいようです。
また関東では主に神様に、関西以西では主に仏壇に供える花でもあるらしく、ビシャ、ビシャギ、ビシャコ、ヒサギ、ヒサキ、シタクサ、アクシバなど地方によっていくつもの呼び名があるようです。豊橋では、ヒシャシャキと呼んでいる人がいました。
雌雄異株で、1〜5枚目までの写真は雄花です。白く小さい花は下向きに多く付き、全体の印象としてはあまり美しくは見えません。ただ、花の一つ一つを見ると、クリーム色の花弁と暗紫色の萼片とのコントラストが美しく感じられます。三河富士での写真のように、花弁の一部が紫色を帯びているものもあり、より美しさを感じます。実は黒紫色で丸い。葦毛湿原の1枚目の写真では実だけでなく、小さな蕾もいくつか付いています。
樹皮は灰褐色です。常寒山で見かけたヒサカキの幼木と思われるものの枝は、萼片と同じような艶のある暗紫色でした。
分布は、岩手県・秋田県以南の本州、四国、九州、沖縄、小笠原、朝鮮半島南部となっています。
若枝や葉裏脈上が有毛で、葉がやや小さく、やや狭長楕円形のケヒサカキが稀に生えるそうです。
参考:『葉で見わける樹木』(小学館)、『日本の野生植物 木本』(平凡社)
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